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林哲夫の文画な日々2
by sumus2013


品川力文庫目録1

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『日本近代文学館所蔵資料目録17 品川力文庫目録 I 特別資料編』(日本近代文学館、一九八七年五月三〇日)。品川力については下記に略述したことがある。

「本の配達人 品川力とその弟妹」展

日本近代文学館所蔵資料については下記を参照。

所蔵資料目録 - 日本近代文学館

文庫・コレクション一覧 - 日本近代文学館

日本近代文学館そのものの成り立ちについてはこの講演レジュメが分りやすい。

「日本近代文学館が設立された頃の話:今から半世紀くらい前に文学資料の未来を考えていた人々がその頃にいったい何をしていたのか」


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《品川さんの名が、書物について最もくわしい古書店主としてよく知られていたのは、昭和14年(1939)にペリカン書房を始められ、以後、戦中から戦後へかけて多くの文学者・学者が、文献資料の収集で品川さんに助けられたからだった。同時に品川さんは内村鑑三、ポー、ホイットマン文献の収集に関しても一級の仕事をされ、立派な書誌をまとめられた。
 昭和38年(1963)、近代文学館の設立を記念する「近代文学史展」を開いた頃から、品川さんは文学館に非常にしばしば御自分で雑誌・図書・原稿書簡その他の貴重な資料を運んで下さり、関係者を感激させ、ふるいたたせた。ほとんど毎週のように、上野の文庫へ、駒場の館へ届けてくださった。それがすでに1210回をこえた。これは驚異的なことで、先年、創立20周年のさい、ささやかな感謝の記念品を贈らせていただいたが、そんなことではとても私たちの気持ちは表わすことができず、却って汗顔の思いだった。品川さんはそういうことは我関せずで、相もかわらず館の資料の弱い部分、館に欠けていて無いものを、せっせと埋めて下さっている。この場をかりて、改めてお礼を申上げる。(1987年4月)》(小田切進「品川力文庫目録に寄せて」)


《品川力氏は昭和38年以来、寄贈を続けてくださり、62年4月現在、本文庫の総点数は19,157点に達した。今回はこのうち、特別資料1,082点(原稿5点、書簡1,055通、その他の資料22点)を目録 I とし、氏収集のポー、ホイットマン文献を含む図書7,962冊、雑誌10,113冊については、II 以降に譲った。》(解題)

最終的に寄贈点数は26,801点になった。いまだ「II」は発行されていないようだ。

書簡類をざっと眺めていて、興味をもったのは、江原小弥太と品川豊治(力の父)連名の力宛はがき、江原の豊治宛書簡。他に富士正晴、白崎礼三、杉山平一のはがきなどもある。……で思い出したが杉山平一さん宛のこういう特別資料はいったいどうなったのだろう。貴重なものが多いはずだが。


by sumus2013 | 2016-06-25 20:20 | 古書日録 | Comments(0)
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