カテゴリ
全体古書日録 もよおしいろいろ おすすめ本棚 画家=林哲夫 装幀=林哲夫 文筆=林哲夫 喫茶店の時代 うどん県あれこれ 雲遅空想美術館 コレクション おととこゑ 京洛さんぽ 巴里アンフェール 関西の出版社 彷書月刊総目次 未分類 以前の記事
2022年 09月2022年 08月 2022年 07月 more... お気に入りブログ
NabeQuest(na...daily-sumus Madame100gの不... 最新のコメント
メモ帳
最新のトラックバック
検索
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
邪飛第一号『邪飛』第一号(邪飛の会、一九七六年一二月二〇日)。稲川方人、日高美智子、平出隆、山口哲夫、松本邦吉、河野道代、正木千恵子、荒川洋治、古賀忠昭、の九人による同人雑誌。 《昨年の暮れに準備を広告したこの雑誌、ようやく創刊のはこびとなった。同人誌の経験のないものがほとんどで、助走段階からつまずきが多く、内部的なことがらにとどまらない不手際がつづいた。》 《「邪飛」というこの集りについては特記して誇れるものはなにもないが、ひとつだけ言っておけることはこの九人が、すべてそれぞれの作品をとおしてしか出会っていないということである。》 《荒川が紫陽社の活動をつづけ、稲川、河野や私が書紀書林の活動をつづけながらもなおそこから離れて「同人雑誌」を出す理由は厳としてある、と私は思っている。》(以上「編集を了えて」平出隆) 《私はいままで無定見にいろんな雑誌をつくり、倒してきたが、同人雑誌にずぶぬれになって参加するのはこれがはじめてである。 「邪飛」とはファウル・フライを指す。年二回刊という数少ないファウルだが、着実に読者のもとへとどけよう。》(同、荒川洋治) 『アイデア』368「日本オルタナ精神譜1970-1994 否定形のブックデザイン」には「平出隆」の項目があり、解説(扉野良人)には次のような『邪飛』についての説明がある。 《荒川洋治の個人誌『書翰』(檸檬屋/紫陽社、73-75)を平出隆が注文したことから交流が始まり、荒川の第二詩集『水駅』を平出が、平出の第一詩集『旅籠屋』を荒川が刊行。1976年、平出と荒川は共同制作で同人誌『邪飛』(邪飛の会)を出すが、創刊号のみで荒川が離脱し2号で終刊した。》 荒川氏は、何が気に食わなかったのか、ノイローゼを理由に一方的に離れたようである。第一号でもひとり傾向が違うのは歴然としているが・・・ それにしても第一号の表紙のこの文字の詰め具合。異常である(そう言えば平野甲賀もこの時期はベタ詰めだった)。装幀が誰と明記されていない。印刷所の記載もない。平出の雑誌『書紀』(一九七五〜八〇)の六号までは苅部印刷所だが、似たようなタイトルの詰め具合からして同じところかもしれない。 記事でいちばん興味をひかれたのは「表出、六〇年以後」というアンケート。 《一九六〇年以後に刊行または発表された詩集・詩作品・及び周縁の文学的表出のベストとおもわれるものを一人五点ずつ挙げ、その選択理由を註付し、ここに集計した。》 著者名だけカウントすると以下のような結果である。吉岡実が圧倒的な影響力を持っていたことが分かる。 吉岡 実 7 入沢康夫 4 清水哲男 4 吉増剛造 4 堀川正美 4 正津 勉 3 岡田隆彦 3 岩成達也 3 天沢退二郎 2 北村太郎 2 加藤郁乎 志摩 聡 辻 征夫 石原吉郎 島尾敏雄 種村季弘 赤瀬川原平 松山俊太郎 別役 実 中江俊夫 金 時鐘 江森国友 飯島耕一 鈴木 漠 吉田一穂 上原 和 岡井 隆 荒川洋治 奥崎謙三 粕谷栄市 会田綱雄 岩田 宏 黒岩 隆 庄司 薫 多田智満子 川田絢音 吉岡又司 沖浦京子 渋沢孝輔 島本久恵 出口裕弘 織田達朗 吉本隆明 田村隆一 清水 昶 則武三雄 山本紀康 岡崎 純 倉田比羽子 犬塚 堯 梅崎春生 村上一郎 高見 順 山崎正和 田久保英夫
by sumus2013
| 2020-02-14 20:45
| 古書日録
|
Comments(0)
|