人気ブログランキング | 話題のタグを見る

林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
カテゴリ
全体
古書日録
もよおしいろいろ
おすすめ本棚
画家=林哲夫
装幀=林哲夫
文筆=林哲夫
喫茶店の時代
うどん県あれこれ
雲遅空想美術館
コレクション
おととこゑ
京洛さんぽ
巴里アンフェール
関西の出版社
彷書月刊総目次
未分類
以前の記事
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
more...
お気に入りブログ
NabeQuest(na...
daily-sumus
Madame100gの不...
最新のコメント
吉岡追求を超えて見事な図..
by sumus2013 at 20:01
《日々スムース》、快調と..
by 小林一郎 at 13:23
写真です。今回の展示は父..
by sumus2013 at 14:48
 これは写真でしょうか ..
by arz2bee at 11:53
過分なお言葉にこちらこそ..
by sumus2013 at 15:49
メモ帳
最新のトラックバック
天才画家ゴッホの生涯と画..
from dezire_photo &..
検索
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


glass beret

glass beret_f0307792_19532748.jpeg


古書ヘリングで発掘とか言いながら、棚から抜き出して写真撮るだけでは面白くもなんともない。ということで、記念に一冊購入。ジョン・ソルト訳の北園克衛選詩集『グラス・ベレー glass beret the selected poems of Kitasono Katsué』(Morgan Press, Ltd. 1995)。おやおや、扉に訳者ジョン・ソルトの献呈署名入り、よく存じ上げている方の名前がありました。上の写真で右が本体、左は厚手のトレーシングペーパーのような紙のラパー。筒状に本体を包む。


glass beret_f0307792_19533236.jpeg


glass beret_f0307792_19533707.jpeg


glass beret_f0307792_19534206.jpeg


白い封筒が挟んであった。中には二つ折りになった本詩集の案内状。そしてウィリアム・ジョンストン(William Johnston)の写真展(18 Nov. 1996 - 31 Jan. 1997, Keiji Shinohara Studio, Middletown CT)の案内カード。そこには《ウィリアム・ジョンストン》と万年筆で大きめに描かれ、その下にジョン・ソルトによる挨拶文が三行、ボールペンで書かれている。

It was good talking to you on the phone.
Be well. Much love,
         John  4. 24. '97

本書の献辞と同じ日付である。封筒に宛名がない。旧蔵者宛てかな?

# by sumus2013 | 2021-06-14 20:51 | 古書日録 | Comments(0)

父の道具展終了御礼

父の道具展終了御礼_f0307792_20033612.jpeg


本日(13日)最終日、引きも切らず来場者ありました。扉野良人氏も制服姿(僧形)で。神戸からN氏もわざわざ来てくださった。かなりマニアックな美術の話題をあれこれ拝聴する。今回、こんな状況下でもあり、案内状は少数しか発送していません。その代わりFBとTwitterでは毎日発信しました。意外と、それで十分なのかなと思ったりしています。ご来場くださったみなさまにお礼申し上げます。

今回一番人気は、この箱(パリのショコラトリ、SADAHARU AOKI)に取り付けた錆釘のようでした。午睡書架さんが購入してくださったので、開店の折には展示されるかもしれません(断言はできませんけど)。

なお、小生の都合により、搬出は水曜日(16日)になりました。月・火は展示されたままになっているはずです。お近くの方はのぞいてやってください。注意:営業はしていると思いますが、営業時間に変更がある場合があります、ご確認ください。古書ヘリング tel.070-6680-1002


# by sumus2013 | 2021-06-13 20:21 | コレクション | Comments(0)

父の道具展4

父の道具展4_f0307792_19210182.jpeg


父の道具展、あと二日となりました。平安神宮前では手作り市が開催されており、まずまずの人出になっていました。

古書ヘリングも午後二時頃から来場者が途切れず、久しぶりに会う知人も来てくれて、あれこれ近況を語り合った。再訪してくださった方も何人かいて「二度目なので落ち着いて見られます」とおっしゃる(最初はびっくりしました、だそうです)。

