林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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この器この菓子

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『この器この菓子』(鶴屋八幡、昭和五十三年二月十日、装幀=竹中郁)。郷里にあったので発行当時に買ったものだと思う。函があるはずだが、見当たらなかった。鶴屋八幡の広告で各界の著名文化人100人が自慢の器に鶴屋八幡の菓子を盛りつけ、ひとことコメントを付している。『アサヒグラフ』『文藝春秋』に連載されたものだそうだ。『続』『続々』の巻も刊行されているようだ。

この百人のなかで今も存命なのは、辻久子、篠田桃紅、瀬戸内寂聴、安西篤子……を数えるだけかと思うが、どうだろう。

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竹中郁、薯蕷[じょうよ]饅頭を浜田庄司の鉄絵角皿に。


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河盛好藏、水引餅、《幸いにわが家には、白磁に、呉須でからたちの枝を描いた、うってつけの菓子皿がある。これは自ら戯れに荻窪乾山と呼ぶ井伏鱒二さんが、手づから染めつけて焼かれたもので、わが家の秘蔵品である。井伏さんの愛読者が見たら喉から手が出るであろう。そう思うと、この皿の上に盛られた水引餅がますますおいしそうに見えてくるではないか。》


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小堀杏奴、深山つつじ、琉球壺屋皿。


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亀倉雄策、勾玉、スウェーデン角皿


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猪熊弦一郎、秋の山、マヤ時代鉢


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入江泰吉、蔦の細道、宋白磁鉢

以上は小生の好みで選んだので渋めの器ばかりになってしまったが、実際にはもっとヴァラエティがある。この他、渡辺紳一郎のコメントに花森安治が登場していた。源内焼皿に煉切「初桜」。写真は略す。

《以前に、"暮しの手帖"の花森安治氏と和菓子の話をしたとき、私が煉切が好きだといったら、彼に職人の手垢を食べているようなものだといわれたことがある。そうすれば寿司はどうであろうか。今度、機会があればぜひ聞いてみたいと思っている。》

花森らしい科学的かつ非科学的な解釈であろう。芥川比呂志は鳥柴[としば]を九谷鉢に。その鉢は父・芥川龍之介が室生犀星からもらったものだそうだ。

《室生さんの口癖の一つに、「何々しなさい[四字傍点]」というのがあったそうで、この鉢を下さる時も、「これへ黒羊羹[くろようかん]を四切れ入れなさい」と言い添えられた由である。》

《もっとも、そう毎度黒羊羹というわけには行かず、子供の時分、この鉢に入ってあらわれるおやつ[三字傍点]は、最中、桜餅、柏餅、切山椒、鹿の子や州浜[すわま]や大福から、かりんとう、あられの類いに至るまで、種々雑多であったから、この鉢を見ていると、そういう、大正の末、昭和のはじめごろの東京の和菓子の味が、一つ一つ想い出される。半月形に反った味噌煎餅などの味が懐しい。》

皿と菓子の取り合わせ、なかなかに奥深いものがある。自分なら、どの皿にどんな菓子を盛りつけるか、考えているだけで楽しくなる。ここで掲げたなかでは猪熊弦一郎の継いであるインカの土器など小生も好みである(継いだ器=壊れた器、を出しているのはこの巻では猪熊だけだ)。

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by sumus2013 | 2018-06-06 21:12 | 古書日録 | Comments(0)
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