林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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文藝書栞

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昨秋『白水社版文芸書栞』(白水社)を某氏より頂戴していた。これが初めて見る判型。長辺が 176mm短辺 44mm。寸法の比較に並べた青い「誠光社」のカードは名刺大である。まさに栞の大きさなのだが、ただの栞ではないところがミソ。じつは中綴じ二十四頁(表紙含む)の冊子体なのである。

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掲載タイトルを引き写してみる。

・モンテーニュ随想録 
・ルナアル日記 http://sumus.exblog.jp/7707088/
・葡萄畑の葡萄作り ルナアル
・明るい眼 ルナアル
・ねなしかづら ルナアル
・カンディード ヴオルテール
・商船テナシチー ヴイルドラツク
・窄き門 ジイド
・贋金つくり ジイド http://sumus.exblog.jp/12117078/
贋金つくりの日記 ジイド
・地の糧 ジイド
・二つの交響曲 ジイド
・白き處女地 ルイ・エモン
・母と子 フイリツプ
・ファニー マルセル・パニヨル http://sumus.exblog.jp/14257963/
・怖るべき子供たち コクトオ http://sumus.exblog.jp/10543762/
・死の如く強し モーパツサン
・ピエルとジヤン モーパツサン
・ベラミ モーパツサン
・人生サーカス モーパツサン
・楽天公子 獅子文六
・舶来雑貨店 獅子文六 http://sumus.exblog.jp/10295915/
・犠牲 デユアメル
・アルルの女 ドーデ
・さ・え・ら 辰野隆
・ヴアリエテ ヴアレリイ
・書方草紙 横光利一
・ボオドレエル研究序説 辰野隆
・詩の朗読 照井〓三
・現代文芸論 中島健蔵
・文学付近 鈴木信太郎 http://sumus.exblog.jp/13690231/
・筆記帖 渡邊一夫 
・象徴主義の文学 アーサー・シモンズ
・文学生活 アナトオル・フランス
・近代仏蘭西文学の展望 伊吹武彦
・新撰劇作叢書 岸田國士
・澤氏の二人娘・歳月 岸田國士
・二十六番館・他一篇 川口一郎
・瀬戸内海の子供ら 小山祐士
・おふくろ 田中千禾夫
・赤鬼 阪中正夫

以上、書評抜粋の短文付き。この他に短文なしの二十二タイトル掲載。辰野隆、小林秀雄、宇野浩二、嘉村礒太全集など。そして最後のページ(裏表紙)に「新刊」として二点、

・達磨町七番地 獅子文六 http://sumus.exblog.jp/10301204/
・落葉日記 岸田國士

どちらも昭和十二年刊の作品である。


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by sumus2013 | 2016-01-10 20:04 | 古書日録 | Comments(0)

米国詩人

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内村鑑三述『月曜講演改題 宗教と文学』(警醒社書店、一九〇一年一月五日三版)。本年の古本買初め……ではないけれど古本らしい古本としてはこれが最初と言っていい。表紙は汚れているものの本文は読まれたようには思えないくらいの状態だ。むろん経年劣化はあり針金綴じの針金は錆びて弱くなってしまっているが、これは致し方ない。

神田美土代町の基督教青年会館で内村が明治三十一年一月に行った連続講演。それを筆記した内容である。「カーライルを学ぶの利と害」「ダンテとゲーテ」「米国詩人」「文学としての聖書」の四章。ここでは「米国詩人」をかいつまんで紹介しておく。

《余輩は今茲に米国詩人を紹介せんとするに当り、先づ之に達する通路を備ふるの必要を感ずる。由来我邦人は米国とし聞けば、直ちに驚くべき拝金国にして、大哲学者も出でず、大文学者も現はれず、凡そ大の字を冠すべきものは何もあらざるが如く思惟する癖あり。》

《されど余輩も亦曾て米国に遊べる者なれば、米国の為に妄を弁じて、合せて自らを弁護するの観なき能はず。

余輩の少なる頃、一ツ橋外に外国語学校なるものあり、英仏独等の語学を授け、余輩も亦就て学びぬ。而して其の英学部と仏学部と独学部と互に相衝突し、彼は此を笑ひ、此は彼を嘲けり、果ては一場の争闘を惹起せる事屢なりき。今日と雖、法律を研究する人々にして、独逸派は英国派を蔑視し、英国派は又独逸派の欠点を指摘して之を難ずる者少なからず。

