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林哲夫の文画な日々2
by sumus2013


北野恒富展

北野恒富展_f0307792_16213740.jpg
2017年8月5日〜9月18日

島根県立石見美術館
http://www.grandtoit.jp/museum/



北野恒富展_f0307792_16305298.jpg
2017年6月6日〜7月17日
あべのハルカス美術館


あべのハルカスの大阪芸術大学スカイキャンパスで開催された「大正イマジュリィ学会40回ジンポジウム 大正イマジュリィをもとめてII 北野恒富とその芸術ーー本画、ポスター、挿絵、そして大阪」(七月九日)を聴講した。なかなか興味深い発表ばかりで参考になった。とくに岩絵具についての荒井経氏のお話は絵具や描画法からの図像分析で非常に面白く感じた。

むろん北野恒富の作品展示もじっくり見てきた。やはり腕の立つ絵描きである(滋賀県美外で十数年前に回顧展があったが、大阪での大回顧展は初めて)。単なる美人画家、いや単なる絵師というよりも東西の美術事情・デザイン潮流に敏感な綜合的美術家と見るべき逸材である。ライバルだった鏑木清方よりもよほど幅広いレパートリーを持つ。たぶんあまりに器用なのでかえって歿後の評価が上がらなかったのかもしれない。しかし今後は大阪画壇だけでなく日本近代美術史を語る上では決して欠かせない画家・デザイナーの一人として認識されるはずである。必見の展覧会であろう。

by sumus2013 | 2017-07-12 16:24 | 雲遅空想美術館 | Comments(0)
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