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カテゴリ:コレクション( 23 )

手フート

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昨日の会場で、左京区一乗寺にある「りてん堂」さんがワークショップを行っていた。そこで使われていたのがこちらの手引き印刷機。


前の所有者との偶然の出会いから譲られたものだそうだ。鋳物のずっしりとした感じがなんとも好ましい。ブルーに塗られているのも意外といい感じ。

武蔵美の学生時代、デザイン科にいた友人が、これよりももう少し小型の手フート機を使って、自分で印刷したハガキをくれていた。まだ活版印刷は生き残っていた時代ではあったが、自分で活版印刷が手軽にできることを知ってちょっと驚いた。自分でやりたいとまでは思わなかったにしても、何か作ってもらいたいなという気はずっとしている。

それにしても「手フート」という名称が面白い。「フート」は「foot」で足の意味である。足踏み式ということ。手で操作する足踏み式印刷機・・・。



by sumus2013 | 2019-06-03 17:29 | コレクション | Comments(0)

JAPANESE BOOK ILLUSTRATION

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Yu-Ying Brown『JAPANESE BOOK ILLUSTRATION』(The British Library, 1988)を均一台で発見。大英博物館に所蔵される江戸時代の絵入り本を中心に紹介した図録である。コレクションにはかなり偏りがあるようにも思うが、それはそれとして、江戸時代の挿絵のヴァラエティが楽しめる。

絵のなかに本が登場する挿絵を探してみると、四点ほど見つかった。表紙は「Courtisan reading a picture-book(detail). One of 167 girls depicted in Ehon seiro bijin awse, 'Picture-book Comparing the Beauties of the Green Houses', by Suzuki Harunobu. 鈴木春信画『絵本青楼美人合』より。

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「Couple reading a poem by Okikaze on the theme of love: detail from Furyu sugatae hyakunin isshu[略]Attributed to Hishikawa Moronobu.」菱川師宣画『風流姿繪百人一首』より。


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「Girls learning the 'four virtues' through books written in simple kana. From Jido kyokun iroha uta,[略]illustrated by Shimokobe Shusui. Three volumes(Kyoto, 1775)」。下河辺拾水(しもこうべ しゅうすい、生没年不詳)は江戸時代の京都の浮世絵師。三巻とあるが『伊呂波歌』安永4年(1775年)刊行だろうか。


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「Travellers acquiring picture books and prints, the famous products of Edo, as souvenirs from wayside bookshops, by Masayoshi. From Tokaido meisho zue,[略]. Compiled by Akisato Rito and illustrated by various artists of mixed schools. Six volumes(Osaka, 1797)」秋里籬島『東海道名所図会』より北尾政美画「泉屋市兵衛店」、これは有名な図版ながら、ここでも掲げておく。

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by sumus2013 | 2019-05-27 21:01 | コレクション | Comments(0)

書棚と平台

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柴野京子『書棚と平台ーー出版流通というメディア』(弘文堂、平成21年8月15日)。「赤本」や「取次」など出版流通のについての論考を収める。その第三章「購書空間の変容」は本棚コレクターにとっては基本文献のひとつ。

近代日本の〈本棚〉史

以下、備忘のため本書より本棚の変遷について短い引用を連ねておく。

《一般書店に現在のような開架式の陳列が現われたのは明治中期あたりとみられる。それ以前は、本屋といえどもほかの商店と同じく畳敷、板敷の坐売りであった。》

坐売りが土間式に転じたのは

《書店において確認できたものでは神田神保町の東京堂書店、日本橋の丸善が最も早く、丸善が畳をリノリウムにかえて完全開架にしたのが[明治]三六年ごろである。》

《一部の和書肆を除けば、都市部の大型店でこの前後、遅いところでも昭和一〇年ごろまでには開架式が普及したものとみてよいだろう。》

《開架式の書店が坐売りに比べて画期的だったのは、店員が出してくるのを待っているのではなく、客が中に入って店にあるすべての本を見、ほしいものをみずから選ぶことができる点である。》

《ヘンリー・ペトロスキーの研究によれば、西洋でも書店で背表紙を手前に向けて縦に陳列されるようになったのは一八世紀後半のことで、それ以前は未製本のものがケース内に収納されているか、製本されていても重ねて「平積み」していることが多い。》