しかし英独仏それぞれに長所があり、よってまた米国にも長所がないとは言えないだろう。拝金は長所の一部でしかなく、とくに自由の思想においては世界無比の国である。

《而してその人類的観念の盛なるや、発しては外国伝道となり、日本、支那は言ふまでもなく、印度、亜弗利加等、北の端より南の端まで、文と野を論ぜず、暑を恐れず、寒を厭はず、甚だしきに至ては鮮血を滴らして更に悔ひず、只一片の愛心より熱誠を揮つて未だ教化に湿はざる他国の人民を誘掖し、其の喜悦の情を頒たんとす。》

これに加えて「詩歌」はアングロサキソン人種特得の技量である。英国には未だ偉大な画家は出ていない。哲学においてもヒユウム一人、しかしながらおびただしい大詩人を輩出しているのが英国である。その《英人中の英人と称せらるべき一群が、居を米国へ移したる事なれば、勿論米国に於て詩歌なしと言ふの道理ある可らず》……とやや強引な論理展開になる。

むろん建国二百年に満たない国だから詩人の群星(ガラキシー)を見るわけではないが、一種の特質は有している。米国は大国だからその詩が英国のちまちました自然をうたった詩よりもずっと雄大である。例えばブライアント。テニソンと比較してみれば違いがよく分る。政治思想も英米ではまったく異なる。

《英国は詩を以て詩人の為に用ひたれども、米国は一歩を進め詩を以て人民の為に用ひ、政治の為に用ひたりき。》

この点で奴隷使用に反対したホイツチエルは米国詩人の師表である。ホイツトマンは在来の詩風を破壊して新機軸を出した詩人。韻も押さず字数も揃えない自由詩を書いた。清廉の詩人として愛されている。

というところで「南米詩人」へと話題は移っている。国別に優劣を論じること自体に疑問を感じる(英国人を米国人の祖として語ること自体がナンセンスであろう)が、それはそれとして《人類的観念の盛なるや》云々というところは大いに納得した。日本も甚大なる影響を米国から被った。内村がこういう話をしてから百二十年近くが過ぎている。内村は米国が日本をこんなふうにしてしまうと想像したであろうか。この点についてちょっと訊ねてみたい気がしないでもない。



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by sumus2013 | 2016-01-09 21:37 | 古書日録 | Comments(0)

お札展

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●お札展 お正月にちなんで、おめでたい、縁起のいいお札の展覧会
 開催中~1月17日(日)
 山崎書店二階 京都パラダイスにて 10時~6時 

おめでたい引札や紙ものがたくさん展示されていた。なかでは特に千社札のデザインに惹かれるものがあった。限られたスペースに効果的に人名や店の名前、土地の名前を配置し、人目を引く妙技。モノクロの使い方は今日でも十二分に参考にできる。

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展示の方法で山崎さんがちょっと自慢げにその工夫を教えてくれたのが、こちら。写真の恵美須引札の右上隅に注目。金属の画鋲で止めてあるように見える。しかし……

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じつはこれ磁石なのだそうだ。まず壁に金属の画鋲を刺す。その上に展示物を重ね、上から磁石で挟む。そうすると傷つかずに展示できる。もちろん壁が金属ならそのまま磁石だけでよろしい。また硝子戸のような薄い板状のものなら両側から磁石で挟めばオッケー。なるほど冷蔵庫にレシピー・メモを留める要領である。このアイデアは拝借できる。

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by sumus2013 | 2016-01-08 20:42 | もよおしいろいろ | Comments(0)

M!DOR!

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M!DOR! さんのコラージュ葉書などが届いた。「書架彷徨展」に出品しておられ、初めてお名前を知ったのだが素晴らしいコラージュ作家である。プレヴェールやシュビッタースはもとよりたいていのコラージュが好きなので(いちおう自分でも制作しております)このブログでもできるだけ取り上げるようにしている。新春早々いい作品を見せてもらった。いずれ現物を拝見したいもの。


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***



コラージュと言えば「第32回銀座古書の市」の目録に佐野繁次郎のコラージュが出品されていた(えびな書店)。これは書架(えびな書店目録)に載っていたのだろうか? 記憶が定かではないが(さいきんボケてますから)、同じページの古茂田守介は掲載されたことがあると思う。

パリ好きの佐野はコラージュとは言わずたいてい「パピエ・コレ」と言う。今更ながらであるが念のために書いておくと「糊張りする」という意味の動詞コレー(coller)の名詞形がコラージュ。パピエ・コレは文字通りには「糊張りされた紙」でコラージュのことも指す。コレはコレーの過去分詞。エルンストらのシュルレアリストが作品としてこの分野を確立した。

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by sumus2013 | 2016-01-07 21:18 | 雲遅空想美術館 | Comments(0)