アスタルテ書房でスタッフとして働いていた廣瀬氏が来場。ヘリング氏とは旧知の仲らしく、紹介してくれる。廣瀬氏は近々吉田神楽岡に独立して午睡書架という古書や美術品を扱う店をオープンするという。善行堂からも遠くなさそうだし、この界隈もさらに面白くなりそう。生田誠氏、いつものテンションで来店。京都新聞紙上での生田耕作伝のことをあれこれ。


父の道具展4_f0307792_19212342.jpeg
『KENJI YANOBE 1969-2005』青幻舎、2005



父の道具展4_f0307792_19213519.jpeg
父の道具展4_f0307792_19214285.jpeg
『昭和五年五月改訂 日本燈臺表』燈臺局


父の道具展4_f0307792_19215959.jpeg
C. レヴィ=ストロース『仮面の道』新潮社、1977





# by sumus2013 | 2021-06-12 19:41 | コレクション | Comments(0)

ロマンチックなエゴイスト

ロマンチックなエゴイスト_f0307792_19445326.jpg

さきに紹介した『ツボちゃんの話』でやはり気になるのは第十一章「「ロマンチックなエゴイスト」のこと」である。ここで佐久間さんは夫の女性関係について書いている。「ロマンチックなエゴイスト」というのは、まだ『東京人』編集部に在籍していた坪内が「スタンレー・鈴木」名義で『テクネ』第二号(一九九〇年八月一日発行)に投稿した短い小説のタイトル。これは『ユリイカ』総特集坪内祐三に傑作選として収録されており、千葉俊二氏が「坪内祐三さんのこと 「ロマンチックなエゴイスト」など」と題してその掌編小説の意味を

《あたかも自分の人生を予知してしまったかのように、坪内さんはその後の生をほぼ半分の長さに凝縮しながら恐ろしいまでにシュミレートしてみせる。》(p271)

と説いているが、まさに自分の生涯を予言したような内容なのが本当に不思議だ。この小品は、小説というよりは、小説の梗概(あらすじ)という姿をしており、正直、小説家には向いてないのかな、と思わせられる。ただし、ここで坪内は千葉氏の指摘する通り驚くべきヴォワイヤンとなっているのだ。

佐久間さんはこの小説について生前に坪内から何も聞いていなかった。『ユリイカ』誌上に転載されて初めて読んだ。小説の最後のセリフ「おまえはがまんしろよ」が衝撃だった。

《高々と打あげられたボールのように、彼のことばは上空のどこかを三十年近くさまよって、いきなり私の後頭部を直撃した。》(P173)

この章で佐久間さんは、中沢新一氏がやはり『ユリイカ』の追悼号に書いた、バーへ坪内を探しに来た女性のこと、常盤新平の小説「熱愛者」の女たらしの主人公のモデルが坪内ではないかと疑われること、坪内の『東京』に描かれている自殺した女性のこと、そして神藏美子『たまもの』をめぐる三角関係について回想し、かなりつっこんでその当時の葛藤を分析している。本書の読みどころの一つであろう。

その女性関係を知るほど坪内氏と付き合ったわけではないが、一度だけ、もてるんだな、と思ったことはある。

二〇〇六年一〇月二七日に神保町東京堂書店六階で「第17回神保町ブックフェスティバル 坪内祐三さんトークショー&サイン会」が開催された。ちょうど、『日々スムース』にも一部収録したように、書肆アクセスの閉店が決まって、その記念出版の用意などのために上京していたので、このトークも聞くことができた。大会議場はほぼ満員の盛況だった。当時の日記からそのあたりの記述を引用してみる

《15:00 ちょうどぐらいに東京堂書店の6Fへ4人で【西秋書店若主人、佐野繁次郎コレクター西村氏、彷書月刊編集長田村治芳さん】。内堀さん控え室から出てくる。一旦席を占めてからトイレへ入ると田村さんがいた、並んで小便していると坪内さんが入ってきて「あ、ナナちゃんだ、林さんだ」と言いつつ、2人で満員だったのでうしろの便座式へ入ってジャー。

16:30まで、坪内さんが自著について、というか、つき合ってきた編集者について(萬玉、中島、木村…)。朝日新聞社で「異能異才」を編集したころの話、ビルの屋上のプレハブでつくっていた。図書室も使い放題だった。文春で「ノーサイド」をリニューアルで細井さんと二人で作っていたとき、花田マルコポーロがすぐとなりでハナバナしく創刊していたこと。「ノーサイド」バカ売れした。

