林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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カテゴリ:もよおしいろいろ( 107 )

もよおしいろいろ

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タダジュン Dear, THUMB BOOK PRESS

 京都原画展
2017年7月14日〜7月31日
恵文社一乗寺店
http://www.keibunsha-store.com

東京原画展
2017年7月25日〜8月13日
本とコーヒー tegamisha
http://tegamisha.com/shop





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『ジュルレアリスムと抒情による蜂起』
新刊出版記念トークイベント

ダダ・シュルレアリスムとアナーキズム
アニー・ル・ブラン来日講演を読み解く
塚原史 & 松本完治
2017年7月15日

詩人アンドレ・ブルトン
前之園望 & 松本完治
2017年8月予定

LIBRAIRIE6
http://www.librairie6.com

エディション・イレーヌ
http://www.editions-irene.com



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『百窓の半分 ジョセフ・コーネルへのオマージュ』展

2017年7月15日〜7月23日

ギャラリーAO
https://www.yelp.co.jp/biz/ギャラリーao-神戸市




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M!DOR!
collage exhibition
「Photographie d'instants gelés」

2017年7月20日〜7月27日

FESTINA LENTE
http://zakka.30min.jp/place/2460340




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野坂昭如戦争童話詩集原画展

2017年7月16日〜9月10日

黒田征太郎 KAKIBA 描場
http://big-step.co.jp/shop/detail/61/






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太田徹也のデザイン
「書籍前夜」展

2017年7月13日〜7月27日

Gallery 5610
http://www.deska.jp




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追悼!「長友啓典」特別展

2017年7月28日・29日

ギンザ・グラフィック・ギャラリー
http://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/




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梶井基次郎檸檬装丁展

2017年8月4日〜9日

OPA gallery
http://www.opagallery.sakura.ne.jp






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by sumus2013 | 2017-07-13 15:26 | もよおしいろいろ | Comments(10)

ビアズリー展vol.8「サロメ」

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みつづみ書房(http://www.mitsuzumi-shobo.com)さんで「オーブリー・ビアズリー展vol.8「サロメ」」のギャラリ・トークに参加した。ビアズリー・コレクター明石友貴氏のコレクションを手にとって拝見しながらお話をうかがうというたいへん貴重なひとときだった。今回は原田マハ『サロメ』(文藝春秋、二〇一七年)に登場するサロメ、ビアズリーの関連本を順次からめながらのトーク。

ビアズリーには昔ほど魅かれなくなったが、一時は好きだった。その頃のことを思い出しながら、ワイルドとの関係やボドリー・ヘッドという出版社についての話をうかがった。参加者がそう多くなかったため途中から皆が勝手に質問を挿むという雑談形式になってしまって、それはそれで楽しく、コレクションの苦労話なども含めて有意義だった。ビアズリー本を集めたくなった。もちろん和モノ。明治終り頃からかなり出版されているらしいし、明石氏はビアズリーとかサロメというキーワードが印刷されているだけでも蒐集の対象にしておられるとのこと。脱帽。ビアズリー展示は5月19日まで。


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みつづみ書房さんへおじゃまする前に柿衞文庫で碧梧桐展を見た。これもよかったが、それについては明日。


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by sumus2013 | 2017-05-13 20:40 | もよおしいろいろ | Comments(0)

林哲夫、装釘家花森安治を語る

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挨拶する堀部氏(撮影:manrayist氏)

トークの様子はこちらから
http://d.hatena.ne.jp/manrayist/20170505


無事終了しました。

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林哲夫、装釘家花森安治を語る
『花森安治装釘集成』刊行記念スペシャルトークイベント

2017年5月5日(金)19時〜
会場:誠光社
定員:30名さま
参加費:1500円+1ドリンクオーダー

ご予約 誠光社

京都でも花森について語る場を提供していただきました。
花森装釘本(古書)などの販売も予定されているようですので
ぜひお運びください。


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by sumus2013 | 2017-05-05 08:38 | もよおしいろいろ | Comments(2)

岡崎武志 還暦記念トーク&ライブ


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「岡崎武志 還暦記念トーク&ライブ」無事終了しました。ご来場くださったみなさまに感謝です。ひさびさにスムース的に楽しい時間を過ごしました。上は配布物「知らない岡崎武志を捜したり読んだり」(古書音羽館)と「岡崎武志と60年」パンフ。これらは5月6日の第98回西荻ブックマーク山本善行presents 岡崎武志還暦記念トーク&ライブ「風来坊ふたたび」東京篇」でも配布されますので、入手希望の方はぜひご参加を!

