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林哲夫の文画な日々2
by sumus2013


バナナ

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【ほんのシネマ】
「ウディ・アレンのバナナ」(ウディ・アレン、1971)のDVDを頂戴した。ウディの本格的な監督第二作ということで、ギャグがむちゃくちゃベタである。例えば、このシーン。会社帰りの主人公が文房具屋・本屋に立ち寄ってエロ本を買おうとしているところ。あれか、これかと大いに迷って、結局「タイム」などの真面目な雑誌を三冊重ね、その一番下にエロ本一冊しのばせる。

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ところが、店主は「この"オーガズム"(もち、エロ本のタイトル)いくらだったっけ?」と大声で店員に尋ねる。となりの中年婦人に睨まれて、あわてて社会科学の資料のためだとかなんとか聞かれてもない言い訳をする。

ご覧のように雑誌は本棚でもラックでもなく、クリップで吊るしてある。ニューヨークではこういうのが当たり前なのだろうか。

その後、地下鉄でチンピラにからまれている婦人を助けるのだが、結局つるしあげられてしまう…というシーンにチンピラの一人として若きシルベスター・スタローンが登場。これがこの映画のいちばんの見所、かもしれない。

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失恋した主人公は中米の小国へ旅に出る。軍事政権下のその国で謀略に巻き込まれ、成り行きで反政府軍の一員となり、知らぬ間に革命に加わって、あれよあれよという間に大統領になってしまう。七〇年代初頭の政治や社会の様子がある意味リアルに伝わってくる。ギャグはほんとにくだらないが。


by sumus2013 | 2014-12-23 21:21 | 古書日録 | Comments(0)
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