終了後サイン会があったので、【時間をつぶすため】中川六平さん、内堀さん、田村さんとアクセスへ。「HB」の橋本くんが来たので畠中さんが紹介してくれる。早大の院生で自分で編集から組版・デザインまでやっているそうだ。

八羽へ。中川さんの話でもり上がる。ワンマンショーに近い。フェリスで半年コースを教えていること。坪内さんに書き下ろしをさかんにすすめる。エンタクシをやめろという。

内堀さんが山口昌男さん宅へ資料をとどけに行ったら、山口さんが正ちゃん文庫のセット(95万)を買うと言い出して奥さんとケンカしたところだったという。

エンタクシについて坪内さんは柳美里と何かあったらしく、あんな人とは思わなかったをくり返していた。

9時ごろお開きに。手回しよく文春の人が払っていた。内堀さんと中川さんはJR(方面)で帰宅。坪内二次会について行く。すずらん通りの入口付近にできたカラオケ店へ。昔、中西屋があった場所だそうだ。若い人たちなのでさすが盛り上がっている。坪内氏はブルーハーツ、ボブディランなど。2000【小生の支払い分】。

そこを出て、安藤氏【『ぴあ関西版』編集長】、Jさん、と4人で新宿へ。猫目という地下の小さなバー。大竹伸朗の作品が5点ほどかけてあってガラスの上から大竹氏がサインしてある。(ぐうぜん、人につれられて? やってきたらしい) スコッチの水割。女主人は絵が好きな若い人。

1時すぎに別れてタクシーで日本橋小舟町まで、秋田から単身で来ている60代くらいの運転手、地図をみながらたどりつく。》

さすが六平さん、いいこと言ってる。その通りだと思う。ここで《Jさん》と記してある女性とかなり親しそうだったのが今もはっきり思い出される。猫目までついていくつもりはなかったのだが、坪内氏がいいバーがあるからと強く誘ってくれたのである。猫目の女主人・瀬尾佳菜子さんは『本の雑誌』の坪内追悼号に「あの日のこと」と題して坪内氏が長らく付き合ってきた猫目に二度と来ないとタンカを切って帰って行った日のことを回想している。いい文章だ。


# by sumus2013 | 2021-06-11 19:53 | おすすめ本棚 | Comments(0)

笑って許して誤植ザ・ワールド

笑って許して誤植ザ・ワールド_f0307792_17032382.jpg


高橋輝次さんからですと版元より『本の雑誌』冷やし飴ぐびり号(通巻457号、本の雑誌社、二〇二一年七月一日)が届く。有り難うございます。特集・笑って許して誤植ザ・ワールド。なるほど、それで高橋さんが執筆されているわけだ。

高橋輝次編著『誤植文学アンソロジー 校正者のいる風景』

高橋さんは「漱石さんの誤植、その他」と題して、漱石の「かな」と「がね」、北條秀司の「黙」と「獣」、活字時代と電算化時代の校正の違いなどに触れておられる。いつもながらシブい文献から書物関連のトピックを拾い出してくる手際が見事。

他には、ミステリ評論家の新保博久「「駅から三年、築八分」」がタイトル通りに秀逸。「パブリック・ヘア」という誤植(!)が今も信じられているのは、あの『英絵辞典』(カッパ・ブックス、一九六八年)のせいだったそうだ。パブリックではなくピュービック(pubic)でなければならない。

また、出版社各社の編集者が自ら経験した誤植体験を告白しているのも一読に価する。なかでも『ぴあ』の安藤善隆氏による「9555と9955」には臨場感があって、ちゃんとオチまでついている。

『本の雑誌』をじっくり読んだのは坪内祐三追悼号以来だが、あらためて中身の濃い雑誌だと実感。危機を乗り越えて四十六周年(じつは四十七周年。四十五周年の社史は四十六周年目に出る予定で、四十七周年の今年出る)というのもすごい。


# by sumus2013 | 2021-06-10 17:31 | おすすめ本棚 | Comments(0)