林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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支那服の少女

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山崎書店へ向かう前に星野画廊で開催されている「母子像名作選 そして少女たち」展を見た。亀高文子の作品が二点出品されているのでぜひ見ておきたかったのだ。「支那服の少女」(一九二五年作)と「秋果童女」(一九四〇年作)の二点、どちらもそこそこ大きな作品(十五号くらい)だったが、とくに上の「支那服の少女」が良かった。大正の自由な雰囲気が自然な感じにあらわれている。なお本展図録では「かめだか・ふみこ」と読んでいる。

『画業75年をふりかえる 亀高文子自選展』

さらに亀高文子

他にも例によって滅多に見られない珍しい作品ばかり。野田英夫の小品二点、これらも美術館モノ。いつもながら驚かされる。十二月三日まで。



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by sumus2013 | 2016-11-19 20:05 | 雲遅空想美術館 | Comments(0)

BOOK ART 展

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一つ一つが、世界でたった一つの本
ART BOOK 展
2016年11月22日〜12月4日

京都パラダイス
(山崎書店ギャラリー)
http://www.artbooks.jp



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本日(11月19日)、山崎書店二階へ搬入しました。22日(火)からです。「BOOK ART」ということでいろいろ無い智慧を絞りましたが、上の写真のような作品二点を出品することにしました。既存の本(古本です、もちろん)を糸で縛り上げたもの。コクーン(COCOON)シリーズと仮に名付けました。糸を解かないとこれらの本は読めない! アリアドネがテーセウスにもたせる書物……。

その他の出品者の方々も搬入に来ておられました。それぞれ奇抜な発想で本という造型の可能性を押し広げているように見受けられました。作品が勢揃いしたところを見るのが楽しみです。

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by sumus2013 | 2016-11-19 17:42 | 画家=林哲夫 | Comments(0)

狂詩しやべり志題

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百万遍で求めた珍本のひとつ『狂詩〓志題』。小本(タテ18cm)。〓のところは言偏に「多」(おそらく……言葉が多い?)で「しやべり」とルビあり。萬千笑蔵で元治二年(一八六五)乙丑孟春新刻、編輯人は連名になっている。

宋 蚊文々
倭 面徳斎琴成 

また「序」の末尾には市門舎安居誌と署名あり。丸善から二〇〇四年に覆刻版が出ている。東京大学経済学図書館が一冊所蔵するようだ。また浅川征一郎編『未翻刻狂詩十一種』(近世風俗研究会、一九七〇年)では本書の版元を出雲寺萬次郎等としている(萬千笑は萬次郎の萬か)。出雲寺は幕府の御用達町人(書物師)であり書物方に属し紅葉山文庫(将軍の文庫)の運営や昌平坂学問所の編纂物の出版にも携わったという。いかにもお固い版元なのだが、じつはこんなヘンテコな狂詩集も発行していた、ということだろうか。とすれば著者もそれなりに名前の通った学者先生なのかもしれない。

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目次に見られるテーマの一部を挙げてみると……

囲女(かこゐもの)
腐儒廓通(ふじゆ くるわがよひ)
自貧晩炭団(じしんばんのたどん)
比丘尼安産祈所(びくにのあんざんをいのるところ)
怒場白痴席敷(どバ はくちのむしろをしく)
戯場見物如雲霞(しバゐけんぶつ うんかのごとし)
令極茶見世匂乗愛敬(れうごくのちやみせ にほひあいけうにじやうず)
蚊芸者文々(かげいしや ぶんぶん)
大点偶上俳諧山(だいてんぐ はいかいざんにのぼる)
偶居(ゐさうらふ)
勤番士覗女湯(きんばんし おんなゆをのぞく)
質屋嘆(しちやのなきごと)
湯屋二階(ゆやのにかい)
裏店御亭主(うらだなのごていしゆ)

本文はそれぞれの主題に関する言葉遊びになっている。見かけは漢詩のようでありながら、総ルビで読むともうこれは和文でしかない。一例として短い作品の全文を引いてみるが、ダジャレの面白さはあるにしても内容はさほど辛辣というわけでもない。

