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林哲夫の文画な日々2
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装幀者・菊地信義

装幀者・菊地信義_f0307792_16584500.jpeg

『詩と批評 ユリイカ』令和元年12月臨時増刊号(青土社、二〇一九年一一月一五日、装幀=水戸部功)。総特集 装幀者・菊地信義。菊地氏と、本を作る人々を追ったドキュメンタリー映画「つつんで、ひらいて」の公開に合わせた特集らしい。

本書の装幀を担当している水戸部功が「生業」という菊地の初期作品を紹介している文章を興味深く読んだ。水戸部氏は菊地氏の押しかけ弟子のようである。

先日、和田誠が亡くなって、和田本を一冊でも紹介しようと、かなり探したのだが、一冊もなかった(探し得た範囲内では)。そんなことあるのかなあ、と思ったが、それは多くの和田本を処分してしまったことを意味するのだと気付いた。

菊地本はどうか、と思ってそう広くもない書棚を眺めると、講談社文芸文庫が菊地装幀であることを思い出し、それなら何冊かはあったし(以前は一棚全部くらい持っていたがすっかり売り払った)、水戸部氏がエッセイで言及している平出隆の雑誌『書紀』もあるし、菊地の著書『わがまま骨董』(平凡社ライブラリー、二〇一四年)も見つかった。だが、それ以外には・・・案外ない。要するに文芸書が少ないということだ。と思ったら、一番目立つところに飯島耕一『冬の幻』(文藝春秋、一九八二年)が挿してあるではないか。この本が好きでこれまでも何度も装幀の参考にさせてもらった。とりたてて菊地信義っぽいわけではないが、微妙な文字の扱いは独特の神経が通っている。

装幀者・菊地信義_f0307792_16585866.jpg

稲川方人との対談で菊地氏はこう述べている。

《私が装幀で実現したいのは、目にしててにした人が一瞬にして本(作品)の消費者から作品の生産者に変わる装幀です。物語ではなく文の言葉へ人を誘うことです。物語を読むのは消費ですが、言葉を読むということは、読む人自身を読むこと、己を探すことです。》

ブランショ『来るべき書物』との出会いがベースにある言葉。個人的には、装幀は本の内容を微妙に変えると思っている。もし『冬の幻』を和田誠が装幀していたとしたら、それはまったく別の「本」になるのではないだろうか・・・要するに物質としての本は作品それ自体も読む人もどちらも変える力がある、むろん読者を生産者へと変える力も。

by sumus2013 | 2019-12-10 17:32 | おすすめ本棚 | Comments(0)
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