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林哲夫の文画な日々2
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蛍の灯台

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野口雨情『螢の燈臺』(童謡詩人叢書2、新潮社、一九二六年六月一五日)。装幀は竹久夢二だとする書店さんがあるが(あきつ書店)、少なくとも入手したこの状態の本書にはその記載は見えない。ただし、いかにも夢二らしいシンプルかつ華麗な図案である。まったくのジャケ買い(ジャケットじゃなくてカバーだからカバ買いですね)。天地15センチほどの愛らしさ。

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口絵には「Kiichi」のサイン。岡本帰一。

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野口雨情の童謡は小生くらいの世代(昭和三十年生まれ)でもけっこう馴染みのあるものが多い。本書のなかではっきりメロディまで口ずさめるのは「雨降りお月さん」と「兎のダンス」だけだが、保育園で踊ったような覚えもあるのだから恥ずかしい。

ざっと目を通していて面白いと思ったのは「かもめ」。

 かもめ飛んだ 飛んだ
 かもめ が 飛んだ

なんだか一昔前の流行歌にこんな歌詞がありました。それから「子供と象」も、おやっと思った。全文、青字はルビ。

 子供『象よ 象よ お鼻が
 なぜ長い

 象『お鼻で お乳を
 飲んだから

 子供『象よ 象よ お眼めめ
 なぜ小さい

 象『幼ちさいとき
 居眠りしてたから

言うまでもなく、まどみちおの「ぞうさん」を連想させる。構造は同じだ。

 ぞうさん
 ぞうさん
 おはなが ながいのね 
 そうよ
 かあさんも ながいのよ


野口雨情の活躍した明治から大正時代、日本はモダニズムに突入していたわけだが(夢二のデザインを見よ!)、童謡のテーマはほとんど鳥、虫、獣である。他に、植物、星月雪、そして人事、超自然もあるにせよ、全収録八十七篇中、鳥虫獣を扱ったものが四十二篇、ほぼ半数。それらが子供たちにとって最も身近な存在だった。

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もうひとつ。未年生まれということで羊に関する詩文や画像もそれとなく集めている。本書にはズバリ「羊來い」と題された童謡があった。メモしておこう。

 羊 來い
 來い

 牧場は
 遠い

 小さい 羊は
 くたびれる

 羊
 歸れよ

 牧場は
 暮れる

 かけて歸れよ
 トットッと


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by sumus2013 | 2018-08-02 20:57 | 古書日録 | Comments(0)
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