林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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カテゴリ:古書日録( 791 )

Livre de chasse

恭賀新春

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お犬さまの年ということで『LE LIVRE DE CHASSE DE GASTON PHÉBUS ガストン・フェビュによる狩猟の本』(Bibliothèque de l'Image, 2002)から十四世紀フランスの猟犬を引用してみた。図版の底本はフランス国立図書館蔵。

これは実に興味深い書物である。フォワ(Foix)の領主ガストン・ド・フォワ(Gaston de Foix 1331-1391)通称フェビュ(Phébus)が一三八七年から八九年にかけて口述し、ブルゴーニュ公爵フィリップ・ル・アルディ(Philippe le Hardi)に献呈したものである。原本は失われているが、主に十五世紀から十六世紀にコピーされた四十四種の写本が現存している。

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そのなかで最も優れたものがランス国立図書館に所蔵の一本。ルイ十四世の私生児で狩猟頭であったトゥールーズ伯爵の図書室にあったものが、オルレアン家に移り、オルレアン公ルイ・フィリップ(フランス王、在位1830-48)は狩猟家ではなかったにもかかわらず、とくにこの本を気に入っていた。しかし一八四八年の革命によって第二共和政が成立するとともに国立図書館の所蔵するところとなった。これらの絵を描いたのは、様式批判によって、パリにあった三つアトリエではないかと推定されているそうだ。

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内容は十四世紀における狩猟のさまざまな局面をなかなか細やかに描き出しており、見ているだけで楽しいし、人間のやることは六百年以上経っても、そうは変わらないのだなとも思ってしまう。動物よりもやや雑ながら、植物の描写にも注目したい。

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*****


近所の神社へ初詣に出かけた、ついでに(どちらがついでだか分からないですが)近くのブへ。いいものありました。こいつは春から縁起がいいわい・・・というところです。それにしてもこのチラシ、ロトチェンコだなあ。

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by sumus2013 | 2018-01-01 10:48 | 古書日録 | Comments(0)

ウィリアム・モリス 全完本

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『ウィリアム・モリス ケルムスコット・プレス全本』(モリサワ、二〇〇一年四月一〇日、クリエイティブ・ディレクション=勝井三雄、デザイン=杉本浩)。モリサワ・コレクション、ケルムスコット・プレスが刊行した全五十三タイトルおよびモリス自筆の装飾文字・枠のデザイン原稿、バーン=ジョーンズのデッサン、が収録された手頃な小冊子である。

庄司浅水さんなどは『チョーサー著作集』(上の表紙に添えられているを世界で一番美しい本であろうと書いているが(「奇書と珍書」『世界の古本屋』アテネ文庫、一九五〇年)、小生は賛成しかねる。ただ、それはそれとして、モリスの正直さ、一途さ、が伝わってくる、言うなれば、人柄の現われた作品群だと思う。

偉大なる小芸術家、W. モリスの本展


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1. The Glittering Plain


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3. Blunt's Lyrics and Songs of Proteus


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5. The Defence of Guenevere


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7. The Golden Legend


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8. The Recuyell of the Historyes of Troye


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9. Mackail's Biblia Innocentium


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18. Gothic Architecture by William Morris


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27. The Wood beyond the World


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29. Shelley's Poems


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30. Psalmi Penitentiales


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34. The Life and Death of Jason


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53. A Note by William Morris


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ウィリアム・モリス自筆装飾頭文字デザイン




『花と葉』(一八九六年刊)

ロンドンのハマースミスにあるケルムスコット・ハウス


本年もお付き合い有り難うございました。良き新年をお迎えください。


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by sumus2013 | 2017-12-31 19:59 | 古書日録 | Comments(0)

日記

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串田孫一『日記』(実業之日本社、一九八二年七月三〇日)読了。

