人気ブログランキング | 話題のタグを見る

林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
カテゴリ
全体
古書日録
もよおしいろいろ
おすすめ本棚
画家=林哲夫
装幀=林哲夫
文筆=林哲夫
喫茶店の時代
うどん県あれこれ
雲遅空想美術館
コレクション
おととこゑ
京洛さんぽ
巴里アンフェール
関西の出版社
彷書月刊総目次
未分類
以前の記事
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
more...
お気に入りブログ
NabeQuest(na...
daily-sumus
Madame100gの不...
最新のコメント
移転しました。
by sumus2013 at 19:50
そうでしたか、フジイ(変..
by 岩田和彦 at 13:40
コメントをしばらくチェッ..
by sumus2013 at 20:44
ルーブルはもうかなり前か..
by sumus2013 at 07:54
先週、富山県美術館に行っ..
by 鈴木春樹 at 09:12
メモ帳
最新のトラックバック
検索
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


津高家の猫たち

津高家の猫たち_f0307792_17182183.jpg

外出した帰途、久しぶりに立ち寄った古書店で『津高家の猫たち』(東方出版、一九九五年一一月三〇日)を見つけた。二十四年前の今日、津高和一が自宅の倒壊によって亡くなったということは聞いていたが、その実際がどうであったか、その一端を知ることができる写真集だ。奇遇と思って購入した。(『わがヴィヨン』のつづきは明日)

吉野晴朗の写真(写真キャプション、あとがき)に、津高和一が猫について書いた短い文章が付されている。

津高家の猫たち_f0307792_17181877.jpg
母屋の正面と石彫作品(1972年)と猫


津高家には主人の他に雪子夫人と十匹ほどの猫と一匹の犬が住んでいた。

《兵庫県西宮市で100年以上経っている古い農家の母屋と納屋を改築したギャラリーとアトリエが芝生の庭をL字形に囲み落ち着いた佇いを見せていた。門から続く細長い露地は外との結界になり、石畳も真・行・草と趣を異にしてやがて猫たちの遊び場の庭に入る。》

《秋には庭での個展や架空通信講座を催し建物、庭すべてが開放され、あらゆるジャンルの人々が集いこの時ばかりは猫たちよりも人間が多い津家であった。
 多くの人々の心の軸になっていた家は平成7年(1995年)1月17日午前5時46分の阪神淡路大地震のため倒壊、津高和一先生・雪子奥様が亡くなられた。そして一瞬のうちに先生の美意識で構成されていた空間も消滅してしまった。
 しかし幸いにも10匹の猫たちと震災3日後に瓦礫の下から救出された老犬モミはみんな無事だった。その後被災動物救援団体の人達にも手伝っていただき、今では静岡、高山、石川、和歌山、京都などで心優しい里親のもとで元気に暮らしている。》

以上は吉野晴朗「あとがき」より。津高家の猫の写真集は地震の前から企画されていたそうだ。

津高家の猫たち_f0307792_17181583.jpg
先生の朝食後、猫たちは新聞に興味がない


津高家の猫たち_f0307792_17181101.jpg
ミケコ家族と老犬のモミ、夏は玄関が涼しい



震災後、母屋の正面は下のようになってしまった。津高家の猫たちは二週間ほどの間にポツポツと自宅に戻ってきたのだそうである。

津高家の猫たち_f0307792_17180724.jpg



毎年、震災のメモリアル・デイに合わせてギャラリー島田では津高和一の追悼展が開催される。今年は津高和一展 津高和一を偲んで、豊富な資料とともに」(1月19日〜30日)である。

ギャラリー島田



by sumus2013 | 2019-01-17 20:25 | 古書日録 | Comments(0)
<< ベーエヌの司書 ミッテラン図書館 >>