   かみがたざいろく
   上形在録

 とゝもいかんともさかひのちやうにん
 魚裳如何堺長人 

 しばらくきやうとにあしをとめてくだらんとほつす
 暫京都止足欲下

 なにハともあれかねハおほさか
 難波在友金大坂

 えどにきたつてかねがたざいろく
 枝門来金方在録


本書もフルホンシバンムシにかなり蝕まれてはいるが、テキストは辛うじて読める(一部食われてしまったところもあり)。状態が良ければ(あるいはちゃんと裏打ち補修すれば)そこそこにお値打ちものだと思う。

銅脈先生『太平樂府』


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by sumus2013 | 2016-11-18 20:33 | 古書日録 | Comments(0)

フルホンシバンムシ

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『佐川史談 霧生関』第五十二号(佐川史談会)のコピーを多田昭氏より頂戴した。以前にも頂戴していたが、牧野富太郎の出身地である高知県の佐川町で刊行されている雑誌である。

『佐川史談 霧生関』第四十七号

多田氏が「牧野富太郎と加藤正世」という文章を書いておられる。それによれば牧野とセミ学者・加藤とは交流があったそうで、なんと次のような記憶すべき逸話を残しているという。

《ある時、牧野は大切な蔵書を食い荒らす害虫についてはシミではなく甲虫ではないかと加藤に尋ねている。加藤は牧野が提供した古本の間から取り出した紙に穴を開ける虫を見てシバンムシと同定している。その結果から牧野は「さう、シミを悪く言ふナイ」とシミに同情(植物記)すると共に加藤はシバンムシの一種で古本専門に穴を開ける種に対し「フルホンシバンムシ」と新しい名前を付けている。》

フルホンシバンムシについては下記の記事に写真入で紹介されているのでご参照あれ。

国文研のツボ! それが「保存管理」

加藤正世といえば拙ブログでは加藤正世『昆虫標本整理法』(三省堂、一九三三年)に言及したことがあるが、なぜかウィキには立項されていない。加藤による昆虫コレクションは東京大学総合研究博物館に保管されており、ちょうど一年前にモバイルミュージアムとして石神井公園ふるさと文化館ギャラリーで展示されたことがあるようだ。

大正から昭和初期にかけて活躍した加藤正世博士(1898~1967年)は、石神井公園に隣接した自宅に加藤昆蟲研究所と併設した「蟬類博物館」を開館し、展示を通じた昆虫学の普及とともに、新種・新亜種を含む多くの論文や著書を世に輩出した稀代の昆虫学者です。》(「蟬類博物館」―昆虫黄金期を築いた天才・加藤正世博士の世界

***

古書目録『りんご古書市場』第212号のあとがき「余白」に次のような悲しくもリアルな話が書かれていた。

《青森の古本チェーン店が先月で閉店しました。電器店の跡に入ったので、売り場面積と駐車場も広い郊外型の店でしたが、最後はダンボール箱に詰め放題で二千円の投げ売りでした。それでも何割かの本は処分され、本棚も廃棄処分です。只でいいというので、本棚を二十本いただいてきました。明日は我が身で、古本屋の最後はどういうふうになるのかと、我がことのように見ていました。青森市だけでもここ二十年で小さな古本屋さんが二十店も閉めました。それというのも大型古本チェーンが進出してきて、仕入れもなくなりお客も取られて潰れて行ったのです。うちもその当時は潰れかかりましたが、古書目録とネット販売に助けられました。》

もう少し詳しくはこちらのブログに出ていた。「古本屋の戯言」

二〇〇八年には弘前で同じようなことがあったそうでそれについてはこちらのブログに。

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by sumus2013 | 2016-11-17 17:31 | 古書日録 | Comments(0)

花森印刷進行中

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山田写真製版所の担当さんより連絡あり。順調に進んでいるようです。仕上がりも予定より少し早くなる様子です。あと少しお待ち下さい。

