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美の風 最終号『文化往来 美の風』最終号(「美の風」編集室、二〇一三年一〇月二〇日)。これまでも何度か紹介してきた、姫路・森画廊の森崎氏が発行している美術雑誌である。 ここに「いちじくを求めて」というエッセイを書かせていただいた。「いちじく」すなわち軸物の絵や字を買おうとタマもないのにジタバタする話である。 じつは、この原稿はちょうど一年ほど前に書き上げて送稿していたのだが、今年の一月中頃に発行者である森崎氏よりお電話をいただき、体調不良につき発行を中止する、申し訳ない、という話があった。それは致し方ありませんね、ということで了解していたところ、二月ほど経って森崎氏の訃報が届いた。あまりに急なことで驚きを隠せなかった。その後半年余り、奥様が故人の意志を継ぎ「追悼号」という形で刊行にこぎ着けたのである。 拙文は、追悼号に載せるにはあまりにお粗末すぎるものなのだが、お電話で森崎氏が「いやあ、おもしろかったですよ、勉強になりました」と笑ってくださったので、敢えて「そのまま掲載させてください」とご無理を申し上げた。 森崎氏は画商歴四十年のベテランで、小生が知る画商のなかでもとびきり誠実で、さらにしっかりと自分のポリシーを持っておられた方である。心よりご冥福をお祈りしたい。
by sumus2013
| 2013-12-15 20:25
| 文筆=林哲夫
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