図案文字大集

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西川国夫編著『最新実例 図案文字大集』(大洋社出版部、一九三八年一月一五日四版)、『カタカナ・ひらがな 図案文字大集』(太洋社出版部、一九三八年一〇月三〇日三版)、『ローマ字・数字 図案文字大集』(太洋社出版部、一九三八年一〇月二五日)。三冊になってはいるが、昨日の『その儘使へる絵と実用図案文字』と編集方針はほぼ同じ。広告を製作する者がすぐに参考にできるようにした見本集である。『その儘』は海外の雑誌などから引用した挿絵や欧文が多いように思えるのに反して『大集』の方は日本の同時代の実例をそのまま掲載しているところは少し違う。時代相の変化が反映しているのだろう。

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以上は最新実例よりランダムに拾ってみた。以下は「ローマ字・数字」および「カタカナ・ひらがな」の一部。

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編著者の西川国夫については不詳。ただ発行者の大谷徳之助はなかなか興味深い出版人のようである。といってもさほどの材料が見つかったわけではないが、著書が四冊ほどある。デジタル化されていない、あるいはされていても館内閲覧のみなので三水社の発行者は不明。

現代壱万歌集
大谷徳之助 編 三水社 1929

趣味と実益養鶏其他百般副業講義録
大谷徳之助 著 三水社 1927

三ケ月卒業写真術講座
大谷徳之助 三水社 1927

世界童話集 新訳 ロビンソン漂流記
大谷徳之助 編 三水社 1927


また大洋社出版部としては一九二五年から一九四〇年までの出版物が確認できる。とくに昭和十三年(一九三八)の出版物が際立って多い。また『秀才文芸』(秀才文芸社)という雑誌の発行者になっている。









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by sumus2013 | 2016-01-06 21:33 | 古書日録 | Comments(0)

絵と実用図案文字

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十時柳紅編著『その儘使へる絵と実用図案文字』(近代文藝社、一九三〇年四月五日)。本書については下記サイトが詳しいので参照されたし。

『その儘使へる繪と實用圖案文字』

続・『その儘使へる繪と實用圖案文字』の謎

近代文藝社という社名で検索すると大正初期から東京で文芸書を出版していた版元が見つかるが、昭和に入って大阪で同名の出版社が現れる。これに関して追求した方がおられ貴重な情報を披瀝してくださっている。

近代文芸社『現代詩の作り方研究』

本書にもオリジナルとして弘文社版があったわけだが、近代文芸社の出版リストを見ていておやっと思ったのは松崎天民『諧謔四十男の悩み』。この初版は新作社で大正十三年、その後、二社ほど転々として近代文芸社にまわってきたというしぶとい作品だ。いかにも大阪らしい(と言えば誤解をまねくかもしれないが)近代文芸社の本の作り方が分るように思える。

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元版は昭和二年とのこと。すでに昭和十年の年賀デザインが載っている。右書きと左書きが混在。2930とあるのは日本紀元だろうか? えらく先では……

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こちらは昭和11年(丙子)のデザインになっている。

どのページも非常に手慣れたスマートな筆致である。版下としてもすぐに使えそうだ。もちろん看板用やポスター用に引き延ばすこともできよう。そういう意味でデザインソースとしての使い勝手は良さそうに思う。上記サイトにも画像がかなり出ているのでここでは喫茶店と古本に関する頁のみ引用しておこう。

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by sumus2013 | 2016-01-05 21:15 | 古書日録 | Comments(0)

モランディの手紙

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岡田温司編『ジョルジョ・モランディの手紙』(みすず書房、二〇一一年四月五日)を河原町の丸善にて購入。図書カードを使う。まだ読み始めたばかりだが、ファンとしてはよくぞ出版してくれたという一冊だ。モランディの行動や考え方がよく解る。発行日からすると東北の震災のために中止になったモランディ展に合わせたのだろう。今回のモランディ展の会場でも販売されていた。少しでも動いてくれればいいと思う。

丸善ではヴィジュアル洋書の半額セールをやっていた。元値が高いから半額でも……とは思うものの珍しい画集や写真集、デザインや料理関係の本が放出されていたようだ。

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その後、河原町通りのブックオフへ初詣。

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by sumus2013 | 2016-01-04 17:44 | おすすめ本棚 | Comments(0)

宮澤賢治全集内容見本

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年末に『宮澤賢治全集』内容見本(筑摩書房、一九六七年)を頂戴していた。遅ればせながら御礼申し上げます。『書影の森』には『校本宮澤賢治全集』(一九七三年)を収録したが、これは洩れている。なかなかいい感じのデザインだ。胡桃の挿絵は同全集の装幀(吉岡実と推定、『書影の森』30頁)に使われているものと同一である。とすればこの内容見本にも吉岡の関与があるのかもしれない。