花森さん、濃度の濃いところのインク負けしないよう、やや圧かけて刷りました。
ドライダウンに負けずしっかり乗っていると思います。予想通りの沈み具合です。》

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★★★
引続きご予約受付中!
花森安治装釘集成
唐澤平吉・南陀楼綾繁・林哲夫 編
2016年11月25-26日頃出来
B5判並製282頁 収録タイトル500点超 カラー図版約1,000点
税込定価 8,640円(本体8,000円+税640円)
ISBN978-4-86426-033-6 C0071
林哲夫伯のblogにビラ、束見本、ゲラ画像の掲載あり。
みずのわ出版
〒742-2806 山口県大島郡周防大島町西安下庄、庄北2845
Tel/Fax 0820-77-1739 mizunowa@osk2.3web.ne.jp

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by sumus2013 | 2016-11-16 20:09 | 装幀=林哲夫 | Comments(0)

ツルニャンスキー

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体調いまいちだったのだが(風邪が治り切らず)山崎佳代子さんのお話を聞きたかったので「第305回日文研フォーラム セルビア・アヴァンギャルド詩と『日本の古歌』」(於:ハートピア京都)へ。コメンテーターは沼野充義、細川周平。「百年のわたくし」で山崎さんのことを少し紹介したが、会場でもらったハンドアウトを見ると詩人でありベオグラード大学教授、日文研外国人研究員とのこと。

前半は山崎さんの講義。セルビアの地勢や大雑把な歴史、アヴァンギャルドやジャポニズムの説明におよんだので一時間ではとうてい語り切れない濃い内容であった。彼女の論点を絞ると、セルビアの詩人で「スマトライズム」を唱えたミロス・ツルニャンスキー(1893-1977)が日本の古典的な詩歌から受けた影響、とくに桜の花のはかなさ(無常観)からの影響の大きさということである。それらはセルビアの音楽にもインスピレーションを与え、また俳句は現代においても実作として受け継がれ作り続けられている(英語やフランス語の俳句も盛んだが、セルビアでも!)。スマトライズムというのは要するに彼らが全く知らない土地の名前(スマトラ)をつけた自由詩の主張のようだ。

ツルニャンスキーは一九二〇年のパリ滞在において東洋主義の洗礼を受けた。その刺戟からアンソロジー『中国の抒情詩集』(一九二三)および同じく『日本の古歌』(一九二八)をセルビア語に翻訳出版した。山崎さんの話では中国の詩集よりも日本の詩歌の方がセルビアでは人気が高く(アンソロジーの構成に花と悲恋をテーマとしてストーリー性をもたせたためだろうとのこと)、歌曲の歌詞としても採用されているという。

セルビアでは果樹の花というのは愛でるものではなかった。桜といえばさくらんぼであってそれは赤い実のイメージが第一に浮かぶ。これはロシアでも同じと沼野氏が後半の鼎談のときに補足しておられた。チェホフの「桜の園」はじつは「さくらんぼう畑」という訳の方が近いかもしれないと。ツルニャンスキーはその果樹の花である桜花を好んでうたう日本の詩歌に接することによって自分自身も桜をうたうことになる(ただし満開の花だけ。散りはてるさまにまで彼らの意識は及んではいないとも)。

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一例としてツルニャンスキーの訳した俳句が配布されたプリントに引用されているので孫引きしておく。


 蝶とらえんと
 ああ、かけていく、はるかに
 はるかに


さてこの元歌は……千代女とされる「蜻蛉つり今日はどこまで行ったやら」だそうだ! トンボが蝶に変ってしまっている。山崎さんはツルニャンスキーが参照した英訳や仏訳がどうなっているか確認したいとおっしゃっておられたが、あるいは故意にチョウに変えたのかもしれない。ついでにツルニャンスキーの作品「スマトラ」も引き写しておく。


   スマトラ

 今は、僕らは やすらぎ、軽やかで 優しい
 想いうかべよう、ウラル山脈の雪のつもった頂の
 なんと静かなこと

 あの夕暮れに失った 青ざめた顔が
 僕らを悲しくさせるとき
 きっと どこかで 小川が 彼のかわりに
 茜色して 流れているはず

 ひとつまたひとつ愛は、今朝、異郷にて
 果てしなく 穏やかな青い海原に
 しっかり 僕らの魂をつつみこむ
 海では サンゴの実が まるで 故郷の
 桜の実のように 赤く色づく
 