《小泉和子によれば、和本でも室町末期から書棚というものが独立してあったが、収納目的というよりも一種の飾り棚であって、納める道具としては箱や櫃が多く用いられていた。これは西洋でも同じで、書物が高価なこともあって、鍵のかかるトランクやチェストが使われていたようである。》

《近代の家庭用本棚に関する資料はごく限られるが、いくつかの断片をつなぎあわせてみると、一般家庭に本棚が普及したのは大正時代後半と考えられる。》

《人が他人の本棚に興味をもつのは、蔵書の内容や並べられ方から、個人の内面的な感心領域を窺い知ることができるからなのだ。個人のフィルターを通した本棚は、書店に並べられる領域とは必ずしも同一ではない、一つの秩序をもって再編成される。》

以上のまとめ。

《開架によって読者を店内に導きいれた書店は、数を増す出版物を棚に並べ、そこに分類という秩序を与えることによって読者の関心領域を名づけ、構造化させた。読者は選び出した本を読み、眺めたのちにそれを自分自身の本棚に並べなおすことで新たな感心領域を育て、書物が並ぶ風景は暮らしの中で日常化した。しかしながらいっぽうでは、近世から町中の露店や絵双紙屋で売られていた赤本的な娯楽読物を気楽に手にとる日常があり、この二つの日常は、一軒の書店の中にも棚と平台として共存し、独特の購書空間をつくりだした。》

もう一点、補充スリップについて書かれているところもメモしておく。

《非常に興味深いのは、この岩波文庫に補充スリップ(売上カード)が採用されていることである。補充スリップとは現在書店で流通するすべての書籍に搭載されているもので、売れた場合そこに書店印を押して取次に戻すと自動的に補充される短冊状の紙である。岩波文庫にスリップが入るようになったのは昭和五年のことで、『岩波文庫五十年』には「このカードによって小売店が売れたものを補充する際に、発注の手続きが著しく簡単となり、手数が省かれた。書籍販売に便利を与える新しい一つのアイデアであった」とあるが、松本昇平によると最初にこれを入れたのは大正一三年創刊の翻訳探偵小説シリーズ「アルス・ポピュラア・ライブラリー」であるという。》

ウィリアム・ル・クウー 青衣の乙女 アルス・ポピュラー・ライブラリー4

なお、この書影を見ると「アルス・ポピュラア・ライブラリー」となっている。

by sumus2013 | 2019-05-10 16:20 | コレクション | Comments(1)

ココ、クックー

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goreyさんおよび呱々さんでの一箱古本市、楽しく終了。呱々さんはくらしの古道具とうたっているだけあって、手の出しやすい値段で、センスのいい古道具が並んでいた。台湾や中国から買い付けてこられたという品々も。四十代と思われる女性店主としばらく雑談しながら品物拝見。この古そうな鳩笛を求めた。鳩・・・とは思うが、いわゆる鳩笛とはかなり形が違っているし、釉の色合いも渋い。さていったいどこのものだろう。素焼きの感じは江戸時代くらいにはさかのぼれるようにも思うが・・・わからない。割れているので安価であった。

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by sumus2013 | 2019-03-16 20:51 | コレクション | Comments(0)

ビクトリア州立図書館

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『JCB THE PREMIUM』昨年十一月号(ジェーシービー、二〇一八年一一月一日)、海外特集「西欧の面影を訪ねて 美しきメルボルン」より、ビクトリア州立図書館(State Library Victoria)。

《1856年に完成したオーストラリア最古の公立図書館で、書籍だけで200万冊以上、絵画や写真などを含めると500万点以上ものコレクションを誇っている。だれでも気軽に利用でき、毎日5000人以上が訪れるという。いくつもの読書室のなかでも圧巻なのがラトローブ読書室。ドーム天井の広々とした空間で、これを見るために訪れる人も多い。》(取材・文/日下智幸)

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今年も折に触れ、本棚のある風景を紹介していきたいと思う。

by sumus2013 | 2019-01-04 20:07 | コレクション | Comments(0)

