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林哲夫の文画な日々2
by sumus2013


ぶらぶらブラッサンス

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パリでいちばん楽しみな古本遊びはジョルジュ・ブラッサンス公園。この古本市については何度も書いて来た。今年は、聞く所によると、三十年ほど前(一九八七)にこの古本市を始め、これまで中心的に運営してきた人物が引退したそうで、その後継問題で何やらガタガタしているらしい。部外者としてはこの雰囲気でつづけて行ってもらえれば何も言うことはないのだが。


上の写真、遠景に見えているのが古本市会場(毎週土日開催)。すぐ横に薔薇園がある。下の写真は薔薇園側から少し離れて会場を眺めたところ。

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会場には鉄格子があり、土曜日の夜は見張り番が付くとのこと。それ以外の日には備品や在庫は会場の隅にある倉庫に収められる。

午前九時〜午後六時。ただし午前中からしゃっきり開いている店は少ない。正午前くらいにようやく出そろう感じだろうか。また、午後一時になると店番たちは食事に出かける。出かけないでテーブルを出して飲み食いしている人もいるが、出かける人は自分の平台の上にビニールシートをかぶせたりして臨時に店を閉める。だいたい一時間半くらいは戻ってこないようだ。だから、いい本があると思って目星をつけ(即座に買うほどではないが、他に何もなければ欲しいな、というくらいの本)、他の店を物色してからその店に戻ってみると昼休み中ということはしばしばある。そういう意味では午後二時以降に出かけるくらいがちょうどいいのかもしれない。

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今回の古本テーマはふたたびローラン・トポール。何かないかと目を皿にして捜し歩いていると一冊だけ見つかった。もっとあってもいいはずなのだが、ないときにはないものだ。しかもこの一冊がそこそこの値段だった。かなり迷いに迷った末に購入。

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『ANTHOLOGIE DE L'HUMOUR NOIR / MANIFESTE JEUNE LITTERATURE』(Editions L. KLOTZ, 1964)。表紙画がトポールである。ストラスブールの版元らしい。扉に七号と書いてあるものの他の号が出たのかどうか? ブラック・ユーモアの文や詩、写真、漫画を集めたアンソロジー。上の図では表紙のタテがヨコになっているように見えるが、じつは本文は横長に組んである(すなわち綴じは短辺)。本文の方向に合わせた。初期のトポールらしい画風が好ましく貴重だ。トポール展に出品されていなかったのも買いの決め手になった。

by sumus2013 | 2017-07-03 18:14 | 巴里アンフェール | Comments(0)
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