 僕らは夜に眼をさまそう、微笑みかける、やさしく
 張りつめた弓の月に
 そして愛撫しよう 遥かな丘を
 凍りついた森を、そっと、この手で
                     ("Sumatra", 1920)



後半の鼎談もあっという間に終わってしまって、もうすこしいろいろ聞いていたかった。

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by sumus2013 | 2016-11-15 20:44 | もよおしいろいろ | Comments(0)

アメリカ人

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村上春樹;文、大橋歩;画『サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3』(マガジンハウス、二〇一二年七月九日、装丁=葛西薫)。アメリカ大統領が決まったときにたまたまこの本の「ワシントンDCのホテルで」というエッセイを読んでいた。

村上春樹はアメリカに何度か住んだこともあり、個人的なつきあいも少なくないが、アメリカ人について考えるたびにワシントンDCでのある日の出来事を思い出すという。ホワイトハウスの正面ゲートのすぐ近くにあるホテルにチェックインしようとしていた。フロントはあいにく混み合っていた。日本から着いたばかりで早く部屋に落ち着いてシャワーを浴びたかった。列をつくって順番を待ってようやく自分の順番がきたと思った瞬間、白人の男が横から割り込んできた。

《ピンストライプのスーツに派手なネクタイをしめた、いかにも右派のロビイストみたいな、堂々たる体躯の中年男だった。
 「すみません、僕が先に並んでいたんだけど」と言うと、彼は「あんたはそっち側に並んでいただろう。俺はこっち側にいたんだよ」と言い張る。でも人々はフロントの前で自然に一列になって順番を待っていたのであって、そんなの理屈にもならない。でも男は僕の言い分を相手にもしない。すると僕の後ろにいた白人の男が「いや、あなたはよくない。こちらのジェントルマンはずっと列をつくって順番を待っていたんだ。そんな風に割り込むのはフェアじゃない」と僕のために抗議してくれた。
 でもその人は小柄で、痩せて、眼鏡をかけていて、どう見ても押し出しが弱い。公立高校の歴史の先生みたいにしか見えない。ロビイストはじろっと彼を睨みつけ、鼻で笑って黙殺し、そのまま先にチェックインしてしまった。僕とその人はあきらめて、お互いに首を振った。その手の人物に道理を説くのは、動いているブルドーザーを阻止するよりもむずかしい。「すまなかったね。アメリカ人がみんなああじゃないんだ」と彼は言い訳するように言った。「もちろんわかっています」と僕は言った。「日本にだって、ろくでもないやつはいっぱいいますから。とにかくありがとう」。そして僕らは握手をして別れた。》

村上春樹はアメリカ人について考えるときに常にこの二人を思い出すという。今回も思い出したのかな……それにしてもこれはフロント係がさばかなきゃいけないんじゃないの?

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by sumus2013 | 2016-11-14 16:55 | 古書日録 | Comments(0)

古本海ねこ古書目録

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『古本海ねこ古書目録』10号(古本海ねこ、二〇一六年冬)、今回は二分冊。特集Aが「海を越え、ペルーより還った「コドモノクニ」、特集Bが「初山滋の有りし日々にふれる」。特集Aは「コドモノクニ」の表紙画を時代に沿って眺めるだけでもそのときどきに日本の置かれていた状況がビシビシ伝わって来る。子供の本だからこそ大人の姿をくっきりと映し出している。いつもながらの労作目録である。

古本海ねこ


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『福島自由人』31号(北斗の会、二〇一六年一一月三日)を菅野俊之氏より。「ポチ文庫蒐集記 金子鐵雄、三谷晃一、中山義秀、門田ゆたか、鈴木哀荷、水野仙子」は菅野氏コレクションからの逸品紹介。巻頭は金子鐵雄唯一の詩集『過程』。図版で見るからに良さそうな詩集である。

