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宮崎修二朗 神戸文学史夜話宮崎修二朗翁が四月一日に亡くなられた。宮崎翁について知るには以前紹介した今村氏の著書に勝るものはない。 今村欣史『触媒のうた 宮崎修二朗翁の文学史秘話』 その今村氏が神戸新聞に追悼文を寄稿しておられる。氏のブログに再掲されており読むことができる。 ここではやはり『神戸文学史夜話』(天秤発行所、昭和三十九年十一月十五日)を取り上げておきたい。昨年来、阪神間で大正から昭和戦前期に活動した詩村映二という詩人であり、活弁士だった人物を調べておられる方がおられて(無名の詩人を掘り出す奇特な方、だいたい想像がつくと思いますが、いずれ発表します)、その相談にあずかっていたのだが(一方的に話を聞いていただけです)、本書にも二箇所、詩村映二の名前が出ている。 一箇所は、昭和十年ごろまでに神戸とその周辺から出た詩誌を羅列したページに 《「驢馬」詩村映二・10》(p92) とある。『驢馬』は詩村の出していた雑誌。10は昭和十年創刊の意味である。もう一箇所は昭和二十年から現在までの動向を述べたくだり。昭和二十八年に発足した「半どん」の会について。 《当初は映画を中心に語り合うことから文化一般に話題の波紋をひろげてゆこうというねらいでしたが、やがて季刊誌「半どん」を発行し、神戸を中心とした文化人三〇〇名を擁する大世帯に成長し、行事として、文化、映画、美術、文学の四部門の新人や功労者に賞を贈る顕彰事業も継続しています。》 運営委員は、小倉敬二(神港新聞主筆)、木下繁(元神戸市消防局長)、香西精(元甲南高校教授、兵庫米穀社長)、小林芳夫(神戸証券取引所理事長)、仲郷三郎の六氏で、 《詩村映二がはじめ事務に当り、編集委員に、前記小倉、仲郷のほか、及川英雄(著書に「心あらば」「俗談義」他)改田博三(著書に「上方ヌード盛衰記」)桐山宗吉(著書に「ふるさとの祭」)詩人小林武雄の諸氏が当たっています。》 詩村は、戦後、ほとんど目だった活動はしていなかったそうだが、『半どん』の事務方をやっていた。宮崎氏の簡潔な書きぶりが小気味いい。神戸の文学史に志すなら、まず本書を通読しなければならない、そんな書物になっている。 《著者略歴 みやざき・しゅうじう[ママ] 大正一一年一月長崎市に生まれた。本籍は佐賀県藤津郡嬉野町、昭和二六年神戸新聞入社。いま、出版部長のかたわら「のじぎく文庫」の編集長。主な著書に「文学の旅・兵庫県」(神戸新聞社刊)「ふるさとの文学」(日本詩壇社刊)「兵庫県文学読本・近代篇」(のじぎく文庫刊)「兵庫の民話」(未來社刊・共編)「四国・瀬戸内海」「北陸・山陰」(中央公論社刊・共同執筆)など。現住所芦屋市翠ケ丘町。》(『神戸文学史夜話』より)
by sumus2013
| 2020-04-07 20:10
| 関西の出版社
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Comments(4)
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