林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
カテゴリ
全体
古書日録
もよおしいろいろ
おすすめ本棚
画家=林哲夫
装幀=林哲夫
文筆=林哲夫
喫茶店の時代
うどん県あれこれ
雲遅空想美術館
コレクション
おととこゑ
巴里アンフェール
関西の出版社
彷書月刊総目次
未分類
以前の記事
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
お気に入りブログ
NabeQuest(na...
daily-sumus
Madame100gの不...
最新のコメント
なるほど、そういうもので..
by sumus2013 at 12:26
「それ以外の二百二十部に..
by Kyo at 11:15
有難うございました。林く..
by sumus2013 at 20:15
遅くなりましたがやうやく..
by 中嶋康博 at 18:44
ご覧いただき有難うござい..
by sumus2013 at 21:00
坐る女性、馬を引く人々、..
by みなみ at 18:11
本年もどうぞよろしくご教..
by sumus2013 at 08:10
有難うございます! そう..
by sumus2013 at 08:05
珍しき ひかりさしそふ ..
by epokhe at 01:58
遅ればせながら新年明けま..
by epokhe at 01:38
メモ帳
最新のトラックバック
天才画家ゴッホの生涯と画..
from dezire_photo &..
ルーベンスの故郷、ヨーロ..
from dezire_photo &..
シャガール、ピカソ、マテ..
from dezire_photo &..
ポン=タヴァン派、総合主..
from dezire_photo &..
視聴率に関係なく選んだ2..
from dezire_photo &..
宝石のような輝をもった印..
from dezire_photo &..
ルネサンス美術の巨匠・ピ..
from dezire_photo &..
既成概念から絵画の解放に..
from dezire_photo &..
既成概念から絵画の解放に..
from dezire_photo &..
過去に来日した傑作を回顧..
from dezire_photo &..
検索
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


パゾリーニの青春

f0307792_20021059.jpg

題 名=ジョヴェントゥ ピエール・パオロ・パゾリーニの青春
発行日=2019年1月1日
著者等=田中千世子(たなか・ちせこ)
発行所=みずのわ出版
http://www.mizunowa.com/index.html
装 幀=林哲夫

詩人としてのパゾリーニは『パゾリーニ詩集』(みすず書房、二〇一一年)で広く知られるところだろう。本書では、そのパゾリーニの文学的な原点であるフリウリ語との関連をかなり深く掘り下げた内容が注意を引く。

《パゾリーニはフリウリ語で詩を書き始めた。そして文学雑誌を発行した。雑誌の名前は"STROLIGUT[ストロリグト]"(暦)、季刊である。一九四四年四月に最初の号が出た。
 その巻頭言にパゾリーニは書く。フリウリ語でーー。現代イタリア語の対訳などあるはずもない。イタリア人で文学的教養の豊かな人でも半分もわからない。フリウリ人でなければ読めない言葉だ。》

《フリウリは現在、正式にはフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア自治州と呼ばれ、イタリア共和国の北東部に位置する地域だ。州都はトリエステ、アドリア海に面した由緒ある港湾都市で、東は旧ユーゴスラヴィア、現在のスロベニアとの国境だ。》

パゾリーニはボローニャに生まれてボローニャ大学で学んでいるからフリウリ人とは言えないが、母親がフリウリ地方のカサルサ出身で第二次大戦中は母の故郷で過ごした。一九四六年から書きためたフリウリ語の詩を『カサルサ詩集 Poesie a Casarsa』として刊行している。

《地元の若者の誰かしらがこれを読んだ。そして失望とともに驚かずにはいられなかった。都会のボローニャからやってきた優秀な学生がよりにもよって農民たちが使う田舎丸出しの方言を詩に使っているのだから。と、ニコ・ナルディーニは解説する。
 たとえて言うと、東京に出て文学修業していた中上健次が地元に戻って新宮弁で詩集を発表したようなものか。だが、中上はもともと新宮の人間だから、違う。》

《中上ではなく、別の東京の坊ちゃんか、京都か神戸の坊ちゃんで、母方の実家が新宮にあって、そして、その坊ちゃんが母方の実家の町に戻って、新宮弁で文学を発表したーーと想定したら? 地元の若者は「なんや、俺らの田舎臭い言葉を使いよって」と驚く。そうするとパゾリーニの詩を読んだフリウリの若者の気持ちがわかりやすくなるだろうか。》

なるほど、そういうものか。著者は山梨県生まれ。映画評論から自主映画の製作監督へ。イタリアにおいてはパゾリーニ財団との関わりも深く、著者ならではの視点で多面的に、日本の状況とも対比しながら、論じられている。むろん映画についても多くの紙幅が割かれており、そう言えば、パゾリーニ、昔はよく見たなあと断片的に思い出したりした。

パゾリーニの青春はやはり戦乱と切っても切れない。ファシズムの闘いも、ファシズムとの闘いもあり、内乱もある。戦後の荒廃も。そう言う意味から、少し派手に、燃え上がるようなデカルコマニイのジャケットを作ってみた。

f0307792_20020634.jpg
ジャケットと表4


f0307792_20020304.jpg
ジャケットと扉


【用紙】
カバー MTA+-FS 四六判Y目 135kg
表 紙 気包紙-FS(U) ディープラフ L判Y目215.5kg/K判T・Y目147.5kg
見返し ハンマートーンGA ブラック 四六判Y目 130kg

by sumus2013 | 2018-12-23 21:14 | 装幀=林哲夫 | Comments(0)
<< 印度の歌 本の話 >>