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一九三〇年代モダニズム詩集―矢向季子・隼橋登美子・冬澤弦

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好評につき増刷決定!

「一九三〇年代モダニズム詩集―矢向季子・隼橋登美子・冬澤弦」発売中

この背をむき出しにしたコデックス装が詩人の人たちには新鮮だったようだ。詩集ではまだ珍しいのかもしれない。初めて見ましたという感想もいくつかいただいた。最近ではそう目新しい造本というわけでもなく、ときどき見かける。本ブログでもいくつか紹介してきた。あ、何より『書影でたどる関西の出版100』がコデックスというか「特殊クルミ装」(というらしい)でした。

コデックスは巻物に対しての冊子本という意味なので「コデックス装」という呼び名はどうかと思うが、もうこの意味で定着しているようだ。

様々なスタイルのコデックス装 製本事例
http://www.watanabeseihon.com/article/15472691.html


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8月19日、届いた。予想通りというか、予想以上に、表紙タイトル空押しが効いている。光を当て浮かび上がる詩人たち。

本文もカラー図版多数、詩も、論考も、年譜もいい感じ。しおりがまた充実している。しおりの表紙の挿絵は、扉野良人氏がしおりに書いている腕木通信の文字より取った。みずのわ出版、入魂の一冊。

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一九三〇年代モダニズム詩集—矢向季子・隼橋登美子・冬澤弦


編=季村敏夫

発行=みずのわ出版

装幀=林哲夫

プリンティングディレクション=黒田典孝((株)山田写真製版所)

印刷=(株)山田写真製版所

製本=(株)渋谷文泉閣

四六判(天地188mm×左右127mm) コデックス装 240頁(ノンブル239頁)

表紙 あらじま 白 四六判Y目180kg 表1凹エンボス 表4 K/1°

オビ あらじま 雪 四六判Y目80kg DIC435/1°

本文 b7バルキー 四六判Y目 64.5kg 表版4°/裏版1°

栞 A6変型判(天地148mm×左右100mm)16頁

ファーストヴィンテージ ベージュ 四六判Y目56kg K/1°



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8月の新刊「一九三〇年代モダニズム詩集―矢向季子・隼橋登美子・冬澤弦」

各位
今年の夏も異常に暑い日が続きますが、お変りありませんでしょうか。
今年二点目の新刊「一九三〇年代モダニズム詩集―矢向季子・隼橋登美子・冬澤弦」(季村敏夫編)を刊行します。

小社が関わった神戸モダニズム詩史としては、「永田助太郎と戦争と音楽」(編集=季村敏夫・扉野良人、発行=震災・まちのアーカイブ、製作=みずのわ出版、2009年6月)、「山上の蜘蛛―神戸モダニズムと海港都市ノート」(季村敏夫著、2009年9月)、「窓の微風―モダニズム詩断層」(同、2010年8月)の続編に位置付けられます。

戦時下の神戸と姫路に生き、一冊の詩集も遺すことなく消えた三人の詩人の原石といえる詩篇を収録。かれらの関わった同人誌の人脈から総力戦体制下の文芸活動を検証し、治安維持法違反容疑で詩人17名が一斉検挙された神戸詩人事件(1940年3月3日払暁)の背景と今日的課題を明らかにすべく、今回刊行の運びとなりました。刊行の趣旨につきましては、本書「はじめに」全文を転載しますのでご一読願います。

なお、本書は600部の少部数限定出版、いわゆる自費出版物です。高額なれど本書を必要不可欠とする読者の求めやすい価格という編者の要望もあり、仮に全部数を定価で販売しても制作費全額は回収できない、そういった価格設定となっております。編者著者が肚を括らなければまともな本を遺すことができない、そんな時世でもあります。

