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ミッテラン図書館堀越孝一『わがヴィヨン』(小沢書店、一九九五年八月三〇日)冒頭にパリの旧国立図書館が登場する。一九九二年夏のこと。堀越氏は帰国直前にクレマン・マロが一五三三年に刊行した『フランソワ・ヴィヨン全集』を閲覧した。上写真がその『Oeuvres complètes de François Villon』(『La Bibliothèque nationale / mémoire de l'avenir』DÉCOUVERTES GALLIMARD 88,1991,より)だと思う。 《今日は、特別閲覧室、レゼルヴといっているが、そっちにじかにいくからと番台のマダムに断って、すんなり第二帝政様式の鉄傘下に足を踏み出す。レアル(いまはフォーラムなるショッピングモールに変貌してしまった往時の中央市場)やエッフェル塔に先駆けるパリ市最初の鉄骨建築の大ホールである。いつもはこの閲覧室に座席をとるのだが、今日はまっすぐ突っ切って、奥のコントロール、といっているけれど、さて、なんというのか、閲覧人図書出納管理機構とでもいうか、その番台の脇の石段をトントンと登り、腰高の鉄柵を押しあけて(たしか押したと思ったのだが)、迷路を右手にとると思い鉄板のドアがある。そいつを肩で押しあけて(いやまあ、そんな気分だということです)、たまたまそこで人に出くわすと、パルドン、メルシの応酬があって、そこでようやく階段にたどりつく。余計なことだけれど、セーヌ上流のベルシー河岸の方に計画中の「ミッテラン図書館」(いや、他意はありません。ミッテラン大統領の時代に多分竣工するであろう新国立図書館というほどの意味です)では、たぶんこういうのんびりした雰囲気はなくなるでしょうね。なにしろここは第二帝政の世界なのです。》 第二帝政というのは日本で言えば幕末・維新の時期にあたる。堀越氏は皮肉っぽく書いているが「ミッテラン図書館」という呼び方は、その後定着しているようだ。二〇〇六年にそこで貴重書を閲覧された冨岡郁子さんのエッセイにも出てきた。 BnF(フランス国立図書館)の発行する雑誌『Chroniques クロニック』78号 また、実際のところ、ミッテラン大統領は読書家だったようで、昨年十月には旧蔵書のうち現代の初版本や原稿類などのオークションがオークションハウスPIASAで開催された。文人たちとの交友関係もあったのだろうが、それ相当なコレクションと言っていいようだ。下記サイトから目録を見ることができる。
by sumus2013
| 2019-01-16 17:22
| 古書日録
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