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林哲夫の文画な日々2
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左川ちか資料集成

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紫門あさを編『左川ちか資料集成』(発行:東都我刊我書房、発兌:えでぃしょん うみのほし、二〇一七年一二月二四日、装幀=小山力也、本文レイアウト=夏目ふみ)。新編 左川ちか詩集 前奏曲』に次いで本書が刊行されたことはまさにひとつの事件と言っていいだろう。前著の「はしがき」で紫門氏は《極力初出での収録をめざした》と書いておられる。本書はさらに徹底して、なんと初出の版面をそのまま複写して掬い取った、まるで左川ちかをモチーフとした造型作品、そう、パピエ・コレのような一冊である。

原資料については、極力鮮明なものを得ようとつとめ、ダイレクトに原誌からのテキストを採るようにした。そのために同じ作品のヴァリアントひとつでも、数回にわたって複数の個人、所蔵先などに依頼して複写を行い、最良のテキストを得られるようにつとめた。
 詩は、「もとのままがよい」といいながら、蒙昧な本を盲信する読者のため、ほぼありのままの姿を紙面に反映させた。これによって「左川ちか詩集」と掲載誌の間でどのような変化があったのか、その眼で確かめることが出来よう。》(編者の説明文より)

これは容易そうでいて、なかなかできることではない。資料集成とはいいつつ実際のところ「左川ちか全作品集」の体をなしているわけである。さらに「えでぃしょん うみのほし」では今後本書とは別に全集も予定しておられるそうだ。とにかく「凄い!」という一語に尽きる。小山氏のミラー装幀も冴えている。

左川ちか資料集成
The Black Air: Collected Poems and Other Works of Chika Sagawa

著 者 左川 ちか
編 纂 紫門 あさを
装 幀 小山力也(乾坤グラフィック)
本文レイアウト 夏目ふみ
発 兌 えでぃしおん うみのほし
発 行 東都 我刊我書房


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また、別冊として付されている島田龍『左川ちか関連文献目録稿』(中綴じ五十頁)、これもまた非常に充実している。

左川ちかーー。その存在は、女性詩人として、モダニズム詩人として、北海道出身の文学者として、翻訳家として、伊藤整の秘めた恋人として、早逝詩人として、多彩に表象されている。その詩は、シュルレアリスム詩として、都市詩として、風土詩として、恋愛詩として、青春詩として、種々に解釈されている。そのイメージは、創作詩歌、声楽作曲、人形造型、豆本制作などと、事事物物に触発されている。
 今後もどのような文脈でちかが語られていくのか、想像はつかない。そのため如何に取捨選択し、掲載するか否か浅慮を重ねたが、今回はちかの名が出てくる(稿者の実見した)総てを、あえて予断なく採録した。言い方を変えれば、批判を承知で節操なく収録した。「関連文献目録」と題した所以である。》(島田龍左川ちか関連文献目録稿・解説」より)

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たしかに、さまざまな文献が網羅されていて驚かされる。ただ、これは妄想に過ぎないのだが、古本者として、もしあったら素晴らしいな、と思うのは古書目録における「左川ちか」である。古書価の変遷とか調べると、かなり面白いだろうなあ・・・(個人的な趣味です、あしからず)。

古本関係でもうひとつ、別冊42頁に《J・ジョイス『ユリシーズ』の出版元でもあったこの書店は、セーヌ川左岸に今も佇む。》とあるのはどうなのだろう。現在のシェイクスピア・アンド・カンパニー書店とシルヴィア・ビーチの同名書店とは名前が同じ(ビーチから譲ってもらった)というだけで元来の『ユリシーズ』の版元ではないはずだが。

by sumus2013 | 2017-11-27 21:33 | おすすめ本棚 | Comments(0)
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