《けっこういい値段だったが即、ゲット。縦横十五センチほどの枡形本、折り込みジャケットの瀟洒な詩集だ。木村次郎との共同詩集で、昭和十二年(一九三七)慶應書房刊。五十七頁。鐵雄の詩十三篇、次郎の詩九篇を収める。入手本は二人の献呈署名入り。序文は大江満雄。共著者の木村次郎は鐵雄と共に大江満雄の薫陶を受けた詩人。発行所が芝区三田にあった慶應書房となっているのは、鐵雄が慶應義塾大学の縁であろう。》

他には鈴木哀荷の『哀荷遺稿』から水野仙子の未知の作品を見つけ出すくだりにも感嘆した。

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by sumus2013 | 2016-11-13 08:48 | 古書日録 | Comments(0)

花森集成の表紙まわり

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先日ご案内いたしました「花森安治装釘集成」につきまして。
色校正に手間がかかり、当初の予定より20日程度遅れて、今月25~26日頃出来となります。ご予約の方には、本ができ次第、今月末までにお送りいたします。今しばらくお待ちくださいませ。

★★★
引続きご予約受付中!
花森安治装釘集成
唐澤平吉・南陀楼綾繁・林哲夫 編
2016年11月25-26日頃出来
B5判並製282頁 収録タイトル500点超 カラー図版約1,000点
税込定価 8,640円(本体8,000円+税640円)
ISBN978-4-86426-033-6 C0071
林哲夫伯のblogにビラ、束見本、ゲラ画像の掲載あり。
みずのわ出版
〒742-2806 山口県大島郡周防大島町西安下庄、庄北2845
Tel/Fax 0820-77-1739 mizunowa@osk2.3web.ne.jp

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普通なら今から表紙まわりの意匠を考えるのだが、今回はいくつかの理由で進行予定が後ろへずれ込んだ分だけ装幀案も早くできていたので、表紙まわりのデータも同時に入稿した。

カラーボールを並べてあるのが帯になる。この図案は花森安治のカレンダーのデザインを借用している(本書にも収録)。といってもコピーしたのではなく小生が同じような手順で再制作したもの。文字の扱いをどうするか決めかねていたため、ちらしに掲載した書影と違ってしまった(ちらしはブックフェアーに間に合わせる必要があったのです)。この点はお許し願いたい。

表紙の方は文字だけにした。花森安治の装釘はおおむね賑やかで装飾的な作風なのだが文字だけ(あるいは文字と囲みケイだけ)のストイックな意匠にも創意工夫が見られる(とくに表紙や扉、目次と奥付も)。むろんその中間的、折衷的な図案も少なくはない。この花森流の裏と表の使い分けを暗示するように、表紙はストイック、帯は華やか、という構成にしてみた。

あとは最終的なチェックと色校正を残すだけとなった。いましばらくお待ちください。

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表紙まわりの校正刷が届いた(十月二十日)。アート紙に刷られているので紙の色味が実際よりも白い。本番はヴァンヌーボという紙を使う。文字や図柄の位置だとか、色味のチェックをする。大きな問題はないようだ。

本文全体にわたって最後の色校正中(十月二十四日)、これが終わればいよいよ印刷にかかる。

本紙校正が届く(十月二十七日)。二枚あるうちの上に置いているのが本紙(モンテシオン)。下になっているのは刷り出し用のアート紙。アート紙の方が細かいトーンはきれいに出るが、テカッとしていて趣に欠ける。モンテシオンはさっくりとした風合いと手触りがいい。ただしインクの吸いがはげしいため印刷には細心の注意そして技術が必要である。山田写真製版所なら安心だ。

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誠光社、ホホホ座、古書善行堂でもご予約いただけます!



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by sumus2013 | 2016-11-12 09:07 | 装幀=林哲夫 | Comments(2)

若冲

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澁澤龍彦他『若冲』(河出文庫、二〇一六年一一月二〇日)。先日の若冲筆塚の校正はこのためでした。ご協力くださった皆様に深謝いたします。

森銑三
辻惟雄
梅原猛
吉井勇
澁澤龍彦
種村季弘
安岡章太郎
坂崎乙郎
芳賀徹
千澤楨治
澤田ふじ子
由良君美
瀬木慎一
瀬川弥太郎
蔵原惟人
林哲夫


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by sumus2013 | 2016-11-08 17:14 | 文筆=林哲夫 | Comments(2)