人気ブログランキング |

林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
カテゴリ
全体
古書日録
もよおしいろいろ
おすすめ本棚
画家=林哲夫
装幀=林哲夫
文筆=林哲夫
喫茶店の時代
うどん県あれこれ
雲遅空想美術館
コレクション
おととこゑ
巴里アンフェール
関西の出版社
彷書月刊総目次
未分類
以前の記事
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
more...
お気に入りブログ
NabeQuest(na...
daily-sumus
Madame100gの不...
最新のコメント
閑でした。コピペしたので..
by sumus2013 at 19:48
『正岡子規と美術』図録は..
by epokhe at 18:45
有難うございます! 蔵澤..
by sumus2013 at 08:06
すっかりご無沙汰しており..
by epokhe at 00:39
どなたかご存知の方がいら..
by sumus2013 at 07:58
メモ帳
最新のトラックバック
天才画家ゴッホの生涯と画..
from dezire_photo &..
検索
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


ラバー・ソウル

f0307792_16405432.jpg


ビートルズ6枚目のアルバム「ラバー・ソウル RUBBER SOUL」(Parlophone, 1965)の日本盤(東芝EMI、発行年不詳、日本初版は1966)。上の赤いのは拙作「クーシュ」。

9月28日に高橋輝次さんと『タイトル読本』(左右社)についてトークイヴェントを行うため、多少なりともネタを仕込んでおこうと、あれこれ考えている。ひとつは、翻訳のタイトル(本に限らず)には誤訳の多いことを少しだけ喋ろうと思って、まず浮かんだのが、村上春樹の『ノルウェイの森』。ただしこれは誤訳ではない(だって日本語の本だものね)。その元になったビートルズの「ノルウェーの森」が大誤訳なのである。それを村上春樹はそのまま(「ー」と「イ」の違いがありますが、66年版は確認できてません。一九六〇年代に日本で発売されたコンパクト盤(四曲入り)「ペーパーバック・ライター」に収録されたタイトルは「ノルウェーの森」です)小説のタイトルに使っている。

どう誤訳なのかはトークのときに(検索すればすぐ答えは出ますが)。その「ノルウェーの森」が収められているのがこの「RUBBER SOUL」である。ところが、上の写真の盤に付いている歌詞カードのタイトルは「ノーウェジアン・ウッド」(訳詞:高橋淳一)で「ノルウェーの森」ではない。さすがに「ノルウェーの森」はまずいでしょ、と誰かが気づいた(?)。

I once had a girl
Or should I say she once had me
She showed me her room
Isn't it good Norwegian wood

あの娘は俺のもんだった
いやそれとも俺はあの娘のもんだった
部屋に案内してくれてさ
ノルウェー・スタイルの愛の巣さ

[中略]

And when I awoke I was alone
This bird has flown
So I lit a fire
Isn't it good Norwegian wood

目があいてみりゃ一人ぼっち
あの娘は消えちまってた
煙草をふかして俺一人
ノルウェー・スタイルの愛の朝

ノルウェー・スタイルの愛の巣》は苦心の訳である。拍手。ただ、出だしの二行は解釈が間違っているのでは? この歌詞はナンパがテーマなんだから「I had」は《俺のもんだった》じゃなくて、おれがひっかけた、そして、いや、彼女がおれをひっかけたのかな、と続くのが自然だろう(だって彼女の部屋にいるんだからね。「ひっかけた」というのも少々古臭いかもしれません、「お持ち帰りした」ですか、昨今なら?)。

それにしても「ラバー・ソウル」というアルバム・タイトルそのものもシャレが効いている。「ゴムの魂」って? rubber sole、lover soul がクロスしているのか(イギリス英語はrとl、bとvをそんなに極端に区別しないように思います)。他にも含んだ意味があるのかもしれない。とにかく翻訳というのは容易でないというひとつの例である。

by sumus2013 | 2019-09-17 20:31 | おととこゑ | Comments(0)
<< 陳書 上京する文學 >>