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記念パンフを折る岡・山コンビ


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本堂脇での一箱古本市(すごい本ありました!)


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世田谷ピンポンズ


************



明日3日の還暦記念トークについて岡崎氏からの進行についてのメールを引用しておく。

最初、この会の趣旨と、林さん、山本の還暦の会について触れ、各人の近況と、ぼくへのお祝いのことばなど述べてもらいましょう。これで20~30分。続いてアンケートを見ながら1時間。世田谷ピンポンズくんの歌が20分くらいあって、最後にプレゼント大会が15~20分ぐらいでしょうか。

アンケート、これが面白い。各人それぞれ。妙なところが共通していたりして。プレゼントは楽しみだな(わたしはもらえませんけど、というか何にしようかな)。あと一箱古本、小生は還暦を記念する意味で60円均一の箱にしました! いい本ありますよ(笑)ご来場お待ちしております。目下のところ空席あり。当日予約なしでも大丈夫です。

開演は午後4時(16:00)です

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「岡崎武志と60年」冊子(りいぶる・とふん)
来場者に配布します!
(一箱古本市もありますよ)

岡崎武志還暦記念トーク&ライブ「風来坊 ふたたび」

いいじゃないか
笑うなよ 木よ風よ石よ
そして友よ

日時:5月3日(水・祝)
15:00開場 16:00開演(18:00終演)

場所:徳正寺
〒600-8051京都府京都市下京区富小路通り四条下る徳正寺町39

出演:岡崎武志(60) 山本善行(60) 林哲夫(61) 扉野良人(45) 荻原魚雷(48)
特別ゲスト:世田谷ピンポンズ

入場料:2,000円(おみやげ付き)
定員:70名(予約の方優先)

ご予約はメリーゴーランド京都まで


*会場では同人の新刊・旧刊著書もとりそろえます。

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by sumus2013 | 2017-05-02 22:04 | もよおしいろいろ | Comments(2)

ぽかんのつどい

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「ぽかんのつどい」楽しい時間だった。会場は四十から五十人ほどの入りでほぼ満席。山田稔さんの記憶明瞭な語り口が会場を驚かせ、忌憚のない率直な意見が笑いを誘うことしばしば。お人柄と言うしかない。能邨さんのテキパキとした司会進行が冴えていた。一時間二十分ほど。録音されていたようなので、詳しい内容はおそらく文字化されると思う(断定はしませんが)。深沢七郎からどら焼きを二十個おみやげにもらった話はウケた。久し振りにお会いする方も多かったので出かけて良かった。上はトークショー終了後の記念撮影が終わったところをパチリ。手前の横顔が編集工房ノア社主である。所用あって二次会を失礼したのが心残りである。


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ぽかんのつどい
2017年4月15日 11時〜17時

『ぽかん』最新6号の刊行を記念したイベントを行います。
◇トークショー「公開「ぽかん」おしゃべり会」
 山田稔
 真治彩・扉野良人・能邨陽子(恵文社)

恵文社一乗寺店/COTTAGE

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by sumus2013 | 2017-04-15 08:23 | もよおしいろいろ | Comments(0)

東京・目黒・花森トーク

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4月2日(日) 14時30分開演
参加費 おひとり1500円
Slowマルシェ
住所:〒152-0034 
東京都目黒区緑が丘1-14-7 1F
スタジオLamomo
https://www.slow.gifts

本と余白・遊暮舎さんの企画により東京目黒(最寄駅は緑が丘より徒歩5分、自由が丘駅より徒歩20分 ※東急大井町線「緑が丘」駅改札出て右側線路下を過ぎ、すぐ左折して商店街約350m直進→正面郵便局のある交差点を右折しすぐ左手、ファミリーマートの隣、マンション一階のスタジオ)のSlowマルシェさんで『花森安治装釘集成』についてのトークをさせてもらいます。

