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林哲夫の文画な日々2
by sumus2013


滋養舶来香竄葡萄酒

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バッタリ、三密堂さんの前でとびらの氏に出会った。偶然ここで会うのは、たぶん三度目くらい。均一棚の前で立ち話。秋のイベント、いろいろ楽しみな話を聞く。百年のわたくし第4巻は十月五日徳正寺にて。いつものメンバーに加えて佐々木幹郎さんも参加されると聞いた。ああ、その日はロイユ個展の搬出日なのだ・・・残念至極。

今年のかまくらブックフェスタに、りいぶる・とふんとみずのわ出版が合同で出店するそうだ。そのとき堀江敏幸氏がゲストに来るとか。十一月二日、三日。また、十一月十七日には山田稔さんと服部滋氏のトークイベントが恵文社一乗寺店で予定されている。これは『ぽかん』の企画。山田さんの新著が印刷中とのことで、その刊行記念となるようだ。幼少時代を回顧したエッセイ集のようである。

とびらの氏が、百円の棚からひょいとつまみ出したのが、この広告(包み紙?)。「林さんが好きそうなものがありました」というので、ありがたく譲り受けた。印刷されている(たぶん木版摺り)文字を引用しておく(メダル部分は省略)。

 一等金賞牌
 農商務省 《H》 登録商標
 FRAGRANT WINE
 滋養舶来香竄葡萄酒
 大日本大阪
 エチゴヤ商会

香竄葡萄酒(こうざんぶどうしゅ)というのは香りをつけたワインである。「竄」は《香りなどがしみこむ》意味(字源)。香竄葡萄酒で検索すると、ヒットするのはほとんど神谷バーの神谷傳兵衛が初めて売り出したという蜂印香竄葡萄酒である。それ以外にも内田洋行やこの越後屋商店などの香竄葡萄酒があったようだ。

香竄葡萄酒と電気ブランのはなし オエノングループ

《傳兵衛は国内での洋酒の需要が高くなってきたのに目をつけ、ワインを一般に普及させようと考えていました。その頃、本格ワインは日本人の食生活になじみがなく、傳兵衛は樽詰めの輸入ワインにハチミツや漢方薬を加えて、甘味(かんみ)葡萄酒に改良しました。これが1881(明治14)年発売の「蜂印香竄葡萄酒」(はちじるしこうざんぶどうしゅ)です。「蜂印」という名称は、かつて傳兵衛が「Beehive(蜂の巣箱)」というフランス産ブランデーを扱ったことにちなみます。「香竄(こうざん)」とは父兵助の俳句の雅号であり、親のご恩を忘れないためにと、この言葉のなかに「隠しても隠し切れない、豊かなかぐわしい香り(まるで樽のなかの卓越したワインのように)」という意味があることにちなみます。この「蜂印香竄葡萄酒」は、親友で最大の事業協力者でもある近藤利兵衛の優れたマーケティング活動により、1900(明治33)年頃には全国で人気商品となりました。》

ハチハニーの合同酒精もオエノングループである。







by sumus2013 | 2019-09-24 17:24 | 古書日録 | Comments(0)
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