同全集の昭和三十一年版に対して高村光太郎が寄せた文章がこの内容見本に再録されていて、それはたいへん示唆的だ。

《なにしろ、宮澤賢治の原稿というものは、まるで埋没している未分析の礦物のように、手帳やら紙片やらに呪文のように書き散らされていて、しかもそれが縦横むざんに消されたり、加筆されたりしていて、到底普通の人間には読むことも出来ず、まとまった一篇の作か否かさえ見当のつきにくいような、いわば反古のような形で筐底にのこっていたのである。
 これを判読して、賢治の書こうとした一篇の作に復元する洞察力と決断力を持つのは、令弟宮澤清六さんの外なく、清六さんは暇さえあればそういう反古をひっくり返して、この年月、愛兄の為にこの困難な発掘をつづけて来られた。》

そうだとすれば、宮澤賢治全集ではなく宮澤兄弟全集ではないか! これは宮澤賢治を読む者が注意しておかなければならないもっとも重要なことだと思う。


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by sumus2013 | 2016-01-03 09:34 | 古書日録 | Comments(0)

ハヌマン

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昨秋、衝動買いしてしまったジャワの影絵芝居の人形。買ったときにはこれが何の人形なのか気にもしていなかったが、調べてみるとどうもラーマヤーナに登場する猿族の戦士ハヌマンらしい。そんなに手のこんだ作ではないにしても申年にちなんでこれは都合がよろしい。

ジャワにはワヤンと呼ばれる演劇が幾通りかある。影絵芝居のワヤン・プルワとワヤン・ゲドッグ。人形劇のワヤン・クリティックとワヤン・ゴレック。仮面劇のワヤン・トッペンと仮面を用いないワヤン・ウオン。絵芝居のワヤン・ベベル……。

ワヤンは「影」から転じて「演劇」を意味するようになった。要するに影絵芝居が芝居のオリジンということである。最古の形がワヤン・プルワ(物のはじまり)で遅くとも十一世紀には完成の域に達していたそうだ。

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《ワヤン・プルワに用いられる人形は水牛の皮で作ったもので》《まず水牛の皮を太陽でよくかわかし、かわききったら摩擦して、表面の毛を取りのぞく。それから砥石でこすって平らにし、丸竹で磨いて、さらにルンプラスという木の葉で仕上げをおこなう。

 こうして皮ができ上ると、人形の下絵をその上において、針で輪郭をたどり、素描きができたところで、下絵をとり去って、小刀でさらに針のあとをなぞる。素描きは、これでいっそうはっきりしたものになり、小刀で輪郭の線を切っていくと、人形のかたちが切りとられる。

 つぎには、ノミで、目、口、鼻、耳、頭髪、冠から、衣裳の細かい部分を彫っていき、その入念な細工が終ったところで彩色し、金箔をつける。

 腕と手は別に作られ、肩と肘と手首の三ヶ所を骨の釘や皮ひもでとめて、自由に関節が動くようにする。
それを動かすためには、手首のところに水牛の角や竹でつくった小さな棒をつけ、その棒によって操作する。

 一方、人形のからだを支えるために、水牛の角または竹でつくった心棒が、頭や冠の先から足にかけて、まがりくねりながら縦に通され、その下端にはさらに伸びて、人形つかいの握る胴ぐしとなっている。

 ワヤン・プルワの人形は一組百数十個から成り、それらがランプの光で白い幕の上に投影されると、その映像には、人形の薄い皮にいろどられた色彩がほのかに浮かび出し、夢幻的な効果をいっそう高めることになる。》(「ジャワの影絵芝居」光吉夏弥)

具体的な上演の様子はネット上にいろいろ出ているので参照のほどを。例えば下記ブログ。

西岡美緒によるジャワ舞踊・ガムランのブログ


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by sumus2013 | 2016-01-02 10:00 | 雲遅空想美術館 | Comments(0)

春やけさ

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  春やけさ立もまとハぬ薄霞  資富



恭賀新春……ということでこの「元旦」短冊を[御教示により読みを変えました]。本年もどうぞよろしく。ところで資富とは誰なのか?

《戸田 資富(とだ すけとみ、生没年不詳)は、江戸時代幕末期の近江膳所藩第9代筆頭家老。膳所藩第8代筆頭家老・戸田資能の子。》(Weblio辞書)

この御方かどうか定かではないが、かなりな能筆であろう。

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by sumus2013 | 2016-01-01 09:21 | 古書日録 | Comments(4)