当日は新発見の花森装幀原画およびカットの何点かを間近でご覧頂けます(画像では全点お見せします)。ふるってご参加ください。

***

「杉山平ーと花森安治」展
──詩人探偵と「暮しの手帖」探偵(第7回帝塚山学院文化フォーラム)
:2017年3月22日(水)~3月31日(金)11:00~16:00

:帝塚山学院同窓生顕彰記念ホール(住吉キャンパス)
https://twitter.com/cogito1961/status/842003534367363072

***

無事終了いたしました。
遊暮舎さま、そして
ご来場くださった皆様に御礼申し上げます。

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by sumus2013 | 2017-04-06 20:17 | もよおしいろいろ | Comments(2)

野田宇太郎

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『開館10周年記念 野田宇太郎 散歩の愉しみーー〈パンの会〉から文学散歩まで』図録(町田市民文学館、二〇一七年一月二一日、表紙=北谷しげひさ画「野田宇太郎肖像」)。これもまた頂き物。深謝のほかない。

もちろん角川文庫の『新東京文学散歩』や雑誌『文学散歩』は知っていたが、その他の著作や事蹟についてはほとんど無知だった。本書はたいへん分りやすい「野田宇太郎」の人物見取り図になっている。略歴から小生の興味を引く事柄だけを引き写しておく。

明治四十二年(一九〇九)十月二十八日、福岡県生まれ。昭和四年に第一早稲田高等学院英文科に入学するも病のため学業を断念。帰郷して療養生活に入る。丸山豊らと同人誌を発行し、詩集を次々に刊行。久留米市役所に職を得たが、昭和十五年、小山久二郎に見込まれて小山書店に入社、編集者としての人生を始める。下村湖人『次郎物語』を企画してベストセラーを生む。昭和十八年、第一書房へ入社。雑誌『新文化』を編集。昭和十九年、河出書房へ入社。堀口大學訳『闘ふ操縦士』を担当、雑誌『文藝』の責任編集者となる。木下杢太郎を知る。昭和二十一年、東京出版に入社。出版編集の責任者となる。『芸林閒歩』創刊。二十二年退社。詩作と近代文学研究の生活に入る。二十五年「文学散歩」を開始。二十七年、著書『新東京文学散歩』(増訂版、角川文庫)がベストセラーとなる。二十九年十月、第二次『芸林閒歩』創刊(〜三十年三月)。三十六年『文学散歩』創刊(〜四十一年)。三十七年、日本近代文学館の設立発起人。名著複刻に尽力。博物館明治村の設立に携わる。文学者の旧居移築に尽力。四十四年、文芸誌『人間連邦』創刊。四十五年『明治村通信』の編集を担当。四十八年『方寸』復刻。昭和五十九年七月二十日心筋梗塞のため死去。享年七十四。

派手さはないかもしれないが(そこそこ派手か)、いくつもベストセラーを手がけ「文学散歩」という概念を打ち立てたことは編集者として著述家としての非凡さを証明していよう。谷中安規や谷口吉郎と親しかったというのだからその美術に対するすぐれた趣味を想像するに足る。巻頭に山田俊幸氏が「野田宇太郎・詩人散歩者の思考」で以下のようなエピソードを披露しているのもなるほどと頷ける。

戦争末期から戦後にかけての河出書房。そこでの野田の編集者としての姿勢もぶれない。戦時中に野田は、三島由紀夫の原稿売り込みに出会っている。三島由紀夫は詩人を自認していた。だが、詩人野田の感性とは合わなかった。売り込みは編集者として容認するが、その不愉快さは物書きとしての三島由紀夫を否定する。野田はその時期に河出書房の雑誌の協力者でもあった川端康成に三島を紹介し、以後、交流を絶つ。三島は川端の推薦で有名作家になっていく。

これが「見識」というものであろう。

本書に資生堂パーラーの挿絵(織田一麿)を見つけた。『新東京文学散歩』の挿絵のひとつだが、これは見逃していた。【喫茶店の時代】

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by sumus2013 | 2017-03-25 20:53 | もよおしいろいろ | Comments(2)

花森安治装釘集成発刊記念トークイベント

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2017年2月26日(日曜日)
14時〜16時

古書 みつづみ書房

古書 みつづみ書房Facebook

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by sumus2013 | 2017-02-21 19:57 | もよおしいろいろ | Comments(0)

瀧口修造とマルセル・デュシャン

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瀧口修造『幻想画家論』(せりか書房、一九七二年六月三〇日、装幀=瀧口修造)の表紙。