現在八十三冊目の帖面に日記を書いているが、ここに公表するのは第二十八冊と第二十九冊の前半に書かれたものである。それ以前の日記の大部分は自らの手で焼き、数冊は戦火を受けて焼失した。この「日記」の中で、二十七冊すべて、戦火によって焼失したようにも書かれているが、それは偽りである。従って残っている日記のうち最も古い部分である。》(後記)

串田孫一の小宇宙』によれば二〇〇五年、八十九歳で歿したとき、書いていた日記は124冊目であったという。二十八〜二十九冊目というのは、昭和十八年十月から二十一年九月までの丸三年にあたる。二十八になる少し前から三十一になる少し前まで。兵隊に取られることも考えつつ、空襲が激しくなるにつれて本の疎開に心を痛める、そして疎開先の山形での敗戦から東京三鷹に家が見つかるまでの成り行きが、知友からの来簡なども交えながら、公開されている。

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口絵は山形でのスケッチ


戦中と戦後の古本屋についてもあちらこちらで触れられていて、参考になるが、ここでは焼けた本について少しまとまった引用をしておく。昭和二十年四月の空襲で巣鴨にあった自宅が全焼してしまった。

《自分一人の生活範囲に柵を巡らして、心から焼けないでくれればと思ったのは、書物だけである。それは二度と入手が困難だとか、ただ勿体ないという気持からではなく、私が生活して行くためになくてはならないものになっていたからである。》

《家族と共に運ばれる僅かの荷物の中へ、三箇ばかりを函詰めにして入れることにした。その中へは自分の所有している本の中から極くほんの一部の約二百冊ばかりの、何處でどんな惨めな生活をするようになっても手放したくない古典と、長い間かかって折にふれては探し求めていた不思議な物語の類と、二十七冊までの日記と、書きためた原稿の類と、古典と共に置かねばならないわが師からの書簡と、若干の紙と、長年愛用して来た文房具の類とを入れたのである。》

《この函のものさえあれば、極く最小限に見積って数年間はやや生活らしいことが出来そうに思えたのである。それは木函に入れて釘を打っている時には、何となく棺の蓋をしているように思えて随分悲愴であり、何の為にこれら大切な書物が、函に詰められ、釘を打たれ、縄もかけられるのかと思った。それは生き埋めにしてしまうようなものだった。それが単なる私の夢想ではなく、庭の隅で灰と化しているのを見なければならないようなことになった。灰を丹念に片寄せて行くと、私の鉛筆によって書込んで置いた文字が灰の上に光って見えたりしたし、紙切りが見る影もない姿となって出て来たりした。私はその灰となった二百冊の本の書名を言ってみることも出来た。その他の書物も、家の到るところに取り散らかしてあったので、書物の真白い灰は焼跡の方々に重なり合って残っていた。そして一度雨に叩かれたその尊い灰は、もう殆んど舞い去ることもなく、じっとりと或る種の重みを持っていた。》


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渡邊一夫の葉書


この日記にもっとも頻繁に登場する人物は、家族を除けば(家族よりも多いかもしれないが)渡邊一夫である。渡邊の書簡や自筆葉書も紹介されており、戦中の渡邊について興味を持つ者にとっても有益な記述ばかりのように思う。他には、叔父の今村信吉、親友の戸板康二、そしてペリカン書房の品川力も頻繁に登場する。品川の配達する(郵送です)人ぶりがこの日記からでもよくうかがえる。焼いてしまったから、というばかりではないのだろうが、戦後の串田の本の買いっぷりはかなりのものだ。

著作も次々出版するようになる。品川の紹介で美篶書房の小尾俊人がパスカルの本を出して欲しいと言って寄越す。昭和二十年十一月十六日付小尾書簡。引用文中の旧漢字は改めた。

私は一昨年暮学徒出陣にて軍隊に入り、終戦後復員になつたのですが、在隊中のいろ〜〜の感想はつまるところわが国の文化をさらに高め、又理性的なものの考へ方を広く民衆の中に徹底しなければならないという結論を生みました、真理を愛し、美しいものに感じ、深いものに憧れる、さういふ心情はこの上もなく尊いことだと思ひます。

