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林哲夫の文画な日々2
by sumus2013


正東山樵

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田能村正東の小色紙(タテ21センチ)を例によって安価に求めた。正東は田能村直入(一八一四〜一九〇七)の孫だそうだ。直入は田能村竹田の養継子。とくにどうしたという絵ではないものの、捨てられてしまうのは惜しい。

 請彩秊々烟霞老
 一竿生計於河浜
      正東山樵
      [正東]

一竿生計は陸游の「感旧」に《回首壮遊真昨夢,一竿風月老南湖》とあり、漱石の『吾輩は猫である』に「僕ですか、一竿風月閑生計、人釣白蘋紅蓼間」のように借用されていることと少しは関係があるのかもしれない。美しい自然のなかで釣りをして老境を暮らすということだろう。

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右下隅の印。山紫はいいとして「?明」……水明ではないようだが。水明といえば水明洞さん。ごらんのような値段になっていた(先週のことです)。

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by sumus2013 | 2015-05-24 20:59 | 雲遅空想美術館 | Comments(0)
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