土曜日に土渕信彦氏によるギャラリートーク「瀧口修造とマルセル・デュシャン」を拝聴した。先週と重なるところもあったにせよ二時間びっしりと瀧口修造とデュシャンの関係を軸に瀧口の生き方に対する土渕氏の解釈をうかがうことができた収穫は大きい。

瀧口は若い頃には写真館を開こうと考えたこともあった。結局、開かずにPCLへ入社する(写真ではなく映画の世界に入ったわけである)。体が弱かったので映画の仕事は長続きしなかった(それでも四年ほど)。そして次第にシュルレアリスム紹介者としての道を辿るようになった。先週も述べたように評論家を止めてアーティストになった時期には、今度はオブジェの店を開こうと夢想した。デュシャンから「ローズ・セラヴィ Rose Sélavy」というペンネームを使わせてもらう許可を得て、看板にするためその筆蹟を送ってもらい、それを実際に金属板に象って、書斎に掛けた。むろん店の方は実現しなかったのだが、瀧口が詩人や評論家である前に、そしてそこから引退した後に「店」というシステムによって社会にコミットしようという希望を抱いていた、これは非常に重要だと思う。

土渕氏はシュルレアリスムの政治性は認めない立場である。ただ、先週の瀧口の講演で瀧口自身が語った言葉に従えば「当たり前のことができなかった時代」(戦時中、左傾したシュルレアリスムの理論家という誤解により特高に拘束された)があったのである。どんな存在であれ政治から離れていられないということは瀧口自身が痛感していた現実ではないだろうか。そして晩年の瀧口にとってオブジェの店を開くことこそがそんな「社会」にあって「当たり前のこと」として「芸術」(反芸術という意味においても)を通用させるひとつの解決方法だったのではなかろうか。

デュシャンと瀧口が相対したのは一九五八年。瀧口がスペインのポルト・リガトにあったダリの自宅を訪問したとき、たまたまデュシャンが来合わせてダリに紹介された。その一度だけだったという(私事ながら一九八〇年にはダリ美術館になっていた旧ダリ邸を訪れたことがある。冬場だったせいか、あの海辺の村の貧寒な感じが忘れられない)。その後は文通によってやり取りしていたのだが、上記のように二人の信頼はかなり厚かったようである。

一九六八年にデュシャンが急逝した。瀧口はその回顧展(一九七三)に招かれた。初め渡米はすまいと思ったが、考えを翻し、一人で出かけて行った(東野芳明らが偶然をよそおって同じ飛行機に乗り込んでエスコートしたという)。回顧展会場で瀧口をもっとも親しく迎えたのはデュシャン未亡人のティニーであった。ほぼ付きっきりだったのだそうだ。無知な観客の一人がずっと未亡人のとなりにいる男性が「デュシャンなのか?」と東野に尋ねたという(回顧展で主人公がウロウロしているはずもないのだが)。近くにいてその言葉を小耳にはさんだジョン・ケージが「そう言われれば、似ているな」と瀧口の顔を見て納得していたのだとか(東野の回想による)。

『本の手帖』特集滝口修造(昭森社、一九六九年八月三〇日)に池田満寿夫がこんな文章を書いている。

《芸術に於ける個人的な関係、それは批評を通り越した愛の関係に似ている。滝口修造とデュシャン語録の関係はまさにそれにふさわしかつた。このたぐいまれなる両者の結合は滝口修造によつてのみ可能だつたと云えよう。

デュシャンの歿後、瀧口は「急速な鎮魂曲」という追悼文を『美術手帖』に寄せた。それについて池田はこう述べている。

《私はこの追悼文の中に滝口修造の最も完ぺきな、これ以上望むことの出来ないスタイルと詩人のみが持ち得る言葉と観念と遊戯との驚くべき緊張を見た。

 マルセル・デュシャンの微笑。ときに苦笑。ときに冷笑。ときに爆笑。
 私は彼の怒った顔を想像することが出来ない。何かの間違いであろう。
                       ーー急速な鎮魂曲よりーー

 私は右の一節が特に好きだ。》

そして池田は『デュシャン語録』がデュシャンの死までに完成しなかったことがデュシャンにとっても瀧口にとっても不運だったが、二人はこの不幸をおこらなかった、とし、こう結んでいる。

