林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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改正物理全志

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宇田川準一訳『改正物理全志』(煙雨楼、明治十八年一月再版)。画像は大日本レトロ図案研究所より提供いただいた。というのも、扉の裏面に珍しい検印紙が貼られているから。明治初期の教科書などで扉に貼られている例は時折見るが、この位置というのは珍しいかも(すぐ下の角印は版元印「煙雨楼蔵板」、その脇に?)。

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よく見ると、右側に「モロクヅ」左側に「フクダ」と記されている。描かれている器具、前面のふたつは、折り込み図版に出ている第百二十一図と第百二十二図のようである。奥の器具は第百十八図の「アルキミヂス氏ノ発明」した汲み上げ器械。

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百二十一図は空気の弾力性を証明する実験に用いるようだ。

《此二性アルコトヲ同時ニ験証スベキ絶奇ノ装置アリ即チ第百二十一図ノ如ク長円形ノ玻璃器ニ水ヲ満盛シ彩色玻璃ヲ以テ中空ニ製シタル物 其製ハ下底ニ小孔ヲ穿チ水上ニ浮泛センコトヲ要ス而シテ其形ハ人獣魚虫船舶随意ニテ可ナリ ヲ器内ニ入レ薄キ護謨ヲ以テ器口ヲ密封シ外気ヲシテ交通セザラシム今指ヲ以テ護謨ヲ捺スナラハ器中ノ水直チニ玻璃船底ノ小孔ヨリ内気ヲ圧縮シテ其中ニ浸入スルカ故ニ玻船ノ重量増大シテ遂ニ沈降ス又其指ヲ放ツナラハ内気自己ノ弾力ニ由リ直チニ浸入ノ水ヲ圧出シテ故積ニ復スルガ故ニ玻船ノ重量減少シテ上昇ス或ハ捺シ或ハ放シテ息マサレハ玻船ノ一降一昇スルコトモ亦止マサルナリ》

また第百二十二図の方も空気に圧力があることを証明する試験器具のようである。


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内容はカッケンボス及びガノーの「ナチュラルフィロソフィー」を折衷して訳したものだそうだ。おそらく下記の書物だろう。

Quackenbos, A. M.『A Natural Philosophy Embracing the Most Recent Discoveries in the Various Branches of Physics』

Adolphe Ganot『Introductory Course of Natural Philosophy For the Use of Schools and Academies. Edited From Ganot'S Popular Physics, by William G. Peck.』

訳者の宇田川準一(弘化五1848〜大正二1913)は物理学者。父は洋学者・宇田川興斎(文政四1821〜明治二十1887)、興斎は美濃大垣の医師飯沼慾斎の三男で宇田川榕菴(寛政三1798〜弘化三1846)の養子に入った。榕菴は大垣藩の江戸詰め医師江沢養樹の長男で宇田川玄真(明和六1770〜天保五1835)の養子になった。玄真は伊勢国安岡家に生まれ、杉田玄白の私塾・天真楼、その弟子大槻玄沢の私塾・芝蘭堂で学び芝蘭堂四天王筆頭と称された。宇田川家の当主として養子に入りその跡を継いだ。養父は宇田川玄随(宝暦五1756〜寛政九1798)。

……なるほど、江戸の医家・蘭学家が優秀な人材を養子に迎えることで家学を絶やさぬよう努めた様子がよく分るような気がする。

出版人の諸葛政太は諸葛信澄(一郎)の長男。信澄は嘉永二年(一八四九)生まれ、画業をもって長府藩に仕えたが、後、奇兵隊、報国隊などに参加。維新後、開成学校から文部省に入り東京師範学校長、大阪師範学校長、東京株式取引所肝入役などを歴任、明治十三年歿。政太の歿年は明治三十六、生年は不明。(中山光勝「乃木希典日記ーー明治八年ーー(一)」より)

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by sumus2013 | 2018-06-20 20:46 | 古書日録 | Comments(0)
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