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林哲夫の文画な日々2
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秋風抄

秋風抄_f0307792_16334721.jpg

季節外れながら『秋風抄』(山中種蔵、大正五年)なる摺物を入手した。これはまた、久々の、そして珍しい宇崎純一資料である。裏表に印刷された縦長の紙を折りたたんだ体裁。鹿の絵は赤松麟作による。

秋風抄_f0307792_16432514.jpeg


秋風抄_f0307792_16431519.jpeg

あとがきににこうある。

《秋風も早や木枯の月夜となり候折柄漸く亡妻の追悼集を上梓仕候》

《小生の一生中に於ける記念として知る人々に頒ちたき考に有之候カットは赤松麟作、芦田秋双、宇崎純一、の諸兄を煩し題字は月斗兄に依頼致候茲に御厚意を謝し申候
    大正五年師走 北渚謹識》

北渚山中種蔵の俳号。寄稿者の名前を拾っておく。

【俳句】
大谷句仏
中川四明
松根東洋城
佐藤紅緑
水落露石
松瀬青々
島田五工
石橋忍月
青木月斗
同 貞女
島道素石
同 朔女
天春静堂
粟津水棹
安江不空
石黒丈千
藤原游漁
武定巨口
岡本春沙
大山秋思
松崎愛霞
増永徂春
由利由人
菊池大我
栗田渚風
濱田月囚
永尾白花蛇
三好風人
井上芦仙
友金甲北
原 香石
小瀬不退
澤田葉子
荒木井蛙
新田春人
浅岡唐紅
失名氏
津川 湫
生岡不乙
井上桃柿
芦田秋双
某令夫人
花岡百樹
静泉翁

【書簡】
酒井水明
青木月斗

他に、北渚の妻への追悼文、俳句、短文。高浜虚子の手紙、諸家の引用、など。問題のスミカズは三点、カットと飾りケイ。大正五年だから、まだまだスミカズのいい感じが残っている。

秋風抄_f0307792_16334428.jpg


秋風抄_f0307792_16334006.jpg


蔵書印データベースによれば山中種蔵とはつぎのような人物である。

《近代の俳人。号、北渚。金尾種次郎(金尾文淵堂)、青木新護(月斗)らと同年ということから明治12年(1789)生か。明治32年(1899)1月、ともに「ふた葉」を創刊。文淵会同人。編著に「近畿遊覧その日帰り」など。(参考「金尾文淵堂をめぐる人々」「鬼史と北渚と余」など)》

by sumus2013 | 2020-01-29 17:33 | Comments(0)

京の雑煮

京の雑煮_f0307792_16190641.jpg
わが家の雑煮(なぜか関東風)


林若樹『集古随筆』(大東出版社、昭和十七年十月二十日)から「京の雑煮」を紹介しよう。発表時期は大正二年のようだ。京都の小山巨杜の家で元日を迎えたときのようす。小山巨杜についてはつまびらかにしないが、大阪朝日新聞社の関係者か。

大晦日には、祇園のおけら参りをして小山宅に泊まった。元日は五時起床。六時には膳についた。

《床には蕪村筆福禄寿の三大字の大幅が掲げられて居る。》

《巨杜君夫妻子女数人竝に予共に席に就く。男子には朱塗の低き俗に云ふ男膳、女子には蝶足黒塗の女膳が配られる。膳の向うには牛蒡の胡麻よごし二本を枕にしてゴマメ二疋が縦につき、其傍に花鰹魚をかけた数ノ子を少しく盛りたる一皿がつく。手許には根来椀に似たる深く大きなる四ツ椀と称する椀に雑煮を盛られる。扨三方に三組の盃を出して屠蘇を酌むことは別に変りがない。》

《椀の中には小児の拳程ある芋頭を頭にして小芋鏡大根焼豆腐が這入つて居て汁はスマシではなく白味噌で煮たものである。餅は鏡餅の小さきもので、東京の如く切餅でないのと焼かないで煮込んだのが特色である。主人は自分の家の儀式は大分くづれて居て純粋な京都風とは行かぬ、併し灯火の下で雑煮を祝ふのは毎も替らぬ家例であるとの前置から、いろ〜〜の説明を聞きつゝ箸をとる。》

《ヤッと一椀を替へ了つて二椀目の終りには既に満腹して汁を乾すのも苦しい位である。主人はと見れば椀の中の大部分を領する芋頭には手をつけないで汁ばかりを替へて最後に芋頭を平げて居る。成程さうしなければ二椀三椀を重ぬることはむづかしい。熟々其四ツ椀と称するものを眺むれば、東京の吸物椀に較べると量に於て約二倍も這入らうと思ふ位である。爰に於てか私は端なく蕪村の、

  三椀の雑煮かゆるや長者ぶり

の句を想ひ浮べて、成程京に来て大きな京風の椀で雑煮を祝つて見なければ、其長者ぶりの趣は真に了解することは出来ぬと悟つた。》

現在の京風雑煮はどんなものか検索してみると、ほとんど変わらないようだ。人参が入っているくらい。

京風雑煮 E・レシピ

吉田健一 東京のおせち


京の雑煮_f0307792_16170281.jpeg

ついでながら、わが家の正月の掛物は松阪帰庵の「無一物」としてみた。昨秋某書店で求めたもの。

by sumus2013 | 2020-01-03 17:21 | Comments(0)