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林哲夫の文画な日々2
by sumus2013


哲学の道の古本屋

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哲学の道に古本屋ができたという耳よりな情報が入ってきたので早速でかけてみた。銀閣寺に近いというので銀閣寺から南下することに。その前に善行堂に立ち寄って知っているかどうか尋ねたら、知らないという返事だった。ちょっと期待できるかも。

ぶらぶらと哲学の道を下って行く。まだまだ観光客はもどっておらず。一人二人すれ違うばかり(かつては肩がぶつかるほどの人通りだったのだが)。しばらく行くと石地蔵が立ち並ぶT字路がある。上南田町。その斜め前に古本ワゴンが出ているのですぐ分かった。店主が気軽に話しかけてくれるのをいいことに色々聞きただすと、本拠地は長野市元善町だそうで、善光寺の門前で茶を商っておられるという(創業嘉永六年 元祖高等番茶・古本 株式会社喜多の園)。そちらは任せて、哲学の道にオープンしたのが今年の五月半ば。昨年開店のつもりがコロナで延びた。元来が古本好きで東京でも古本屋をしばらくやっておられたとも【古本屋ツアー・イン・ジャパンに喜多の園として千駄木の店が紹介されていました】。

古井由吉、辻邦生、阿部昭あたりがよく揃っている。その他もほとんど文学書である。まだ長野には二万冊弱の蔵書があり、近い内に運び込むつもりだそうだ。書棚の隅々までチェックしてゆく(といってもそんなに広い店ではありません)。坪内祐三が何冊かあった。初入店の記念として、架蔵していない『靖国』(新潮社、一九九九年)の初版本を求めることに(正確には持ってはいたがとっくに処分してました)。ご主人は坪内氏と同い年で同じころ早稲田大学の国文(日本文学専修)に在籍しておられたそうで、坪内氏は英文なので面識はなかったものの同世代として急逝を惜しんでおられた。

店名を聞くのを忘れた! 看板がないのだ。頂戴した名刺には「喜多の園」の脇に「遅れてきた文學青年たちの店」と記されている。ひょっとしてこれが屋号か? 今度行ったら確認してみよう。目下は休み無し(不定休)でオープンしているとのこと。住所は京都市左京区浄土寺上南田町85番地2

by sumus2013 | 2021-07-16 19:56 | 京洛さんぽ | Comments(0)
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