西欧日本の古典的な書物の刊行を主眼とし、又真理への愛をかきたてるやうな書物の発行を志し、新たに出版書店をつくりました。編輯は私の心の誠実と責任において、私が担任し、用紙等も準備しあり以後以前との関係において充分に補給することができるはづです。書店名は美篶[みすず]書房、事務所は今牛込においてあります。

品川は次のように小尾を紹介している。

私の知人で、もと羽田書店(出版)につとめてゐた若い小尾[オビ]俊人君がこんど独立して出版を初めるとのことで、クラシックなものばかり手がけたいとの話で、先づ最初あなたから「パスカル研究」を執筆して頂たいとのことです。

ところが、これは美篶書房からは出版されなかった。昭和二十一年五月五日付小尾書簡。

さて、「永遠の沈黙」の書物、これを私の友人の河平一郎氏の経営する新府書房(新たに創業、専ら良心的に仕事を志してゐる人です、近刊トルストイ「復活」など)で、是非こちらへ願へないかと申しておりますのですが、実はこの話は幾度もあり、自分がお願ひしたものだからと理由も述べたのですが、是非といふことのので、先生の方へお話し申上げますものです。事実そのまゝを申上げますと、美篶書房といたしましてはロマンロラン全集全七十巻を六月頃よりづつと継続刊行してゆかねばなりませんので、用紙と印刷方面に於て勢ひ他の企画が相当に違算を来してゐるやうな事態でございまして、もし当方でいたしますにせよ、刊行期日は一寸予定がつかぬ状況なのです

う〜ん、これはちょっと勝手な言い分かなとも思うが、ま、仕方ないか。ということで『永遠の沈黙 パスカル小論』は新府書房から同年六月に刊行されている。


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by sumus2013 | 2017-12-28 20:57 | 古書日録 | Comments(0)

美術 第十一巻第六号

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『美術』第十一巻第六号(東邦美術学院、一九三六年六月一日)。図版切り取りがかなりあるため、均一に出ていた。そうでなければ、戦前の美術雑誌なので、それなりのお値段である。

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ざっと図版を調べていて目が止まったのはこちら。靉光「ライオン」。靉光はこの年の独立展にこの「ライオン」(ともう一点、眠るライオン)を発表したが、その後二年間、ライオンの連作を続けた。そしてその試行錯誤が代表作「眼のある風景」(一九三八)へと繋がる。本誌には「私の出品作・独立展」というコーナーがあり、そこに靉光はこう書いている。

愚作で誠に申譯ない次第です。
 ライオンを材料に必ず一度は素敵な作を生む腹。

他にもいろいろ珍しい写真がある。下は独立展の受賞者および新会員の一部。上段右端が今西中通、その左が飯田操朗。下段左端の紅一点が三岸節子。ついでに言えば下段右から二番目は斎藤長三で、小生が武蔵野美術大学にいた頃(え〜と、この写真からおよそ四十年後です)の教授の一人。この左側につづく省略した写真に顔が出ているもう一人、中間册夫という先生もおられた。

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他には、佐分眞の追悼記事も貴重である。宮田重雄、伊藤廉、益田義信、伊原宇三郎、窪田照三が思い出を寄せている。かなり前に佐分の遺作集『素麗』(春鳥会、一九三六年)を架蔵していたのだが、生活苦に負けて売り払った苦い思い出がある……。

また、「消息」欄にこんな記事を見てオヤッと思う。

 野田英夫氏 東京市麻布區谷町四十一番地麻布アパート内へ轉

野田英夫は一九三四年に日本を訪れ(生まれはサンノゼ)、三七年に一度アメリカへ帰って壁画の仕事をするなどしてから、ヨーロッパを経て、再び来日している。

とにかく雑誌というのは細部が面白いです。


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by sumus2013 | 2017-12-27 20:43 | 古書日録 | Comments(0)

