林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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やっぱり、本 展示7

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いよいよ明日最終日です。撤収の都合上、オープンは午後五時までですので、ご注意ください。まだいい本、残ってます。


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by sumus2013 | 2015-07-21 20:45 | 画家=林哲夫 | Comments(0)

リブロ池袋店閉店

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《昨夜の9時でリブロ池袋店が閉店になりました。地下のロビー、通路を、本当にたくさんの人たちが埋め尽くしていて、長い長い拍手が続きました。》

というメールを頂戴した。リブロ池袋店では本屋さんでお散歩「sumus」が選ぶ秋の文庫・新書100冊フェアー〉を二〇〇二年一〇月に開催してもらい、その記念冊子も刊行された。この冊子が大変よく出来ており、今となっては貴重な資料。感謝のほかない。それにしても次々と書店が姿を消す。なんともやるせない。

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by sumus2013 | 2015-07-21 16:16 | 古書日録 | Comments(2)

サド復活

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澁澤龍彦『サド復活』(弘文堂、一九五九年九月一五日、装幀・飾画=加納光於)。現代芸術論叢書の一冊。弘文堂時代の小野二郎の仕事である。小野は昭和三十五年三月末に弘文堂を離れ、晶文社での活躍を始める。本書の巻末には同叢書の既刊として飯島耕一『悪魔祓いの芸術論』、江原順『見者の美学』、小川和夫『ニュー・クリティシズム』、篠田一士『邯鄲にて』、本書、江原順『私のダダ』が上がっている。

本書は澁澤の論集であるが、同時に加納光於の作品集のようにもなっているのが特徴的だ。巻頭の口絵や挿絵はほとんどが加納作品である。数えてみるとカバーの図も含めて二十一点にもなる。

《装幀および挿絵の仕事をお願いした加納光於氏とは、銀座の画廊で名乗り合ってから相識った。にこにこ笑いながら「ビュッフェは通俗的で、きらいです」などと、はっきり言うひとである。銅版画の領域で他の追随を許さぬ繊細なメチエを示す氏は、同時にサドのよき理解者でもあった。この上ない協力者を得たことを嬉しく思う。》(あとがき)

加納が瀧口修造の推薦によりタケミヤ画廊で初個展を開いたのが一九五六年(二十三歳)だそうだから、澁澤による発見もデビューからそう遠からぬものである。むろん澁澤も三十歳そこそこ『サド復活』は訳書『悪徳の栄え』(現代思潮社、一九五九年)を補完する意味だったのだろう。ところが後者が一九六一年に猥褻文書として起訴され、結果としてその名を広く知られることになった。

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たしか、澁澤はオリジナリティというものを信じないと発言をしていたように思う。その言葉通り、本書はまさに引用の織物(いやコラージュと言った方がいいかもしれない)なのだ。例えば次のような短い一節にも二重に引用がちりばめられている。

《「真の文明は決してガスの中にも蒸気の中にも在るものではない。真の文明は実に原罪の痕跡の滅却にある」というボオドレエルの寸言は、「合理的なものはすべて現実的である」というヘーゲルの有名な命題の、その観念論的傲慢への不信であり、嘲笑であって、おそらく作家の表面の意識を裏切って、自由と必然の一致する王国を歴史の究極の未来に夢みたことの結果であろう。だからこそ「進歩を当てにするのは怠け者の学説である」という言葉が、ボオドレエル個人の異様な真実をもって迫るのである。
 フロイトの発見したものに革命的な意義を認めたアンドレ・ブルトンは、一九三五年にこう書いた、「夢みなければならない、とレーニンは言った。行動しなければならない、とゲーテは言った。この対立の弁証法的解決をこころざす以外、シュルレアリスムはいかなることにもその努力を向けないだろう。来るべき詩人は、行動と夢との回復しがたい離反があらわす衰弱した観念を克服するであろう……」》(文明否定から新しき神話へ)

澁澤晩年のやや紋切り型のフレーズを多用して書かれた回顧的エッセイを愛読するものとしては少々ヘキエキしないでもない、ただし、コラージュもオリジナリティを持つわけだから、矛盾するようだが、引用の巧みさそのものも独自の表現に成り得るに違いない。それにしても、この過剰さは、こういう時代であり、またそういう年齢であったのだろうと思ったりする。


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by sumus2013 | 2015-07-20 20:56 | 古書日録 | Comments(0)

箱の中のユートピア

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デボラ・ソロモン『ジョゼフ・コーネル 箱の中のユートピア』(訳=林寿美、太田泰人、近藤学、白水社、二〇一一年二月一四日、装丁=三木俊一)を読み出した。

「ジョゼフ・コーネル展」図録

実はこのコーネルの伝記、初めてメリーゴーランド京都で個展をさせてもらったとき、同書店の棚に挿してあった。買おうか買うまいか、かなり迷った末に買わなかった本なのである。その本と同じ本かどうか知らないが、四年ぶりにやっと買う決心がついたというわけだ。

コーネルの行動をいちいち精神分析的に解釈する記述が鼻につくのを我慢すれば、まずは、読みやすく書かれている。翻訳も悪くない。十八歳のコーネルはマンハッタンで布地のセールスマンとなった。

《コーネルにとって慰めだったのは、マンハッタンに来られることだった。後年、彼は、一九二〇年代を懐かしさをこめて回想している。そのもっとも大きな理由は「この巨大都市の沸きたつような暮らし」の中に投げ込まれたことである。コーネルは熱心に町を歩き回った。どこへでも歩いて出かけ、人々や鳩、建物の窓に映る影、各所に立ち上がってくる高層建築、ここに最初に住み着いたオランダからの入植者たちが住んでいた何世紀も前の煉瓦造りの家並など、目に留るすべてを熱心に見つめた。》

