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林哲夫の文画な日々2
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心に太陽を くちびるに詩を

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Pippo『心に太陽を くちびるに詩を』(新日本出版社、二〇一五年一一月二五日、装幀=間村俊一、装画・挿絵=小林春親)が届いていた。ぴっぽさんの初の著書。『しんぶん赤旗』連載に書き下ろしを加えてまとめられた。ぴっぽ流現代詩入門。なるほど、あの詩人をそう切るか、という新しい見方を教えられる。

初の著書『心に太陽を くちびるに詩を』が刊行されました!

書き下ろしのなかに「珈琲」というテーマが上がっている。吉井勇、木下杢太郎、北原白秋、山村暮鳥の作品を取り上げて珈琲の歴史をさらりと語る。なるほど上手いなと思った。『喫茶店の時代』でもできるだけ珈琲や喫茶店に関する詩歌は取り上げたつもりだったが、当たり前ながらまだまだいくらでもあるのだ。なかでは暮鳥の「山」が気に入った。

 と或るカフエに飛びこんで
 何はさて熱い珈琲を
 一ぱい大急ぎ
 女が銀のフオークをならべてゐる間も待ちかねて
 餓ゑてゐた私は
 指尖[ゆびさき]をソースに浸し
 彼奴の肌のやうな寒水石の食卓に
 雪のふる山を描いた
 その山がわすれられない
  (『風は草木にささやいた』大正七 白日社 所収)

妙な詩である。腹が減っているならまずは珈琲じゃないだろう、とか、熱いんだから大急ぎでは飲めないだろう、とかフォークを並べる前にソースが出ているのか? などなど突っ込みどころ満載。結局はなんだかよくわからないけれど、大正時代の一面を代表するポカンとしたような雰囲気がスッと体にはいってくる感じ。

そうそう、先日、詩が分らないんですという人に会った。この本をすすめてみようと思う。

by sumus2013 | 2015-12-06 19:57 | 喫茶店の時代 | Comments(0)
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