étude:07

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文月書林の古書目録『étude:07』(二〇一七年一二月二三日、デザイン=サトウタナカ)が届く。掌サイズ(148×105mm)のオシャレな目録。表紙別、本文8ページという小ぶりな内容ながら、本の並べ方は「おぬし、やるな」という感じである。巻頭は野田書房の「コルボオ叢書全12冊」……なるほど。値段のバランスもよく考えられている。取り急ぎ、一冊注文だ。

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同封の「おしらせ」によれば、年明け一月中に事務所営業を再開する予定だとか。ウェブサイトは現在工事中、近日リニューアル予定ということです。


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by sumus2013 | 2017-12-26 17:03 | 古書日録 | Comments(0)

日本シュルレアリスム画家論

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今年の買物のなかから拾遺を。まずは鶴岡善久『日本シュルレアリスム画家論』(沖積社、二〇〇六年七月五日、カバー絵=瀧口修造)。某書店の目録より。著者のオリジナル・デカルコマニー貼り込み本。もちろん署名入。

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《変ないい方だが、この無意識の所産であるデカルコマニーにも、デカルコマニーの人格、といったようなものが存在するように、ぼくには思えてならない。ドミンゲスから始まって現在までさまざまな人によって試みられたデカルコマニーを見て、ぼくはそこから画家の体質のようなものまで感じる。例えば野中ユリも一時期デカルコマニーに熱中した。野中ユリの黒のデカルコマニーはかなり求心的であった。画面の絵の具のずれやにじみが垂直的に見るものに迫ってきた。青い地に白線のデカルコマニーにおいても、白い線はたとえ横にひかれても、線そのものは垂直的であるように、ぼくには感じられた。あるいはあえて名はあげぬが、デカルコマニーに、「いやしさ」の感じられる現代作家もいる。さて瀧口修造のデカルコマニーは一貫して、創始者であるドミンゲスのデカルコマニーの質に近いようにぼくには思われる。

《瀧口修造のデカルコマニーを目の前にして坐っていると、他人のように、これらの断片がぼくの頭のなかをするりするりと通過していくーー》(手の通路ーー瀧口修造の「絵」)

ということで、鶴岡氏のデカルコマニーはどうだろう……

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by sumus2013 | 2017-12-23 20:32 | 古書日録 | Comments(0)

武庫川詣で

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小磯記念美術館で「生誕150年記念 藤島武二展」(感想は後日にでも。珍しい作品、書籍、絵葉書なども多数出品されていました)を見た帰途、武庫川で下車。久し振りの「街の草」詣で。

いつにもまして詩集や詩誌が目立っていた。まだ杉山平一旧蔵書の残部があるようだし、それ以外にも別の詩人のところから来た蔵書も混じっているそうだ。下の写真の『詩祭』(奈良で発行されていた詩誌)には「平一」の印があった。これらはごく一部、他にも奥に積み上げられている中に、かなりいい本が目に付いた。値段は街の草さんならではののんびりしたもの。ただ、今は詩の関係にはさほど熱中していないため、珍しいものもあるもんだ、と思って本を崩したり積んだり小一時間楽しませてもらっただけ。

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ただ、詩の関係ではないが、ちょっとエキサイティングな一冊を発見。いずれ近いうちに報告します。

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by sumus2013 | 2017-12-22 20:09 | 古書日録 | Comments(0)

レッテル便り


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少し前に頂戴していたレッテル葉書より。

《今までお届けした中ではおそらく最大のラベルでしょう。百円均一棚にあった、やはり音楽関係の古本に貼ってあり、このラベル目当てで購入しました(笑)。想像ですが、大判の楽譜の古本に貼るために、このサイズになったのでしょう。神保町の店舗にはほとんど入ったことはありません。
 
