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ときには積ん読の日々吉上恭太『ときには積ん読の日々』(トマソン社、二〇一五年一〇月二七日、装丁=千葉泉、挿画=あまのさくや)。吉上夫妻とは親しくさせてもらっている。奥さんが空想ガレリアの肥後さんと懇意で、その関係もあり、また小生が画家のなかの名文家として内田巌のことを度々取り上げていたこともあり(内田巌の娘さんが本書にも登場する恭太さんの母上、内田巌は内田魯庵の息子である)、小生が上京したときにお会いすることが重なった。たいていは小生の個展を見に来てくださるときなので、まだ小生は恭太さんのライブも拝聴せず(CDは頂戴しました!)、奥さんの写真展も拝見していない。残念しごく。 本書には「ギターを弾き始めたころ」という素晴らしいエッセイが収められている。これは読んだことがあるぞ、と思ったのも当たり前でかつてdaily-sumusで紹介した「サウダージ ぼくとギターと音楽と」として発表された作品をベースにしているようだ。本書と比較してみるとかなり書き換えられているようだが、伊勢昌之という傑出したギタリストの姿に自らの青春を投影しながら、まさにサウダージとして描いており、切ない物語をユーモアに包みながら柔らかく表現した恭太タッチが見事だと思う。大リーグ担当の雑誌編集者だった時代の思出も同じように懐かしくどこか物寂しく、そして何だか滑稽味もある、恭太さんでなければ書けない世界になっている。翻訳ではない著書としては処女作だとか、意外だった。トマソン社としても単行本処女出版だし、装幀の千葉泉さんも初めての装幀だそうだ。初々々しい一冊。 ときには積ん読の日々 ときには積ん読の日々 トマソン社 吉上恭太「ときには積ん読の日々」挿絵を担当しました。
by sumus2013
| 2015-11-09 22:18
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