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林哲夫の文画な日々2
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菊地康雄ノオト

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『木山捷平研究』増刊号(木山捷平文学研究会、二〇一五年一一月一三日)を頂戴した。御礼申し上げます。内海宏隆「菊地康雄ノオト 日本の浪漫と美を索めて」という論考が一冊になったもの。内海氏は前回は大西重利という無名の教育者を掘り下げておられた。

『木山捷平研究』増刊号

そして今回もやはり木山捷平と関係のあった菊地康雄の探求である。菊地は文学事典類にも短いながら項目の立てられている詩人、編集者だったから、探索はかなり広範囲にわたり年譜も詳細をきわめる。労作である。ここでは細かい紹介は省くが、興味のある方はぜひ本誌を繙いて頂きたい。

《唐突だが、さいきん富士正晴に興味がある。詩・小説・評論・随筆・絵画…多岐にわたる彼の為事のうち、私がもっとも興味を持つのは彼の遺した評伝の類だ。竹内勝太郎久坂葉子、桂春団治…ーーその多くは、かれの周辺にかつて実在し・その後忽然と姿を消した人物だがーーそうした人々のことを長い時間をかけて徹底的に調べ上げた上で、愛情と愛惜の念をもって描きあげる。富士正晴のそうした根気強い姿勢に私は心打たれるし、敬意を表するものである(だれにでもできる為事ではない)。富士正晴はそうした為事を「死者を立たす」という言葉で著わす(「死者が立ってくる」『軽みの死者』編集工房ノア、昭和六十年)。》(とりあえずの「まとめ」)

なるほど内海氏もまた《菊地康雄の魂を少しでも「立たす」こと》を試みておられるわけなのだ。

by sumus2013 | 2016-01-24 17:33 | おすすめ本棚 | Comments(0)
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