人気ブログランキング |

林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
カテゴリ
全体
古書日録
もよおしいろいろ
おすすめ本棚
画家=林哲夫
装幀=林哲夫
文筆=林哲夫
喫茶店の時代
うどん県あれこれ
雲遅空想美術館
コレクション
おととこゑ
巴里アンフェール
関西の出版社
彷書月刊総目次
未分類
以前の記事
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
more...
お気に入りブログ
NabeQuest(na...
daily-sumus
Madame100gの不...
最新のコメント
素晴らしい、というか、そ..
by sumus2013 at 08:24
「そこからさらに進むと、..
by 小林一郎 at 23:58
ゆったりと過ごせた1日で..
by sumus2013 at 16:30
1枚1枚の写真が美しいで..
by nobukoueda at 12:30
なるほど、染しと関係させ..
by sumus2013 at 08:25
メモ帳
最新のトラックバック
天才画家ゴッホの生涯と画..
from dezire_photo &..
検索
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


哀れな男の独り言

f0307792_20144090.jpg

本の整理中という某氏より仏蘭西書を四冊ほど頂戴した。深謝です。なかでもこの一冊は嬉しかった。ジャン・リクテュス(1867-1933)『哀れな男の独り言』。

Jehan-Rictus『Les Soliloques du pauvre』(Eugène REY, libraire éditeur, 1934)

これは歿後刊行の後版だが、それでもフランスで買えば、そこそこの値打ちもの。初版は一九〇三年(Sevin et Rey, 1903)で、そちらは状態が良ければ1000ユーロ以上。ジャン・リクテュスの代表作とされる詩集である。

表紙と挿絵はスタンラン(Théophile-Alexandre Steinlen, 1859-1923)、十九世紀末から二十世紀初頭のパリのシーンを描いて活躍した画家、イラストレーター。キャバレー「シャノワール(黒猫)」のポスターがよく知られる。本書でも哀れな男(「貧しい男」とも)が夜のパリをほっつき歩く、その様子がうまくとらえられている。

f0307792_20251986.jpg

貴重なのは、このカバー。出版社が付けたのではなく、書店が汚れ防止のために被せている。英語で言うところの「ダスト・ジャケット」。リブレリー・ジベールの名前入り(現在のジベール・ジョセフ書店の前身だろう)。そして本体のタイトルが手書きで背と裏表紙に書き込まれている。ジャケットの背にはタイトルを書き入れるための空欄がある。この手のカバーはパリの古本漁りでも見かけたことがなかった。裏表紙(表4)は保険会社の広告。

f0307792_20271681.jpg

以下、ざっとページをめくる感じで紹介するが、多数のイラストがまるで劇画のように展開するのが、非常に興味深い。絵本と言ってもいいくらいだ。

f0307792_20312616.jpg

f0307792_20313060.jpg


f0307792_20313307.jpg


f0307792_20313569.jpg


f0307792_20314182.jpg


f0307792_20313867.jpg


f0307792_20314394.jpg


f0307792_20314571.jpg

フランス語のウィキに「Jehan-Rictus」は不完全な「Jésus-Christ」のアナグラムだと書いてあった。そう言われれば、たしかに。本名は Gabriel Randon de Saint-Amand。最晩年の彼はペンネーム「Jehan-Rictus」のハイフンを必ず付けるようにうるさく言っていたようだ。多くの編集者がそれを無視するのを嫌ったと言う。残念ながら本書でも省略されているが…。


by sumus2013 | 2018-03-09 20:48 | 古書日録 | Comments(0)
<< 川内の生んだもう一人の出版人 黒岩比佐子さん旧蔵書 >>