《またマンハッタン南端部はまったくの別世界だった。たいていの芸術家はグリニッチ・ヴィレッジのカフェやキャバレーに惹かれたが、コーネルはもっと静かなその近隣の場所に関心を持った。彼は四番街近辺の古本屋を覗いてみるのが大好きだった。それらはアスター・プレイスからユニオン・スクエアの間に拡がり、町で一番長い書店街を形成していた。歩道には屋外用の陳列箱を出して、まるでパリの古書店にも匹敵するニューヨーク版の古本屋街であった。コーネルにとってはセーヌ河畔を歩くのと変らない喜びを与えてくれるものだった。古書店の店内はいつもほの暗く、狭い通路と傾いた床に本が溢れ返っていた。ビブリオ・タネン、シュルテス、アバディーン、グリーン・ブックスなどがそれら書店の名だった。木製の机の向こうにはスツールに腰掛けたふくろうのような店主がいつも待ち構えていたが、コーネルは誰かに話しかける必用はなかった。彼はだまって書物の山を掻き回し、遠い昔、はるかな国からやってきた絵葉書や版画を満載した陳列箱を漁った。常連になった古本屋のひとつに演劇関係を専門にするサイン・オブ・ザ・スパロー書店があった。あるときコーネルはこのカビ臭い本屋のことを「汲めども尽きせぬ快楽に溢れた隠れ家のような聖地」と評していた。彼が大切そうに古本をかかえてベイサイドに帰宅した晩は数限りない、外套は埃によごれていた。》

《カビ臭い》とか埃によごれていたといった表現は著者のデボラが古本好きではないことを示している。そんなことでコーネルの何が解るのだろうか、少々心もとないが、他人が書くのだから限界があって当然と納得するしかない。メリーゴーランドの来客の途切れた時間に読み進め、ようやく三分の一ほど、アメリカ人のシュルレアリストとしてパリで作品が紹介されたところまできた。読み終わるまではまだしばらくかかりそう。

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by sumus2013 | 2015-07-19 20:28 | おすすめ本棚 | Comments(2)

やっぱり、本 展示6

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上は油彩画「岩波文庫」と水彩画「ロシニョル書店」、そしてコラージュ(つり下げタイプ)の壁、下は葉書大コラージュ、水彩、スケッチ、読む人スケッチなど。

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by sumus2013 | 2015-07-19 08:52 | 画家=林哲夫 | Comments(0)

鴨川増水

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颱風で増水した鴨川。メリーゴーランド京都へ向かう前に何必館の「ウイリー・ロニス展」を見ておこうと思い、四条大橋まで来て見ると、御覧のような有様だった。昨日はもっと水位が高かったというからかなり危険だったようだ。


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ブレッソン、ドアノーらとともにパリをとらえた写真で一時代を築いた。やや型通りの感じはするものの、工夫を凝らした手堅い手法は安心して見られる。

Masters of Photography
Willy Ronis

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by sumus2013 | 2015-07-18 20:51 | 雲遅空想美術館 | Comments(0)

ギャラリー・アートブックチェアー

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ギャラリー・アートブックチェアー コレクション展
8月1日〜9日

アート四季


ギャラリー・アートブックチェアー


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by sumus2013 | 2015-07-18 08:47 | もよおしいろいろ | Comments(2)

やっぱり、本 展示5

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荻原魚雷『古本暮らし』(晶文社、二〇〇七年)の表紙に使ってもらった原画。装幀は間村俊一。たしか新潟絵屋で初めて個展をさせてもらったときに展示しただけで、その後はずっとわが家の居間にかかっていた。今回、この絵がいちばん好きですと言ってくださる方が多いので驚いている。

古本暮らし



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by sumus2013 | 2015-07-18 08:38 | 画家=林哲夫 | Comments(0)

ひと月限りの〈ぽえむ・ぱろうる〉最後の一週間

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石神井書林さん、「ひと月限りの〈ぽえむ・ぱろうる〉」最後の一週間、こんな展示をはじめたという。

《硝子ケースの第一書房の本、その他。若干の註

第一書房は1920年代の出版界に登場し、30年代を駆けた伝説的な出版社です。堀口大学の『月下の一群』をはじめ、三好達治や丸山薫らの第一詩集もここから出ました。でも、並べたものは代表的な作品ではありません。特に珍しいわけでもありません。それでも、第一書房の本は、それが普通の本であっても美しい。書物は紙の器だと、気恥ずかしいことも真顔で言ってみたくて、これを作りました。》

二十日閉店まであと三日、第一書房の普通の本、その普通でないところを眺めてみたい……


リブロ池袋本店レポート

ひと月すこしのぽえむぱろうる

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by sumus2013 | 2015-07-17 10:51 | もよおしいろいろ | Comments(4)

やっぱり、本 展示4

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個人的に六十年間生きて来られた記念としてこの「やっぱり、本」展には回顧的な意味ももたせたかった。「たける」は一昨年のギャリー島田にも出品したが、今回も初期の代表作として並べてみた。

下のコラージュは明治末期の教科書の挿絵(木口木版)を組み合わせたもの。地理と理科の教科書より。

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by sumus2013 | 2015-07-16 18:13 | 画家=林哲夫 | Comments(0)