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林哲夫の文画な日々2
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悠々自適

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『アサヒグラフ』第二十二巻第十六号(朝日新聞社、一九三四年四月一八日)。表紙は「春風に乗つて 千葉陸軍気球隊にて」。本文中にも見開きで特集が組まれている。その説明文より

《軍用気球としては最大のもので全容積は九五〇立法米、最大直径八米、長さ三一米、気嚢はゴムびきの特製木綿で一個の製作費は約一万五千円、一ヶ月一回ガスを取り換へるが、その費用が三四百円見当である》

《高度計によると六百三十米だ。こゝまで昇ると双眼鏡でも人間の姿は見えない。自動車がやっとゴマ粒みたいだ。》《地上から湧きあがるあらゆる雑音も、こゝまでは追いかけて来ないのであらう。シーンとしたきりで、一切の音響が完全に消え去ると、全くおかしな気持のするものである。》


「悠々自適」という見開きページもある。「悠々自適」に似つかわしいスナップを街頭から拾っている。読書する靴磨き、小僧たちの井戸端会議、疾走するトラックの荷台に乗る男たち、「芝生に入らぬこと」の看板とその芝生で寝そべっている男、ビルディングの鉄骨のてっぺんに立つ男、東横線の乗り場でバスを待つ少女。そして一服する研ぎ屋が下の写真。制服の男性は乗合自動車の信号手だそうだ。むろん後ろに「古本」の看板が出ているから取り上げたわけである。場所が特定できればいいだが……。(甲州街道から新宿駅方面を見遣った辺りでは? というご意見をいただいた)

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もう一枚、目を射られた写真がある。それはこちら。なんだかスゴい。

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《江口と宮の近代舞踊
 滞独三年、近代舞踊を研究して来た江口隆哉(右)と宮操子(左)の帰朝第一回公演が去月末、朝日講堂で開かれたが、写真はその一つの「習作」で美しい線と形とそして力の交錯は、新鋭近代舞踊の感覚と幻想を描き出した》

江口隆哉生誕100年祭


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米国漫画「おやぢ教育」連載中。昭和九年だとまだのんきなようだが、この三月には満州国で帝政が実施され(そう言えば本誌でも「春ひらく満州国風景」写真が見開きで展開されている)、武藤山治が暗殺され、帝国人絹疑獄事件で内閣総辞職。きなくさい暗雲がたちこめ始めている。

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パリの洪水 一九一〇年

by sumus2013 | 2016-06-04 20:13 | 古書日録 | Comments(0)
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