黒岩比佐子さん旧蔵書

黒岩さんの旧蔵書の表紙がネット上で見られるようになった。さすがワクワクするような表紙がズラリ。

古書の森 逍遙』の黒岩比佐子さんの旧蔵書プロジェクト(2018.1.9)
『古書の森 逍遙』の著者、黒岩比佐子さんの旧蔵書の表紙をインスタグラムにアップするプロジェクトがスタートしました。
没後、旧蔵書を神奈川近代文学館に寄贈するにあたって、「黒岩比佐子を語り継ぐ会」の面々が、手弁当で約1年をかけて書誌データ作成と表紙のスキャンデータ化を遂行。黒岩さんが古書展の人垣をかきわけて買い集めた約6000冊の「古書の森」の全貌が、今後、明らかになっていきます。『古書の森 逍遙』に収録された本も多数アップされます。》(工作舎NEWS)

◉Instagram: @kuroiwa_library
 https://www.instagram.com/kuroiwa_library/

◉古書の森日記 by Hisako:古本中毒症患者の身辺雑記
(2018年01月09日:インスタグラム始めました)
 http://blog.livedoor.jp/hisako9618/
 
◉神奈川近代文学館:収蔵コレクション
(黒岩比佐子収集資料:寄贈・寄託年月ー2012年3月)
 http://www.kanabun.or.jp/reading_room/keeping-collection/
4,300点。 黒岩が執筆のため収集した図書雑誌。『食道楽』『日の出島』『HANA,a Daughter of Japan』ほか村井弦斎著書、「東洋画報」「近時画報」「日露戦争実記」などの国木田独歩関連雑誌など。


大日本レトロ研Q所の理科系稀書・珍書もネット上で順次公開されている。こちらは内容の一部も閲覧できる。必見。

大日本レトロ図版研Q所 架蔵資料目録

by sumus2013 | 2018-03-08 20:00 | コレクション | Comments(2)

本棚・本箱ギャラリー[日本篇]

「近代日本〈本棚〉史」(http://sumus2013.exblog.jp/29157273/)の継続という意味で本棚・本箱の画像を集めてみようと思う。

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漱石山房
『書斎』創刊号(書斎社、1926.2.15)口絵より

《書斎はなるべく二室欲しい、そして一は洋風一は和風としたい。洋風の方をやゝ手広く和風の方をやゝ小さくする、二室は襖の類いで隔てとする、共に南向きで和室を東寄りに置きその東側に向つても開放する。書架は洋室の方に工夫し、和洋書を十分置き得るやう、且つ場塞げにならぬやう壁の中に設けたい。》(「書斎の本領とその実際」市島謙吉)



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松浦武四郎の書斎「草の舎」(一畳敷の書斎)明治19年
『書斎』第三号(書斎社、1926.5.1)口絵より



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仏功徳蒔絵経箱(藤田美術館)平安時代
(蔵田蔵編『日本の美術No.16 仏具』至文堂、1967)



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三十帖冊子箱(仁和寺)平安時代
空海が唐より請来したもの 
(蔵田蔵編『日本の美術No.16 仏具』至文堂、1967)

巻子本の場合は経帙[きょうちつ]に巻くが、冊子本の場合は重ねて裂[きれ]で包んで経箱に収める。
経箱[きょうばこ] 経典をまとめて納める箱で、多くは蓋を備えている。一重のものもあるが、二重・三重になるものもあり、一定しない。また、香狭間[こうざま]形を透すものもある。金属製のものは金銅が多い。また木製の箱に漆をかけ、これに金銀の蒔絵、螺鈿などの技法によって装飾文様をかざる。




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洛中洛外図屏風 舟木本(東京国立博物館)元和初年(1615)頃
「五條通りの町並み」より本屋
(石田尚編『日本の美術No.132 仏具』至文堂、1977)



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禁裏守衛総督時代の徳川慶喜 元治元年〜慶應2
(『太陽 特集・徳川慶喜』平凡社、1998年4月)



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内田魯庵『文學者となる法』明治27(1894)
(特選名著複刻全集近代文学館、1974)


