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林哲夫の文画な日々2
by sumus2013


檸檬/万置き

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梶井基次郎『檸檬』(日本近代文学館、一九七三年一一月一日四刷)。

本の虫の本』で能邨陽子さんが「檸檬」について書いておられるなかに聞き慣れない単語があった。

《店になにか勝手に置いてくる、という意味でのいわゆる「万置き」的行為を初めて知ったのは、大島弓子の作品の中でしたが、調べてみれば、「万置き」は今は「万引き」の対義語として独り立ちし、海外では(日本でも?)自己表現的なアート活動の一環としても捉えられているとのこと。

万置き」とは……。実際に能邨さんが勤めておられる恵文社一乗寺店ではどんなものが置かれたのかというと、もちろん「檸檬」!《覚えている限りでこれまで二度レモンが置かれていました》。ミニカー、リボン、ネックレス、購入予定書の一覧メモ、フライヤー、ステッカー、表に植木鉢(つまり「捨て鉢」です)。

《最近はこんなイタズラめいたことも少なくなり、なんとなく寂しいような気も。あの美しいレモンイエロウを棚に見つけた日を懐かしく思います。》

ちょこっと検索してみると、自費出版の本を勝手に書店に平積みした人物もいるようだ、気持は分らないでもないが……。

瀬山の話

梶井基次郎全集


by sumus2013 | 2018-09-05 21:21 | 古書日録 | Comments(0)
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