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林哲夫の文画な日々2
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路上のマロン

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ポール・エリュアールに「勇気 Courage」という詩がある。ドイツ占領下のパリ生活をうたった作品で教科書にも載る「自由」とともに抵抗詩人としてのエリュアールの代表作(だろう)。そういうことにはあまり興味ないのだが、今回あちこち歩いたこともあり、たまたま読んだその詩の冒頭から二行目に「なるほど!」と膝を打った。

 Paris a froid Paris a faim
 Paris ne mange plus de marrons dans la rue

 パリは凍えパリは飢えている
 パリはもう道に落ちたマロンしか食べない

適当な翻訳で申し訳ない。日本語なら「食べない」ではなく「食べられない」と言うところだろうか。道に落ちたマロン(marrons dans la rue)、まさにいたるところの路上にマロンが転がっている。マロンに足を取られて転びそうになるくらい。十一月にも何度かパリに来て気づいていたのだが、十月は落下しているマロンの数が半端ではない。上はリュクサンブール公園、掃除がある程度いきとどいているから、まあ、このくらい。下はオーヴェール・シュル・オワーズの駅の脇の小さな公園。マロンで埋まってます。

f0307792_02205974.jpg

このマロン、日本の栗とは少々違う。上の写真のマロンはマロニエ・ダンド(marronnier d'Inde、セイヨウトチノキ)の実であって、この樹木がパリには(パリには限らないようだが)無数に植えられている。ざっと見たところでは街路樹(公園も含む)のナンバーワンであろう。他にはプラタナス、菩提樹、樫なども多い。日本にあるような栗はシャテーニュ(Châtaigne、樹木は Châtaignier)というのが正しいのだが、一般にはどちらも「マロン」と称するようだ。

エリュアールのマロンはもちろんマロニエ・ダンドのマロンであろう。しかし、その実がエリュアールのうたうように食べられるのか? ウィキには薬用(静脈刺激剤)にするとあるだけ。実際問題、誰も拾って食べてないし(ボヘミアンの人たちも見向きもしないよ)。ただしトチの実なのだからアク抜きをすれば食べられないわけではない。大昔はこのマロンでマロン・グラッセを作っていたそうだ。まあ、おそらく詩人は食べられないマロンしかパリには残っていないと言っているのだと思うが、それにしても、もしこの大量のマロンがみんなマロン・グラッセになったら……ふ〜む。

エリュアールによる「勇気」朗読が下記サイトに。

« Courage » de Paul Eluard


by sumus2013 | 2015-10-13 03:27 | 古書日録 | Comments(2)
Commented by 牛津 at 2015-10-14 19:44 x
枯葉を踏みしめにこの道を歩きたい。どんな風が
吹いているのかな。
Commented by sumus2013 at 2015-10-15 01:52
骨にしみるような冷たい風です。
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