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古本スタイル 01 出来

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古本スタイル 01』(書肆よろず屋、2022年1月1日)を本日(6日)午善行堂に搬入しました。A5判、中綴じ、本文32ページ、片観音表紙(表紙6ページ分)、600円。サイン本もありますよ。

編集人 山本善行
〒606-8417 京都市左京区浄土寺西田町82番地2 古書善行堂
電話 075-771-0061 http://zenkohdo.shop-pro.jp/
デザイン 林哲夫
印刷所 gr@phic
発行所 書肆よろず屋
600円

目次

龍膽寺雄と歩く街・・・・・・・・・鈴木裕人
古本ゴロゴロ道 その一・・・・・・林 哲 夫
スパイクふるほん旅・・・・・・・・林 哲 夫
善行堂日記・・・・・・・・・・・・山本善行

本の本1 オン・ザ・ロード:書物から見るカウンターカルチャーの系譜
新刊紹介 早田リツ子『第一藝文社をさがして』(夏葉社)
古書店の思い出 ジョージ・オーウェル[抄訳:林哲夫]
ふるほんクロスワードパズル上級篇

編集後記
コロナ禍のなかでも時間はたくさんあって、大きくは動けなくても準備することはできる。林哲夫と雑誌でも出しましょうかと話し合い、出来上がったのがこの「古本スタイル」。毎号ひとりゲストを迎え、自由に書いてもらうこと、年に二、三回出し、徐々にインタビューや対談、鼎談、訪問記なども入れていこうと、版元の書肆よろず屋さんとも楽しく話し合った。読者に喜んでもらうことは大事なことだけど、書き手の私たちが楽しんで書くことも大切だと思う。この小さな雑誌が皆さんの手元に届き、表紙をじっくり眺め、ページを開くと、私たちの古本スタイルを感じてもらえるのではないでしょうか。(善)


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龍膽寺雄と歩く街 鈴木裕人

 板硝子
 名古屋の古書即売会で買った『硝子の生長』はメッケモンだった。三百円という値札には躊躇したけれど、中を見たら断然安く感じられた。

  磨きをかけない硝子よりも磨いた平な面をもつた硝子の方が良いことは皆さん御存じの筈です。窓硝子から外を見 た景色やシヨーウヰンドーの中の商品が歪んで見えるやうな硝子程不愉快なものはありませんね。ですから一流の商 店等では殆どこの磨硝子を使つてゐるのであります。

 後で調べてみると、著者の各務鑛三(一八九六―一九八五)は、岐阜県出身のガラス工芸家。東京高等工業学校卒で、満鉄に技術者として入社した後にガラス研究に着手し、それが昂じてドイツ留学したそうだ。一九二九(昭4)年に帰国してからはクリスタルガラスの作品を発表して、帝展にも入選。三四(昭9)年には製作所も設立し日本のクリスタルガラス界を牽引する存在となった。で、この度入手した『硝子の生長』(七丈書院)は四四(昭19)年二月の改訂再版。当時の街が右の記述通りであったかは疑問だけれど、少し前の時代を考えるのには大変役に立つ。》



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スパイクふるほん旅  林 哲 夫
 
 久々に倉敷の蟲文庫を訪ねた。初めて暖簾をくぐったのは二〇〇九年四月だった。つい昨日のことのように覚えているのだが、なんと十二年もの歳月が飛び去ってしまっている。蟲文庫はほとんど変っていなかった。屋号の入った看板が風雨に晒されて煮染めたような味を出しているくらい。そうそう、独身だった蟲文庫さんはご結婚されて淡々とした応対ぶりは変らないものの古本屋店主らしい風格を漂わせるようになっておられた。本が増え過ぎ棚が足りないとおっしゃる。店内でライブを行うため動かしやすいサイズの本棚にしたのだが昨今の情勢では当分それも難しいようなので近々収容力のある本棚を導入するつもりだとのこと。


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古本ゴロゴロ道 その一  林哲夫

 京都に住み始めたのは一九八一年の三月だった。前年の十二月、ジョン・レノンがダコタハウスの前で射殺されたというショッキングなニュースが飛び込んできたまさにその日、パリの空港を発ったことを思い出す。それまでのおよそ一年間、西ヨーロッパ美術行脚のように美術館やお寺巡りをしながらウロウロしていたのである。月並みながら外国にしばらくいると日本の古いものを見直したい気持ちが強くなる。ひとまず郷里の讃岐白鳥にもどったのだが、古美術を勉強するなら奈良か京都に住もう、という単純な発想で家探しに出ることにした。まず奈良の妻の知人宅を頼って泊めてもらいひととおり見て回ったところが夜の闇があまりに深かったため奈良に住むことは断念した。一転、その家で教えられた京都市内の不動産屋を訪ねると伏見区深草西浦町のアパートを紹介された。郊外の新興住宅街ながら家賃も手頃だったのでとにかくそこに落着くことに決めた。伏見稲荷大社から徒歩二十分くらいの距離、奈良街道(国道二四号)に沿った二階建て八室ほどのアパート、上階の2DKだった。


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善行堂日記   山本善行

 雑誌「古本スタイル」を出すことになり、久しぶりに日記をつけることにした。ノートを買い、まっさらなページに日々の出来事を書いていく。すべてが過ぎ去っていくが、ノートの中に何かが残る。開かないと見えない世界だけれど、書き留めようとする気持ちを大事にしたい。まとめて日記を書くのは「古本泣き笑い日記」以来になるが、これを機に続けて書いていきたいと思う。
 この日記は二〇二一年八月後半から十一月中旬までの記録で、ノートに書いたメモのような言葉から説明したり補足したりもしている。日記には、その日考えたことなども書いている。こうしてパソコンに書き写していると、その考えたことなども思い出し、つい最近のことであってもすでに懐かしく思う。
 日記は読むのも書くのも楽しい

◯月◯日
 近くに古書店「午睡書架」が出来たので行ってみる。自転車で五分ぐらいか、私の子供が通っていた「コドモのイエ幼稚園」の近くだった。ドアノブに「ちょっと外出しています」とぶら下げてあったので帰ろうとしたが、もしかしてと思い念のためドアを開けると店主が座っていた。私も時々戸の鍵を閉めたまま営業していることがあるが、こちらの店主もうっかり者かも知れない。一軒家で靴を脱いで上がる。二階もあって、そこでも棚を見せてもらうが、まだまだ本は少なかった。その代わり、林哲夫の棚、書肆よろず屋の棚があって楽しめるようになっていた。本が増えるまで(古本屋には本が自然と集まってくる)貸し棚を増やすのも一つのやり方かも知れない。四谷シモンのポスターが額付きで三千五百円だったので購入する。四谷シモンを片手に持ち、自転車で持って帰るのが大変だった。古本屋には握力も必要なのか。
 哲学の道にも新しい古本屋ができたらしいのでまた覗きにいきたい。

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by sumus2013 | 2021-12-06 20:01 | 文筆=林哲夫 | Comments(2)
Commented at 2022-03-25 12:36
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sumus2013 at 2022-03-28 20:16
有難うございます!
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