《『室内装飾』 文学者が意匠を凝す室内装飾に千種万様あり。その最も著じるしく人の注意を曳くに足るものは作者風の書斎なり。
作者風とは何ぞ。即ち文学者ブルを云ふ。一般にブルの必要なるは前に述べし如し。書斎に於ても亦大いにブラずんばあらず。》




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徳川武定(徳川武昭の次男)一家 大正6年2月
(『太陽 特集・徳川慶喜』平凡社、1998年4月)




by sumus2013 | 2018-01-22 20:46 | コレクション | Comments(0)

本棚・本箱ギャラリー[海外篇]

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ラルフ・アール作「エライジャ・ボードマンの肖像」1789
"ELIJAH BOARDMAN" by RALPH EARL
『MASTERPIECES OF THE METROPOLITAN MUSEUM OF ART』
BULFINCHI PRESS BOOK, 1993
ボードマンは織物商、独立戦争を戦い上院議員となった。
書棚付きスタンダップ・デスク



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フェデリコ・ダ・モンテフェルトロのグッビオ宮書斎における壁の装飾
(木の象嵌)1476-80頃
『MASTERPIECES OF THE METROPOLITAN MUSEUM OF ART』
BULFINCHI PRESS BOOK, 1993
一種のだまし絵である



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書店 The Bookseller Shop / Bibliopolium


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書斎 The Study / Museum

『ORBIS SENSUALIUM PICTUS』1777年版
コメニウス『世界図絵』
[複刻世界の絵本館(オズボーン・コレクション)、ほるぷ、1979]

by sumus2013 | 2018-01-16 17:49 | コレクション | Comments(0)

近代日本〈本棚〉史

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金沢文圃閣より『文献継承』第31号、『年ふりた……』21号が届いた。および刊行書の内容見本も。凄い本が次々出ていてビックリ。『「大阪」出版史図書総目録と出版界』とか『帝国日本の書籍商史人物・組織・歴史』とか・・・

金沢文圃閣出版目録

『文献継承』に書物蔵氏が「近代日本〈本棚〉史:本箱発、円本経由、スチール行き。そしてみかん箱」を執筆しておられ、これがまたすこぶる面白い。内容を紹介する代わりに引用文献を列挙しておく。

・ヘンリー・ペトロスキー『本棚の歴史』白水社、2004
・柴野京子「日常は本棚に宿る」『図書』2011.11
・西村竹間『図書館管理法』金港堂、1892
・東京高等商業学校書庫内の書架(絵葉書)
・小黒浩司編解題『図書館用品カタログ集』金沢文圃閣2016
・植村長三郎『書誌学辞典』教育図書、1942
神保町系オタオタ日記『井泉水日記青春篇』筑摩書房、2003
・幕末の洋学者竹内百太郎の書斎(楠瀬日年『書斎管見』翰墨同好会、1935)
・小泉和子『家具 日本史小百科17』近藤出版社、1980
・貞丈雑記、c.1764(『古事類苑』文学部洋巻第3巻)
・『日本古典書誌学辞典』岩波書店、1999
・尾崎紅葉の書斎(『新小説』第5年第6巻、1900.5.5)
・書棚広告『読書新聞』1884.11.5
・『SUMUS 10』2002.9
・『父の書斎』筑摩書房、1989
・宮崎利直「書庫兼用机」特許出願書類 キャレル(carrell)
・新橋堂「書斎用新式書棚」広告『読売新聞』1911.5.23
・伊東屋「本箱」「書棚」広告、1925
・木桧恕一『最新家具製作法下』博文館、1916
・成毛眞『本棚にもルールがある』ダイヤモンド社、2014
・改造社『現代日本文学全集』広告 書棚付き
・新潮社『世界文学全集』広告 書棚付き
・宮武外骨『一円本流行の害毒と其裏面談』有限社、1928
・商工省『家具公定価格集』家具指物新聞社、1943
・加藤秀俊「ものとの交流史23〈本棚〉」『TWO WAY』48, 1982.7
・内田魯庵の本棚(『書斎管見』翰墨同好会、1935)
・丸善、家庭用スチール本棚広告『読書新聞』1959.3-
・『五十年のあゆみ:第一鋼鉄工業所小史』第一鋼鉄工業所、1988
・紀田順一郎『書物との出会い』玉川大学出版部、1976
・内田洋行「ミリオンラック」広告(「スチール本棚」『婦人倶楽部』1960.11)
・『内田洋行70年史』内田洋行、1980
・永嶺重敏『雑誌と読者の近代』日本エディタースクール出版部、1997
・『紙魚繁昌記』書物展望社、1932
・中村真一郎「仙渓草堂閑談3」『文學界』1994.5
・瀬戸内晴美『有縁の人』創林社、1979
・「新意匠の書架 泡鳴氏の書斎」『読書新聞』1914.5.27
・「いまはカラーボックス」『読書新聞』1977.12.16
・紅野謙介『書物の近代』ちくま学芸文庫、1999
・松薗斉「文車考」『王朝日記論』法政大学出版局、2006
・北名古屋市歴史民俗史料館「屋根裏の蜜柑箱は宝箱」展、1993

