林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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西洋見聞図解

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瓜生政和『西洋見聞圖解』(須原屋茂兵衛・山城屋佐兵衛他)の「前輯 全」「二編 乾」「二編 坤」三冊。大日本レトロ図版研Q所様より借覧中。すこぶる面白い内容である。

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瓜生政和、別名を梅亭金鵞(ばいていきんが)。文政四年(一八二一)江戸両国生まれ。若き日は剣の道に精進したようだが、瓜生家に入ってから人情本の松亭金水の門弟となって滑稽本の製作に励んだそうだ。明治維新の後は瓜生政和の本名で本書のような啓蒙書を著している。詳しくはウィキ「梅亭 金鵞」を参照。

「前輯 全」巻頭の揮毫「開巻有益」は萩原秋巌、巻菱湖門下の四天王の一人。蔵書印は「水山〓蔵書」…〓のところは? 「二編 乾」の序は吏隠士静巌梅村清(明治六年癸酉二月)、揮毫「掬水在手月」は千束隠士樗翁。

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本書は喫茶店資料である。二編 坤」に次のような記事が出ており「西洋人茶[せいやうじんちや]并 加非かつびい]を嗜[たし]む説」と題されている。以下引用中の水色文字は直前の漢字一〜三文字のルビ。

《英吉利いぎりすの首都やこ倫敦ろんどん仏蘭西ふらんすの首都みやこ巴黎斯ぱりすとうにて夜茶よるちやを煎せんじ親類しんるい朋友ほういうの親したしき者ものを集あつめ是これを飲ましめ往昔むかしの古事ふるごと今日の新聞何しんぶんなににまれ心こゝろの向むかふところを相互あひたがひに話はなして続夜よもすがらの楽たのしみをす是これを呼んで夜茶会やちやくわいといふ斯かくの如ごとくなれば西洋人せいやうじんも専もつぱら茶ちやを嗜たしミ支那しなより英吉利船いぎりすせんにて輸出つみいだす茶ちやの高たか年々一億おく一千三四万斤に下らず其價あたへを平均へいにて五千五百六十万両に過すぐるといふ

はママ。「嗜み」は「たしみ」とも読むようだ。たしむ。

《また珈琲をも茶ちやと同様どうやうに嗜たしむ珈琲かつぴハ亜刺伯あらびや巴西ぶらじるの如ごとき熱国ねつこくに生しやうする草くさの実にて豆まめの如ごときものなり是これを熬いりて搗き摧くだき其煎そのせんじ汁しるに砂糖さとうを和あハせ用もちゆ苦味にがミあるを以もつて胃中いちうを空すかせ食物しよくもつの消化こなれを能よくるといふ西洋せいやう諸方しよはうにて飲料のミものとする珈琲かつぴいの高たか年々としどし六万石ごくに下くだらず英吉利いきりすの首都やこ倫敦ろんどんの中うちばかりに珈琲かつぴいを商あきなふ店ミせハ八百軒けんあり以もつて其盛そのさかんなるを知るべし

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加非(かつびい)、珈琲(かつぴい、かつぴ)など表記に統一がない。現代韓国語の「コッピ」(コッピー)という発音に似ているなと思ったりするが、明治六年以前ということになると、まだ実物を嗜んだ日本人はそう多くはなかっただろう。貴重な資料である。

西洋見聞図解. 前輯,2編 / 瓜生政和 編集

by sumus2013 | 2018-07-31 21:08 | 喫茶店の時代 | Comments(0)
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