人気ブログランキング | 話題のタグを見る

林哲夫の文画な日々2
by sumus2013


桐一葉

桐一葉_f0307792_20510015.jpg

しばらくぶりで市中へ出て俳句の短冊を求めた。

  すゝしさの覚はしめや桐一葉

署名が読めない……「?雲」。堂雲か。珍しいのは裏面に年号や場所の記述があること。

桐一葉_f0307792_20471335.jpg

 万延元 酉 十月八日

 下地 於 聖源寺芭蕉忌をいとなみ
      鳩居景物ニ貰之

でいいと思うが、ご叱正を。念のため、酉と読んだが、万延元年は酉ではなく申。また、芭蕉の碑があるのは下地(愛知県豊橋市下地町)聖眼寺である。

聖眼寺

芭蕉忌は旧暦十月十二日。万延元年の十月十二日は西暦で言えば一八六〇年一一月二四日にあたる。涼しさの覚え始めというよりも寒さの覚え始めではないだろうか。本年の芭蕉忌も西暦では十一月二十三日になる。桐の葉が落ちるのはこの頃か? もしそうだとすれば一葉が落ちるのを見て秋を知るというのは当らないことになるのでは? 十一月の終りということならもう秋深しと言うべきかと思うが。

歩いて六、七分のところに桐の成木があるので、いつ頃落ちるか観察してみたいと思う(忘れなければ、だが)。

by sumus2013 | 2015-09-20 21:26 | 古書日録 | Comments(2)
Commented by こがね丸 at 2015-09-21 18:18 x

最後は「貰之」ですかね。
Commented by sumus2013 at 2015-09-21 21:08
なるほど、貰うですか。
<< 文芸辞典 原色日本壜圖鑑 >>