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林哲夫の文画な日々2
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寺島珠雄書簡

寺島珠雄書簡_f0307792_20293057.jpeg


コロナ蔓延騒動もあって郷里に一年半ほどもどっていなかった。古家の状態が心配だったが、なんとか持ちこたえている。長らく不急不要の書物などの置き場になっていたのが、ここ五年くらいの間に、かなり処分してしまって、多少身軽にはなった。

結果として、だんだんどうしようもない紙の束ばかりが残ってくる。あとは引っ括って資源ゴミに出すしかないかと思い始めた。それでも、今回はまだ、少しはましな本が残っていたのを確認。できるだけ持ち帰った。他に手紙や葉書(美術展のDMの類い)・チラシなども蓄積されたままで、これもどうにかしなければならない。

私信ではない案内状などの封筒が入った段ボール箱を片付けていると、こんな封筒が見つかった。筆ペンでていねいに書かれた宛名を見て、誰だったかなと思いつつ、裏返すと、寺島珠雄さんから来た手紙だった。内容はすっかり忘れていたものの、読み返すと、記憶もよみがえってきた。『ARE』が第十号で終刊した。その感想である。消印は「98.9.19」。

《終刊とのこと、残念至極です。
 こんどは「私小説の3K」が好企画ですべて興味津々に読みました。私は木山捷平が好きというか、詩人時代にいろいろ関心を持っています。3K略年譜の交友に中国から来日していた黄瀛さんの名が出ていますが、その黄さんが一九八四年に重慶から来られた時は歓談できて、木山、井伏両氏などとの昔ばなしも聞いたのでした。》

《それと「文士の将棋熱」これには驚きました。昔は私も二十級以下の将棋を指していましたから。労働組合の書記局では争議などの問題がなければ将棋ばかりという戦後です。
 また、関西へ来て藤沢桓夫さんのお宅へ何度か伺って、指しはしませんが将棋談義に時をすごしたことも思い出しました。一回くらい教わっておくべきでした。》

《あとになりましたが、私の詩集を紹介いただいたこと、有難くお礼申し上げます。
 終刊を惜しみつつ。
  九月十九日》

この感想についてはかなり前に少しだけ触れている。

寺島珠雄『小野十三郎ノート』(松本工房、一九九七年)

最後に言及されている寺島さんの詩集というのは『酒食年表第三』(エンプティ、一九九八年)のこと。文字通り酒食のことだけを扱った詩集である。『ARE』10号の「亡羊書評」というコーナーで五行だけで紹介しているのだが、今なら二頁くらい何か感想を書いただろうに。

便箋の右肩にある数字、1と2が逆になっている。珍しい間違い。この手紙は『酒食年表第三』といっしょにしまっておこう。そのためには、まず、その詩集を探し出さないといけないのだが……


『寺島珠雄書簡集 石野覺宛 1973-1999』龜鳴屋、二〇一八



by sumus2013 | 2021-04-03 20:41 | 古書日録 | Comments(0)
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