《人生のいつさいが、すさまじい冗談である人生、うたがいもなく厳粛で、まじめな冗談。滝口修造はそれを見つめることにいつさいを賭けてしまつた詩人だ。

結論はよく意味が分らない。そもそも瀧口はそのときすでに詩人ではなかった(たぶんデュシャンと同じ仲間だった)。けれども前段の《愛の関係に似ている》というのはまさにその通りではなかろうか。デュシャンの訃報をティニー夫人から受け取ったのが一九六八年十月二日。翌年二月三日未明、瀧口は脳血栓で倒れ、一時半身麻痺に陥って入院する。二週間ほどで退院できたが、デュシャンを失った痛手がいかに大きかったか、分るような気がするのである。

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デュシャン語録』(これらが緑のボックスに入っている)

ozasa kyoto に展示されているデュシャン語録』は土渕氏が瀧口修造のコレクションへのめりこむ、そもそものスタート地点だったそうだ。池袋の西武美術館で荒川修作展を見た後、その入口にあったアール・ヴィヴァンでそのデュシャン語録』に出会ってしまい、大枚をはたいて購入した。そして何と、それはマン・レイ旧蔵のものだった。ということがごく最近判明したのだそうだ。瀧口が予めデュシャンに著者本の献呈先について問い合わせた手紙が残っていた。デュシャンがこれで問題ないと一筆したためて送り返して来たのである。そのリストの第六番目がマン・レイで、土渕コレクションに入った作品であったという。

西武美術館にあったアール・ヴィヴァンは懐かしい。洋書の画集を立ち読みさせてもらったものだった。


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by sumus2013 | 2017-02-05 21:31 | もよおしいろいろ | Comments(0)

美というもの

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『太陽』No.382「瀧口修造のミクロコスモス」(1993)より


土渕信彦氏によるギャラリートーク「瀧口修造講演「美というもの」」に参加した。目玉は瀧口修造が一九六二年一〇月八日に富山高等学校講堂で行った講演「美というもの」の音源公開。加えて土渕氏による瀧口の小伝およびその講演の経緯などについての解説があった。

一九五八年、欧州旅行から戻った頃から瀧口は執筆活動を止め作品制作に専念するようになっていた。元来がアーティスト志望だったようなところもあり、六十を前にして自分がもっともやりたいことをやる、というふうに人生を変えたかのようだ。一九七九年に歿するまでおよそ二十年間、作品制作やオブジェの蒐集などに熱中したと言っていいだろう。

富山高等学校は母校(旧制富山県立富山中学校)である。そのころ講演はすべて断っていたにもかかわらず、これは引き受けた(同日、富山市で行われた全国造型教育連盟でも講演している)。四十年ぶりの母校訪問ということに大きな意味があったらしい。その後暫くしてかの自筆年譜をしたためたのだという。

講演の内容も青春時代を語る半自伝のようなものであった。話し振りがすこぶる自然で、講演に慣れない感じが出ていたが、その人柄の素晴らしさも同時に感じさせるものだった。高校生を前にしてということもあるのだろう。非常に分りやすい口調で「美というもの」などという大げさな題名をつけたが、それはどんな小さなものでもいい、自分が気持ちを動かされたものが美につながるというようなことを話した。ただ、それも最後の方にごく短い時間それに触れたたけで、けっして押し付けがましいものではなく、先輩として進路を摸索する時期にある後輩たちに送る言葉、というようなかっこうであった。

途中で、自分の詩集についてごく軽く触れ、本にするため自作詩の切抜きなどを渡した「若い本屋さんがそれを失くしてしまって」実現しなかった、と。若い本屋さん、すなわちボン書店の鳥羽茂である。肉声を聞いて改めて瀧口ファンになったしだい。

次の土曜日にも土渕氏によるギャラリートーク「瀧口修造とマルセル・デュシャン」が予定されているので、ご興味のある方はぜひ。


マルセル・デュシャン生誕130年記念「瀧口修造・岡崎和郎二人展」
2017年1月7日(土)~2月12日(日)

ART OFFICE OZASA INC.
ozasa_kyoto
http://www.ozasahayashi.com

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by sumus2013 | 2017-01-28 20:18 | もよおしいろいろ | Comments(0)