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林哲夫の文画な日々2
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カフェー巡礼

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せっかくだから『クロスワード倶楽部』創刊号掲載の鶴巻與多天「カフエー巡禮」の内容を少しばかりメモしておこう【喫茶店の時代】。まずは以前のブログでかつて取り上げたMAVOの溜まり場「鈴蘭」が出て来てビックリ。

《先づ護国寺前のカフエー・鈴蘭が振出しです。この店は異端派マボウの人々で賑やかです。いま、築地小劇場で、奇抜な舞台装置で鼻を高くしてみえる、村山知義御大を初め、所謂、挑発族の画家の方々の気焔で、割りに低い天井が、時々、ビリ〓[繰返し記号]と慄へます。文壇のプロ派の大将小川未明さん、歌人の窪田空穂さんも定連です。でも感じの悪い店ではありません。》

「村山知義の意識的構成主義的第3回展覧会」喫茶店鈴蘭にて

「MAVO」と縁の深い小石川・護国寺前の「カフェー鈴蘭」
http://sumus.exblog.jp/17940119/

《それから、神楽坂に足を向けました。神楽坂の芸術家の寄り集まるカフエーは何と言つても、画家松山省三さんの経営するプランタンが第一です。皆さんも御存知でしよう。麻雀で神楽坂警察署に引つぱられた広津和郎さん、この頃、美しいお嫁さん、然も女流作家で有名な大橋房子さんと楽しいホームを作られた佐々木茂索さん、艶聞豊富な久米正雄先生、その他、文壇の豪い方々の陶酔境です。ですから、これ等の先生達の御顔を、コーヒー一杯で拝観せんとする文学青年で仲々賑やかです。先頃、行きましたら、惜しい事に「プランタン」は廃業になつて、支那料理屋になつてゐました。》

先頃》という表現から神楽坂プランタンの閉店は大正十四年あたりだと見当がつく。

松山省三「河の中の湯滝」

《坂下の「白十字」も学生さん達でいつも一杯です。資生堂の喫茶部は綺麗ですが、余り感じがよくありませんでした。たゞし、いゝ人を連れてコーヒーを飲むには、相応しい所でしよう。ローマンス、チヤーが第一原因ですね。
 「紅屋」の二階へ上がりますと、皆さんも御存知て[ママ]しよう、秋田雨雀さんが、隅の方で、コヒー[ママ]片手に一生懸命で読書してみへました。
 美しいお嬢さん達の金属性の声が、時折り二階から聴へて来ます。女給さんと云つても、未だ少女と言へる娘さん達の微笑が、余けいに紅茶をおしくする様な気がしましたね。ハハ、、、、、。》

紅屋(紅谷)は菓子店で二階が喫茶室になっていた。野口雨情・中山晋平コンビの流行歌「紅屋の娘」(「東京行進曲」のB面)はこの店がモデルだとされるそうだ。《未だ少女と言へる娘さん達の微笑》が早稲田の学生たちのハートを射止めたか……。

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こう読んでくると鶴巻というペンネームは早稲田鶴巻町から来ているのだろうな、と思う。


by sumus2013 | 2015-07-27 20:47 | 喫茶店の時代 | Comments(0)
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