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劉生繪日記『新訂劉生繪日記』全三巻(龍星閣、一九七八年)の刊行案内葉書。某氏より頂戴した雑誌の間に挟まれていた。社主の澤田伊四郎が書いたと思われる口上が興味深い。 《『劉生絵日記』を二十五年ぶりに再刊するに当り、初版上梓の頃を振り返ってみたい。昭和二十六年、刊者が疎開先の郷里から、いささかの山林を売った金をもって上京した時、出版界は、なにもかも貧困で、粗悪仙花紙時代は去ったが、印刷紙は統制廃止のため高騰、単行本は返品の山、取次店は群小出版社締出政策の真最中に際会した。しかし刊者は、この状勢こそ、得たりとばかり突き破らなければ、再起することができなかった。刊者は先ず、永年の書物を語る唯一の知己、松方三郎さんを訪ねた。そしてそこで劉生畢生の日記原本が保管されているのを見て『劉生絵日記』刊行にとりかかることができた。松方さんが解説を書き、刊者は資料不足に困りながらも編註を記した。》 《そして今、資料の不足を補い、更に造本を吟味して再刊するのであるが、さきの初版本の古書価が三十万円(特装版)している、ときいても、松方さんは、当時の事を考えると、まだ安い、と言うにちがいない。》 文中で言及されている『劉生絵日記』特装版(一九五二〜五三年)の古書価は目下のところ二〜三万円程度である。再刊本が普及しているわりには高いなという感じもする。それはさておいて『劉生絵日記』じつに面白い本である、太鼓判を捺す。 『APIED』VOL.28(アピエ社、二〇一七年一月三一日、表紙装画=山下陽子)が届いた。特集は「いま読む少女文学 『不思議の国のアリス』『モモ』他」。ガーリッシュな小説とは……興味津々なり。冒頭、千野帽子氏のページを読み始めるとこんなことが書いてあった。 《英国の文学者ルイス・キャロルの本名をチャールズ・ラトウィッジ・ドジスンと習い覚えていたけれど、『不思議の国のアリスの家』の翻訳によると Dodgson はドッドソンと読むのがもとの音に近いらしい。》(『不思議の国のアリス』の一五〇年後) ふーむ、そうだったか。発音は難しい。とくに固有名詞は。昨日たまたま読んだ中野美代子『三蔵法師』(中公文庫)にも 《なお、玄奘の「奘」の日本漢字音は、漢音が「サウ→ソウ」、呉音が「ザウ→ゾウ」で、「ジャウ→ジョウ」音ではない。現代の中国音では zhuang と zàng の二音あり、かれの名の場合は zàng と読むべきで、それはまた大蔵経や三蔵の「蔵」の字と同音である。したがって、玄奘三蔵[ルビ=げんぞうさんぞう]と読むのが正しい。》 と書いてあった。ゲンゾウさんだったか。
by sumus2013
| 2017-02-15 20:24
| 古書日録
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Comments(2)
Commented
at 2017-02-17 11:21
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
sumus2013 at 2017-02-17 17:12
ヴァネッサ・テイト『不思議の国のアリスの家』(小林さゆり訳、柏書房、2015)に「ドッドスン」とあるそうです。
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