8月15~25日頃出来予定、です。ご購読のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

フェイスブックとブログに、本文の刷取り画像を掲載しています。
2019年8月5日
みずのわ出版 代表 柳原一徳 拝

一九三〇年代モダニズム詩集―矢向季子・隼橋登美子・冬澤弦
四六判コデックス装 239頁 図版64点(ほぼ全点カラー)+栞16頁
8%税込2,916円(本体2,700円)ISBN978-4-86426-038-1 C0095
初版第一刷2019年8月15日発行
編=季村敏夫
発行=みずのわ出版
装幀=林哲夫
プリンティングディレクション=黒田典孝((株)山田写真製版所)
印刷=(株)山田写真製版所
製本=(株)渋谷文泉閣

はじめに(本書3~4頁収録)
 かつてあったことは、後に繰り返される。殺戮、破壊、錯誤、懺悔、その重なりのなかで、身体の刻む詩的行為の火、花、火力は現在である。

 上梓のきっかけは、一冊の同人誌と映画との出会いだった。小林武雄編集の『噩神(がくしん)』創刊号で矢向季子を知った。身震いした。映画は、日本統治下の台南の詩人を描く『日曜日の散歩者』(黄亞歴監督)。台湾を襲った地震の映像のあと、同人誌『神戸詩人』が迫ってきた。西脇順三郎らの『馥郁タル火夫ヨ』から引用があり、明るさの戻った部屋で茫然としていた。「現実の世界は脳髄にすぎない」「詩は脳髄を燃焼せしむるものである。こゝに火花として又は火力としての詩がある」、わたしはあらためて、戦時下の詩をたどりはじめていた。

 同人誌と映画との遭遇が、次から次へと出会いを導いてくれた。平坦ではなかったが、みえない数珠のつながる道のり、促されるまま従った。

 かつてあったことは、後に繰り返される。一九三〇年代後半、シュルレアリスムに関わった青年は治安維持法違反容疑で次々と獄舎に送られた。神戸詩人事件はそのひとつだが、現在である。今回編集した矢向季子、隼橋登美子、冬澤弦、初めて知る詩人だが、このラインにも、シュルレアリスムへの目覚め、総力戦、同人誌活動の終焉、モダニストの戦争詩という歴史がある。しかも三人は番外の詩人、一冊の詩集もないまま消えた。

 あるとき、ある場所で、確かに生きていたひと。詩は、息のひびき。声を出して読めば、ひとはよみがえる。生きていた場所、場所の記憶、青空に染まる歓声まで戻ってくる。

 消えてしまった、たましいをよびよせる、この集を編みながら念じていた。

(「がく神」の「がく」の漢字は環境依存文字ゆえ、パソコンによっては正しく表示されない場合があります)

■目次
矢向季子詩集抄/隼橋登美子詩集抄/冬澤弦詩集抄
「夜の声」読後感(矢向季子)/詩をよみはじめた頃(内田豊清)
内田豊清のこと/矢向季子のこと―シュルレアリスムの目覚め/隼橋登美子のこと―神戸詩人事件について/冬澤弦のこと/『神戸詩人』と台南の風車詩社について―石ほどには沈黙を知らず
初出一覧/関連年譜

■栞(16頁)
天使は肉声でうたう 藤原安紀子
遠くに書く―モダニズム詩所感 扉野良人
「しんぼるの森林」に分け入る 高木 彬

■編者
季村敏夫 きむら・としお
一九四八年京都市生まれ。神戸市長田区で育つ。古物古書籍商を経て現在アルミ材料商を営む。著書に詩集『木端微塵』(二〇〇四年、書肆山田、山本健吉文学賞)、『ノミトビヒヨシマルの独言』(二〇一一年、書肆山田、現代詩花椿賞)、共編『生者と死者のほとり――阪神大震災・記憶のための試み』(一九九七年、人文書院)、共著『記憶表現論』(二〇〇九年、昭和堂)、『山上の蜘蛛――神戸モダニズムと海港都市ノート』(二〇〇九年、みずのわ出版、小野十三郎特別賞)、編著『神戸のモダニズムⅡ』(二〇一三年、都市モダニズム詩誌、第二七巻、ゆまに書房)など。


by sumus2013 | 2019-09-02 16:16 | 装幀=林哲夫 | Comments(0)
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