論考の内容は本書に直接当っていただければと思うが、素晴らしいレファレンス内容である。

当方も刺激されて、本箱・本棚の画像を探してみた。と言っても手近にあるものだけなので悪しからず。近代日本にも、公私にもこだわらないということで。おおよそは時間軸で並べてみる。

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古代ローマにおける巻物の収蔵方法
アルベルト・マングェル『読書の歴史』(柏書房、1999)



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ラヴェンナ、ガッラ・プラチディア廟の壁画(440年頃創建)
四福音書を収めた櫃



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劉松年唐五学士図(宋時代、12世紀)
これは本箱なのかどうか、移動式の文房具箱か



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13世紀イスラム教国の図書館
テクストについての論議が白熱している
アルベルト・マングェル『読書の歴史』(柏書房、1999)



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福建省寧波の天一閣(嘉靖四十、1561創建、中国現存最古の蔵書楼)
明代の士太夫・范欽の書庫

《書物はすべて箱に収められて二階の書庫にあげられ、がっちりとした架構が、かつて七万巻あったというその重量をささえる。前面には防火用に池が掘られ、これに面する一階は、主客が本をめぐって論議しあるいは談笑するサロンである。》(『太陽 書斎の愉しみ』平凡社、1981.11)



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十七世紀のライデン図書館
『エナジー』特集=印刷文化
エッソ・スタンダード石油株式会社広報部、1973.12




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回転式の書架「転輪蔵(てんりんぞう)」
西本願寺・経蔵(1678年建立)

《八角形の各面に計360個の引き出し。中身は6323巻にものぼる大蔵経だ。上野寛永寺を開いた天海大僧正が1648年に完成させたのを寺が購入した。/転輪蔵を一回転させると、大蔵経をすべて読んだことになるという。》『朝日新聞』2014.10.28
本圀寺には足利義政が1464年に寄進した経蔵が現存する。そちらは一切経を582個の引き出しに収める。ほぼ同様な形式である。



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李朝文具図(『太陽 書斎の愉しみ』平凡社、1981.11)

朝鮮民画 文房図(チェッコリ図)
http://yoi-art.at.webry.info/201201/article_4.html

時代が下ると書帙は棚に置かれているが、古い画では
上図のように文具などとともに重ねてあるだけ。




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「鈴屋」
本居宣長が1783年に邸宅の二階の物置を改造した書斎
(本居宣長記念館絵葉書)
本箱が見える



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池大雅「楽志論図巻」(寛延三1750)部分
書棚のある部屋が書斎とは別に設けられているようだ。



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田仲宣編『嗚呼矣草』河内屋太助他、文化三1806



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頼山陽「読書八首」文政十一1828作
『頼山陽詩集』岩波文庫、1944
吾が架上の書を披き

山紫水明處
http://sumus.exblog.jp/14556218/



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『為理卿記』
冷泉家第20世 為理(ためただ:1824~1885)の日記
この写真の出所不明(何かの展覧会のチラシ)



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通油町(現・日本橋大伝馬町三丁目)の書物問屋・鶴屋店頭
斎藤長秋編江戸名所図会』須原屋伊八他、天保五1834
本は平積み。引き出しも在庫収納のためだろう。



