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林哲夫の文画な日々2
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ブックセラーズ

ブックセラーズ_f0307792_20220744.jpg


今月公開の映画「ブックセラーズ」(D.W.ヤング監督、2019)のサンプル版を見せてもらった。四十周年を迎えたNYブックフェアの出店者たちに試みたインタビューをパッチワークのように編集したドキュメンタリー作品。

コロナ騒動以前のアメリカ古書界の歴史と現在の見取図がつまった多彩な内容である。さまざまなバックグラウンドをもつ古書店主たちが古書やコレクターについて自由に語っているのが、それぞれに哲学を感じさせるというのか、見事な語りぶりなのである。まず、その古書店主たち、コレクターたちの個性に惹き付けられる。

語られている事柄は、日本でも同じようなもので、特に驚くような話題ではないのだけれど、彼らの語りぶりは、それはそれぞれの書店主のキャラクターでもあるのだろうが、なんとも魅力的。日本の古書店人はここまで饒舌にみずからの考えを吐露できるだろうか……(身近な店主ですぐに思いつくキャラクターは善行堂くらいか。飲んだらけっこう気炎を吐きそうな人は多いかもしれないけど)

インターネットの普及によっていかに古書界が変化したか、それは多くの店主が語っている。その結果、希少価値がいっそう求められるようになり、サイン本や手紙や原稿が商売の中心になってきたこと、これは世界的な傾向である。女性の本、子供の本、毛沢東、ブラック・カルチャーやヒップホップの資料などなど、新しく台頭してきたジャンルについても、それぞれを専門とする店主やコレクターを取材しており、いい意味で総花的な、欲張った構成にもなっているが、それゆえ、変化の大きさを実感できる。そう、本を取り巻く世界は常に変化しているのだ、要するに、人々が変化しているように。

終りの方で「本はなくなるか?」という問いに何人かの店主が答えている。ある者はなくなると言い、別の人はなくならないと主張する。若い店主ほど、当たり前だが、未来に希望を持っている。二十代の若者が地下鉄の中でよく本を読んでいるのに反して四十代はタブレットにたよっているというような指摘があった。本当にそうなのかどうか、とくにコロナ以後、それがいったいどうなってしまうのか、これは実に興味深い。(コロナ自粛で「日本の古本屋」は大いに商売繁盛だと小耳に挟んだ)

セドリ師のことをブックスカウト(字幕では「古書ハンター」)と呼んでいたのが印象的。マーティン・ストーンという伝説的なブックスカウトがいたそうだ。彼はロック・ギタリストで、全米をツアーするたびに各地の古書店をめぐって驚くようなレアブックを掘り出してきたという。あれ、日本にも似た人がいたような(?)

もちろん貴重な書影もたっぷり、映画館のスクリーンでもう一度じっくり観てみたい作品である。

ブックセラーズ 公式サイト 予告編


by sumus2013 | 2021-04-05 20:27 | おととこゑ | Comments(2)
Commented by iwata1958 at 2021-04-07 08:51
マーティン・ストーンと言うギタリストコンサートの折りに各地の古本屋漁りとは羨ましい人生でしたね。しかしもう亡くなっている様ですね。
Commented by sumus2013 at 2021-04-07 13:07
伝説のセドリ屋だったようです。
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