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キネマ旬報* * 《邦文字幕の反響 パ社に倣ふ外国映画会社 フォックス社は日本語 版も製作するか? パラマウント日本支社がトーキーの不評に対する妥協策として同社映画に邦文字幕を挿入する方法は「モロッコ」においてはじめて試写され意外なる好評を博したためパ社本年度映画は悉く邦文字幕を挿入することは既報の通りだが、パ社 新方法は外国映画界に一センセーションを起し各支社とも類似の方法を研究中でオール・トーキーは早晩日本版を作ることになるものゝやうである。即ちフォックス社は日本支社代表クラレンス・フォン・ヘイク氏が四月廿日頃帰米するので目下具体案を協議中 映画中の会話を在米邦人によつて日本語とするかパ社同様邦文字幕挿入とするかの何れかへ帰著するものらしくメトロ社では現在ワーナー、F・N映画等に用ゐられてゐる「エックスヴァージョン」採用説が盛んである。以上の各社ともまだ態度は決定してゐないが、パ社映画との対抗上秋のシーズンまでには具体的な結果を見るに至るであらう。》 《八銭と十五銭の入場料で 大東京開館 洋画専門上映 東京市内に一番安いといふ外国映画上映館が、四月一日から開館した。それは、いままで色物を出してゐた浅草の大東京で、入場料は八銭に十五銭、尤も八銭は子供と老人であるが、割引から大人八銭子供四銭になつてしまふ訳である。 上は一円二十銭から下は金十銭まで、浅草映画街の十余館が値下げ競争の中に、この均一料金は大勉強といはねばなるまい。 これまで、十銭均一、所謂「テンセンス・ショウ」で遊楽館があるが、これはチャンバラ日本映画専門で、十銭の看板を上げた当時はセンセーションを起したが、今度は洋画館だけに驚ろかされた。 開館番組はMGM映画「コサック」に「ロイドの危険大歓迎」》 寄贈雑誌紹介欄が初めて出ている(手元にある号のうちで)。いろいろな映画雑誌があったことが分かる。一般誌と思われるものは略して引用しておく。 映画往来 麹町区内幸町一ノ六商興ビル 往来社 映画時代 麹町区有楽町三柏ビル 其社 蒲田 麹町区三年二[ママ] 其雑誌社 日活映画 麹町区三年町二 映画世界社 松竹 小石川区小日向水道町五三 豊国社 映画と演芸 麹町有楽町[ママ] 東京朝日新聞社 サンデー・キネマ 大阪市西成区粉浜中ノ町一ノ一六 其社 映画女王 小石川区白山前町五七 其社 キネマ新聞 京橋区銀座七丁目五ノ十二号 其合名会社 活動新聞 芝区西久保八幡町十一 其社 日刊帝通映画部通信 京橋区銀座西五ノ二 帝国新聞社 キネマ週報 京橋区木挽町二ノ四 其社 キネマ・ニュース 京橋区銀座西八丁目九ノ六 影絵社東京支社 帝都プロ集 市外高田町雑司ヶ谷一一四六 東京キネマ週報社 * * * * 《ユ社映画撮影に * * と思って『青春図會 河野鷹思初期作品集』(河野鷹思デザイン資料室、二〇〇〇年)を調べて見たが、この「情熱の一夜」の広告は収録されていない(同書の初期図案はキネ旬や『国際映画新聞』から取られているとのこと)。この年(昭和四年)一月、河野は東京美術学校図案科に在籍のまま、松竹キネマ株式会社宣伝部に図案係として入社していた。以後、一九三五年五月の退職まで同社の予告ポスター、映画雑誌の折込広告、新聞広告などのデザインを多く手がける。まさに山田伸吉の「大正調」キネマ文字からの脱却が、ここからスタートしたわけである。 * * この号はカラー広告がかなり多くなっている。時報欄には「武蔵野館の楽士減員から/本邦最初の楽士争議/警視庁の調停で円満解決/ミジュシャン協会の活動」という見出しがある。 《トーキーの出現、レコード伴奏の採用から常設館に働く楽士の失業問題が起り、それ等の楽士を会員として日本ミジュシャン協会が成立したことは既報したが、今回その第一回の争議が起つた。 それは新宿武蔵野館で、去月卅日突然無警告で楽士十七名の内六名に手当一ケ月分を支給して解雇したところ、トーキー流行で就職難の折柄、解雇手当一ケ月では如何とも仕方がないとて、経営者市島亀三郎氏に手当二ケ月分を支給するか、解雇を十月まで延期するかして貰ひ度い、と歎願したが拒絶されたので、ミジュシャン協会に通知して応援を依頼すると共に警視庁調停課に出頭、事情を述べて調停方を依頼した。》 全国に二万人の楽士がいるとのことである。 * * 「闇より光へ」の原題が「DRESSED TO KILL」 * * * * 常設館になる 神戸湊川新開地の聚楽館は最近松竹合名会社と菊水キネマ商会との共同経営で邦画専門の常設館と成る事に決定し、開館の週には妻三郎映画「砂絵呪縛」を封切る予定である。》(時報) * * 《神戸松竹劇場 映画館に成る 神戸湊川新開地の松竹劇場は愈々来る正月興行より大阪京都両松竹座の姉妹館として、高級映画封切館に成る事に決定し、第一週にはパラマウント社の新映画を封切る予定である。》(常設館便り) 《常設館へ強盗 滋賀県彦根町の帝国館へ十二月三日午前一時頃から未明迄に賊忍び入り現金一円ばかりを窃取の上十日頃迄に来るから現金百円を用意して置け若し応じなかつたら帝国館を焼き払ふと凄文句を並べた脅迫文を書き置き逃走したとは、どこまでも映画式の盗賊振り。》