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寺子屋風景
『日本風俗志』(平出鏗太郎他、1895)
先生の机の脇に本箱ふたつ、「経書」と「雑?書」。



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二葉亭四迷『浮雲』第一篇の挿絵
1887年(明治20年)から1889年にかけて発表
http://blog.livedoor.jp/kaitohkid/archives/4578908.html

《高い男は縁側を伝つたわって参り、突当りの段梯子だんばしごを登ッて二階へ上る。ここは六畳の小坐舗こざしき、一間の床とこに三尺の押入れ付、三方は壁で唯南ばかりが障子になッている。床に掛けた軸は隅々すみずみも既に虫喰むしばんで、床花瓶とこばないけに投入れた二本三本ふたもとみもとの蝦夷菊えぞぎくは、うら枯れて枯葉がち。坐舗の一隅いちぐうを顧みると古びた机が一脚据え付けてあッて、筆、ペン、楊枝ようじなどを掴挿つかみざしにした筆立一個に、歯磨はみがきの函はこと肩を比ならべた赤間あかまの硯すずりが一面載せてある。机の側かたわらに押立たは二本立だち書函ほんばこ、これには小形の爛缶ランプが載せてある。机の下に差入れたは縁ふちの欠けた火入、これには摺附木すりつけぎの死体しがいが横よこたわッている。その外坐舗一杯に敷詰めた毛団ケット、衣紋竹えもんだけに釣るした袷衣あわせ、柱の釘くぎに懸けた手拭てぬぐい、いずれを見ても皆年数物、その証拠には手擦てずれていて古色蒼然そうぜんたり。だが自おのずから秩然と取旁付とりかたづいている。》



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夏目漱石「書架図」紙本淡彩、1903
『別冊太陽 夏目漱石』平凡社、1980.9.25



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巌谷小波『日本一ノ画噺』中西屋、1911〜1915
『太陽 絵本』平凡社、1979.2.12



ルネサンス期の書斎

本の背中

ビュウィック画派の書斎

書斎に於ける鉄斎翁

池大雅「楽志論図巻」


by sumus2013 | 2018-01-04 20:47 | コレクション | Comments(0)

ぼっこう饅頭

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倉敷名物「ぼっこう饅頭」を頂戴しました。素朴なおいしさ。ごちそうさまです。「ぼっこう」は岡山弁。同封されている説明書きには次のように書かれている。

ヅドホン「ぼっこう」
 お美味しゆうござんすゾナ
 一ぺんおあがんさってみて
        ツカァセェ

 岡山県地方の代表的方言「ぼっこう」とは大層とか甚だという意に用いられます。「ぼっこう饅頭」は大層おいしいお饅頭という意味でつかいました。

本当は「ぼっこう饅頭」よりも「ぼっこうおいしい饅頭」とすべきなのだろう。というのは名詞を形容するためには別に「ぼっけえ」という言葉があるからだ。形容詞や動詞など用言にかかるのが「ぼっこう」である。ただし今日ではさほど厳密に区別はされていないようでもある。


ヅドホンもまたちょっと変った表現。これはそのまま検索しても何も出て来ない。いろいろ条件を変えて「ヅ」ではなく「ズ」で探してみると以下のような記述がヒットした。井上円了編『南船北馬集第十一編』(国民道徳普及会、一九一五年一二月一八日)より。

ここに岡山県巡講第一回を終わりたれば、その間に伝聞せし方言を記せんに、一国特殊の語と三国共通の語との二様あり。その中にて最も名高きはズドボッコー、オエンなり。ズドとは意を強むる語、すなわち最もとか、はなはだしとかいう意なり。ボッコーとは大層とか、ヒドクとかいう意なり。このズドボッコーを山口県にてはチウニゴッポーという。そのゴッポーはボッコーに当たり、チウニはズドに当たる。もしその意を今一層強めんとするときは、ズドホンボッコウという。ホンとは真にの意なり。

なるほどねえ・・・。お菓子の姿はこちらのサイトでご覧あれ。

木本戎堂のぼっこう饅頭と村雀

by sumus2013 | 2017-12-09 17:30 | コレクション | Comments(0)