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林哲夫の文画な日々2
by sumus2013


ル・アーヴルの波止場で

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松井邦雄『ル・アーヴルの波止場で 二十世紀歌謡・映画・ノスタルヒア・港町』(池内紀編、龜鳴屋、二〇一四年一〇月三一日、装画=井上陽子、装丁=一二明子、本文デザイン=龜鳴屋)が届いた。まずはそのカバーの渋さ、美しさに息をのむ。いきなり井上陽子のファンになった。

GalleyM2 YokoInoue Exhibition
http://www.craft-log.com/exhibition/index.php?page=all

まだ届いたばかりで内容云々はできないが、松井邦雄という人は一九三四年北海道生まれ、TBSに勤めながらエッセイストとしても活躍した。一九九三年歿。池内紀は「編者のことば」でこのように書いている。

《松井邦雄の一冊を編んだ。のこされた六冊をバラして、章立てを考え、あらためて置き直した。こころなしか父親の懐中時計を分解した昔と少し似ていた。ちらばった部品を前にして、いざ組み立てるとなると途方にくれた。
 夢のセールスマンのアタッシュケースのように、ここには不思議な魅惑がいっぱい詰まっている。どれも二十年以上も前、章によっては三十年あまり前に書かれたものなのに、少しも古びていないだろう。頁をくるごとに、特有の色と匂いをもった知的風景がつぎつぎとあらわれる。》

龜鳴屋主・勝井隆則の言葉にはこうあった。

《念願だった松井邦雄のエッセイ選集を出しました。
音楽に映画に船に文学にと、博学無辺の話柄、ノスタルジックで、どこか頽廃の香漂う絢爛美文の嘆き節に、昔、すっかり酔わされ、いまのいままで酔いを引きずってこしらえた一冊です。》

こういう読者を持った書き手は幸いなるかな! 内容についてはじっくり読んでからあらためて。

松井邦雄、六冊の単行本は以下の通り。

 夢遊病者の円舞曲 作品社 1982
 悪夢のオルゴール 河出書房新社 1984 
 望郷のオペラ 六興出版 1987 
 豪華客船物語 六興出版 1990
 ビギン・ザ・ビギンの幕があがる 筑摩書房 1993
 ヨーロッパの港町のどこかで 講談社 1994


龜鳴屋

by sumus2013 | 2014-12-19 20:33 | おすすめ本棚 | Comments(0)
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