(常設館便り) * * 234号 大正11年7月21日 「時報」欄より検閲記事をば。「朝鮮と台湾の/映画検閲/八月一日実施」 《朝鮮総督府では七月五日付、台湾総督府では七月八日付をもつて、映画検閲規則を発布し、七月一日から実施する事に成つた。朝鮮の手数料は内地と同じく三メートル五銭、台湾は五メートル五銭と云ふ事に成つたが、朝鮮では常設館数五十、台湾は僅か十館に過ぎないのに、此の手数料は高すぎると、映画業者は全廃運動を開始して居ると。》 「編輯後記」より。編集部は香櫨園にあったようだ。 《東京から古川、岡崎、岩崎、高橋等の諸君が大挙遊びに来たので、急に賑かに成つた。それにめつきり暑く成つて、編輯には辛い時期と成つた。夕方浜へ出て泳ぐと、仕事の辛さもすつ飛んでしまふ程快よい。旬報社へ遊びに行きたいなどゝ愛読者の方から時々手紙を頂くが、どうか遠慮なくどなたでも遊びにいらつしやい。その代り何のお愛想もありませんよ。東京の連中は皆んな河童と馬の化身であるかの様に此の香櫨園を荒らして居る。ウマと云ふのは僕等の術[ママ]語?で社外の方には判るまいが、カードの名手を云ふのである。夏の間は月三回の発行は仲々骨が折れるーーなどと愚痴はもう云ひません。早く秋が来れば良いな。(田村生)》 * * この号の「時報」欄に検閲に関する記事が出ていた。「映画検閲料金が/一年間に十四万円/近く検閲所大増築」 《昨年七月一日に新設された内務省の活動写真検閲所は近く大拡張をする事に成り、二万円の予算で現在の西側宮城前芝生の中に建坪六十四坪を増築中であるが、本月末竣工を待つて大型映写機二台を購入し、同時に検閲官八名、事務員十二名を全部で三十名に増員する事に成つた。 既往一年間のフィルム検閲数は一万三千五百三十七件で、約六万巻十二万米突に達し、そのうち四万米突が新規物、六万米突が複写物(複写物とは同一映画のセカンド・プリントを示す。映画によつては七八本自至十数本のプリントを使用する事あり)二万米突が再検閲物で、検閲料(三米につき新物五銭、複写物二銭、再検閲物一銭)は約十四万円に上り、総経費十万円を支払つても四万円の利益があつた訳で、今度の拡張費もこれで支弁するのだとある。》 * * 《雑誌「大衆文芸」を発行しつゝある二十一日会に於ては同人たる白井喬二氏、正木不如丘氏、本山萩舟氏、平山芦江氏、江戸川乱歩氏等の手に依り映画のプロダクションを設立せんとの議が起り目下頻りにその準備中である由。第一回作品としては白井氏の「元禄快挙」を映画化すべく予定されているが、実現の上は直木三十五氏等の聯合映画芸術家協会と対立的興味を惹く事である。》(時報) * * * *
by sumus2013
| 2019-10-08 19:32
| 古書日録
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Comments(5)
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imamura
at 2019-09-04 08:21
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西宮市川尻なんて地名、初めて見ました。
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sumus2013 at 2019-09-04 13:51
たしかにそう記載されています。検索しても出てこない地名ですね・・・
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imamura
at 2019-09-04 16:10
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おもしろい記事が見つかりました。
file:///C:/Users/imamura/Downloads/%E9%98%A1%E9%99%B5No.62%E3%80%802011.03.31%20(1).pdf また別に、河内厚郎さんが西宮ラジオで話されている中に、この編集部は西宮市荒戎町の民家の二階にあったとありました。
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imamura
at 2019-09-04 16:12
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すみません、うまく貼れませんでした。
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sumus2013 at 2019-09-04 19:29
関東大震災の影響で西宮周辺に拠点を移していたんですね。映画撮影所などいくつもあったわけですか、なるほど。
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