人気ブログランキング | 話題のタグを見る

林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
カテゴリ
全体
古書日録
もよおしいろいろ
おすすめ本棚
画家=林哲夫
装幀=林哲夫
文筆=林哲夫
喫茶店の時代
うどん県あれこれ
雲遅空想美術館
コレクション
おととこゑ
京洛さんぽ
巴里アンフェール
関西の出版社
彷書月刊総目次
未分類
以前の記事
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
more...
お気に入りブログ
NabeQuest(na...
daily-sumus
Madame100gの不...
最新のコメント
移転しました。
by sumus2013 at 19:50
そうでしたか、フジイ(変..
by 岩田和彦 at 13:40
コメントをしばらくチェッ..
by sumus2013 at 20:44
ルーブルはもうかなり前か..
by sumus2013 at 07:54
先週、富山県美術館に行っ..
by 鈴木春樹 at 09:12
メモ帳
最新のトラックバック
検索
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


山陽詩鈔

山陽詩鈔_f0307792_19034081.jpg

知恩寺の和本をもう三冊ほど。『山陽詩鈔二』『山陽詩鈔四』(菱屋孫兵衞他、天保四年三月兌)および『山陽先生題跋』(須原屋茂兵衛他、嘉永三年發刻)。薄茶表紙の二冊には「百華園記」の朱文方印が捺されている。

『山陽詩鈔』は割合と綺麗な本だが、気に入ったのは、本そのものではなく、そこに挟まれている”葉っぱ”なのだ。「二」には二枚、「四」の方には、なんと十数枚も! ざっと画像で見ていただこう。

山陽詩鈔_f0307792_19034532.jpg
山陽詩鈔_f0307792_19034850.jpg
山陽詩鈔_f0307792_19035224.jpg
山陽詩鈔_f0307792_19041354.jpg
山陽詩鈔_f0307792_19041878.jpg
山陽詩鈔_f0307792_19042314.jpg
山陽詩鈔_f0307792_19042890.jpg
山陽詩鈔_f0307792_19043663.jpg
山陽詩鈔_f0307792_19044255.jpg
山陽詩鈔_f0307792_19044799.jpg
山陽詩鈔_f0307792_19045367.jpg



”葉っぱ”のほとんどはイチョウのようだ。現在も虫除けの効果があるとする意見も多いようだが、実際にはどうなのだろう? 実証になるかどうか、とにかくこの二冊に虫食いはない。

作ってみた! 銀杏(イチョウ)の葉でオーガニック防虫剤

イチョウ以外にはアサガオらしい葉もある。江戸時代にはアサガオも葉や種に防虫効果があるとされていた。他にタバコ、シキミ、クス、ショウブ、ヨモギ、トウガラシ(実)、センキュウ、アサガオ、アサ、ソテツ(花)なども書籍の間に挟んだり、書箱の中に入れたりして用いられたという。詳しくは下記にて。

植物を用いた江戸時代の書籍害虫防除法

山陽詩鈔_f0307792_19045879.jpg
『山陽詩鈔四』奥付



山陽詩鈔_f0307792_19050316.jpg
『山陽先生題跋』奥付


『山陽先生題跋』は拾い読みしてみるとなかなか面白い。書画や硯、書籍について書いた文章を集めてあるわけだが、山陽の見識やコレクション癖がうかがえて興味が尽きない。もう少し読み込んでからいずれ紹介できればと思う。


by sumus2013 | 2018-11-03 20:29 | 古書日録 | Comments(4)
Commented by koganemaru at 2018-11-04 08:21 x
かつて幕府の地方代官家に伝わった史料をしらべていたときに判例の記録の結構な量の冊子の、すべての頁にイチョウの葉が挟んであるのをみつけたことがあります。これらの冊子には虫喰はありませんでした。他の史料には虫損があったので、薬効があった証拠になるかもしれません。ただ、ぜんぶで数百枚になるので、どうしようかと相談しまして、その後の保存場所も万全とはいえず、シミが付くかも知れないと思い、結局外して別袋にいれて残すことにしました。その処置がよかったのかどうか、今もときどき思い出します。
Commented by 岩田 at 2018-11-12 20:35 x
小生も大切な本には、イチョウの葉を挟んでみよう!そして読まなくなって本棚にさしたままか或いは積んどく状態で、十年過ぎた頃確かめてみたくなりました(笑)
Commented by sumus2013 at 2018-11-14 16:26
koganemaru さま そんなお仕事をされていたのですか。イチョウの虫除け効果はたしかにありそうですね。昔の人の知恵にはいつも驚かされます。
Commented by sumus2013 at 2018-11-14 16:27
岩田さま イチョウにアサガオ、風流ですね。
<< 父の仕事場 黄葉夕陽村舎詩二冊 >>