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林哲夫の文画な日々2
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帷子耀習作集成

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『帷子耀習作集成』(思潮社、二〇一八年一〇月一日、装本=井原靖章)を某氏が贈ってくださった。少し前に拙ブログの帷子耀を取り上げた記事にアクセスが集中していた時期があった。なんでかな、といぶかしく思っていたら、本書が刊行されたためだということを知った。買うほどの思い入れはないが、ちょっとのぞいては見たかった。深謝です。

現代詩手帖

某氏は《帷子耀は名のみ知る詩人で、『スタジアムのために』は下北沢の古書店でビニールカバーがヨレヨレになったものを数年前に買ったことがあるのです》というからさすがの古本者である。

本書に収められている藤原安紀子「ひとのくちをかりた杙がひとりでにうごく」によれば詩人としての帷子耀とはおおよそこういう活動をした。

《詩人帷子耀。その人物像についてわたしの知ることは多くない。1968年当時13歳であったその人は、雑誌「現代詩手帖」(思潮社)の新人作品募集欄に投稿をはじめる。即座に頭角をあらわし入選をかさねたのち、2年後の1970年に第10回現代詩手帖賞を受賞する。

《また、投稿と並行して、当時最前衛といわれた金石稔主宰の同人誌「騒騒」に相次いで作品を発表する。詩作品のみならず論考や映画評なども各種雑誌へ寄稿した。受賞後に「現代詩手帖」編集部から詩集上梓へのオファーがあったものの、実現には至らなかった。ただ一冊のみ、『スタジアムのために』という詩集を書き下ろししている。その薄い書物は、創立したばかりの書肆山田が発行していた小冊子「草子」シリーズの別冊「草子別」として編まれ、1973年に刊行された。

《そして詩人は筆を絶った。
 13歳から19歳までのわずか7年間にセンセーショナルな作品を大量に発表し、突如断筆した伝説の詩人。遅れて詩を書きはじめた者は、そんな彼の奇談めいた噂を耳にするのみである。》

作品についてどうこう書くつもりはないが、チラリとめくっただけで時代の匂いが強烈に発散してくるのを感じる。一行一行一語一語が喚起する時代のイメージがうっとうしいくらい。帷子耀は小生と同い年。まさしく同時代に生きていた(いる)。生きてはいたが、小生はそんなに早くから目覚めていなかった(ひょっとして今もまだ寝ぼけてまなこかも)ため、それらの詩行から湧いてくるイメージはかなり貧弱に違いない。だいたい『現代詩手帖』なんて存在すら知らなかったし。しかし、本書の成立に少なからず影響を持ったと思われる四方田犬彦氏(二歳年長、帷子耀デビュー当時高校生)ならビンビン響いてくるものがあった、今でもあるのだろうと推察する。そういう作品だ。パンドラの箱、開けずにはおられないという感じ。

装幀がこれまた凝りに凝っている。ハードカバーの表紙にはタイトルが彫って(?)ある! ビックリ。

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著者サイン入り、右は検印紙?



思潮社新刊情報 『帷子耀習作集成』

古書ソオダ水 Twitter(サイン本)


by sumus2013 | 2018-11-21 21:13 | おすすめ本棚 | Comments(2)
Commented by 某氏です。 at 2018-11-22 07:33 x
「名のみ知る詩人で、・・・・買ったことがあるのです」は、日本語としてちょっと変ですけれど(笑)、詩集一冊を読んでも遠い存在のままだった印象が残っています。ヨレヨレ(というか、縮んでしまった)のビニールカバーは、引っ張っても伸びませんでした。
Commented by sumus2013 at 2018-11-22 16:50
昔のビニールカバーによくありますね! 意外といいのかもしれないな、と拾い読みしながら思っています。
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