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ぽかん 03留守中あれこれ届いたなかに『ぽかん 03』(ぽかん編集室、二〇一三年一〇月一七日)があった。今年の四月、メリーゴーランド京都での個展の折に真治さんが「次のぽかんの表紙にコラージュ使わせてもらっていいですか?」というので二つ返事でオーケーした。そして九月の後半になってコラージュのデータ等を提供した。もうそろそろ出来あるころかな、と心待ちしていたところである。 今回はまたはりきった内容で驚かされた。あとがきなどを読むと、すべて思いつきでパッパとやってしまっているようだが、それがこんな風な形になって提供されてみると「編集人・真治彩おそるべし」の感を強くする。レイアウト担当の西田優子さんのセンスにも目をみはる。とくに本誌『ぽかん 03』のこの余裕というか落ち着き払ったレイアウトぶりは見事。 ぽかん編集室 http://pokan00.blogspot.jp 本誌の執筆陣が山田稔、外村彰、澤村潤一郎、中野もえぎ、真治彩、福田和美、内堀弘。これはもう何をかいわんや。「編集人・真治彩おそるべし」を繰り返すしかない。 内堀さん寄稿の「千代田区猿楽町1-2-4(其の一)」は『彷書月刊』について。若月隆一氏のこと、そして田村治芳との出会いから終刊の周辺が語られ、当事者としての内堀さんの動き(心の動きも)が回想されている。(其の一)となっているが、このテーマはじっくりと取り組んでもらいたいものだ。正直、不定期刊の『ぽかん』の連載には似つかわしくないと思う(真治さんは「年三回くらいは出すことを予言したい」と編集後記に書いているので、もしそうなったらこの発言は撤回しますが)。 付録(といっても付録の方が本誌より大きいのです)・秋葉直哉「ぼくの百」にビックリ。 《また、これまでの号にもあった、「ぼくの百」。 とんでもない量です。本誌に流し込んだら、それだけで30ページくらいになりました。 「純粋散文雑誌」とは遠いものになってしまいます。 そこで、ポスターみたいにしようというアイデアが浮かびました。 A1サイズ両面に、カラーで、書影もたっぷりの読み応えあるものに仕上がりました。》(ぽかん編集室) というような次第で本誌とは別に「ぼくの百」ポスター用にコラージュ制作の依頼があった。ちょうどギャラリー島田の展示用に作っていた時期だったのでとりかかるのに問題はなかった。ただしA5サイズと大判だったため少々難渋した。なんとか2点出来たので「どちらでも」と提供したら「両方使います」ということでこうなった。 A判全紙の表裏に秋葉氏の選んだ百冊のコメントが書影とともに印刷されている。秋葉氏の選んた本が渋い。事前に内容は知らされていたものの、内容に即したコラージュというわけではない。ランボーと中原中也の肖像がわずかに直結するけれど、それ以外のイメージは行き当たりばったりである。 それからもう一冊『のんしゃらん通信 vol.1』(ぽかん編集室、二〇一三年一〇月一七日)も付いている。 《原稿もすべて集まって、3号の全体像が見えたとき、ベッドでごろんと横になっていたわたしは、不安にかられました。 これは、ちょっと渋すぎて、かっこよすぎやしないかと。 そうして、わたしに「ノンシャラン」という言葉が降ってきたのです。ああ、そうだ、気楽に読める、ライトなエッセイも、自分が作るものには欠かせないんだと。 それで、急に、付録をつけようとおもいたったわけです。 題して、「のんしゃらん通信」。ねころんで読んでも、電車で読んでも、楽しい、愉快な、かろやかなものに仕上がりました。》(ぽかん編集室) 執筆陣も本誌とは違った意味でナイスな人選である。イラストは「糸巻きパレットガーデン♪」の toti さん。 toti さんはアート系の人気ブロガーと言っていいだろうが、イラストレーターではもちろんない。しかしそれゆえに新鮮な無邪気さとそれに見合ったクオリティをもっている。そこに目をつけるとは、ここでもまた「編集人・真治彩おそるべし」とつぶやくしかない。 糸巻きパレットガーデン♪ ぽかん http://daikatoti.exblog.jp/19878082/ また、読者カードと奥付(二種類)というこだわりも本好きならではのアイデアであろう。とにかく入手しておいて損はない。 ぽかん02 http://sumus.exblog.jp/17115418/ ぽかん 01 http://sumus.exblog.jp/14470897/
by sumus2013
| 2013-10-27 17:01
| 装幀=林哲夫
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