 待晨堂も、おそらく一度しか入ったことはないと思います。これまた他店の均一棚にあった一冊に貼られていたもの。》

古賀書店のレッテルサイズはタテ36ミリ、ヨコ30ミリ。たしかにかなりの大物である。図は竪琴をかなでる文芸の女神ムサイだろう。なお「待晨」は「見張りの者よ、今は夜の何ときか。『夜明けは近づいている。しかしまだ夜なのだ』」(旧約聖書「イザヤ書」21章9節)にちなむ言葉。


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待晨堂

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by sumus2013 | 2017-12-20 17:14 | 古書日録 | Comments(0)

薬物学

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「薬物学 全」と題された写本。本文冒頭に下のように記されている。

 薬物学 Pharmacologia, Materia medica
       医学士 更井久庸氏 口述
       生 徒 屋葺熊七氏 筆記

要するに講義録である。更井久庸で検索してみると、どうやら第三高等中学校医学部で行われた講義のようだ。

第三高等中学校医学部

1870年(明治3)に開設された岡山藩医学館が本学の始まりであるが、近代化を目指して国の教育制度の変遷によって、名称が目まぐるしく変わっている。医学館から医学所、医学教場を経て、次いで10年後の80年に岡山県医学校となり、前述のように88年(明治21)に国立学校として第三高等中学校医学部(三中医)が発足した。三中医が存在したのはあ、88年から94年(明治27)までの6年間で、その後は高等学校医学部、医学専門学校、医科大学、大学医学部と改称された。名称だけでなく学校と病院の場所も東山から弓之町などを経て、90年(明治23)に内山下に新しい三中医の校舎が、つづいて翌91年に新岡山県病院が完成した。現在の鹿田へ移ったのは1921年(大正10)である。

他にも、田宮ノートや村上ノートといった講義録が残っているようである。薄い和紙に書かれ、袋綴じ、背をクロス状のもので固めてある。120丁(240頁)。一頁はきっちり十二行。罫線紙を使っているところもあり、そちらは十三行。とにかく熱烈な勉強振りと言わざるを得ない。ただし読みづらい・・・

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巻末に近いところに《明治二十五年第七月……》と記入されている。屋葺熊七は『岡山医学会雑誌』Vol.7(一八九五)No.6に「癩病療法ニ就テ」を執筆していることだけは分かるが、目下それ以外にはとりたて情報はないもよう。

百万遍の均一和本の山のなかで見付けた一冊である。




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by sumus2013 | 2017-12-13 20:10 | 古書日録 | Comments(0)

今年の古本2017

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『20周年記念独立関西展画集』(一九五一年一一月二二日〜一二月九日、大阪美術館、表紙画=小出三郎)。本文は問題ないのだが、広告の頁が二枚(四頁)切り取られている。裏表紙に記名あり「中村善種」、独立展の会員である。切り取りは残念だが、均一に入れて置くには惜しい一冊だと思うのでありがたく買わせていただいた。

今年の漢字も発表されたことだし(?)、そろそろかと思って、今年買った古本のリストを点検をしてみた。近頃は絵や書を買うのが楽しくて、古本は以前ほど熱心に探求していない。それでも均一台を前にしたときのワクワク感は相変わらず。下記の十点の内『竹田全集』と『書彩』以外はすべて均一にて。驚くようなものはないにしても、個人的には、まずまずの収穫だと思っている。こういう本を出し続けてくれる古本屋さんたちに感謝である。来年もどうぞよろしく(まだ少し気が早いですが)。

『20周年記念独立関西展画集』一九五一

◉「瀧口修造展の絵葉書セット」南天子画廊、一九七九

◉DES DAMES ROMAINES, fata morgana, 1968
◉LES DERNIERES TRAVAUX DE GULLIVER, fata morgana, 1974

花田清輝『復興期の精神』我観社、一九四六

◉『田能村竹田全集』国文名著刊行会、一九三五、三版

◉『ふるほんやのざつし書彩』創刊号、百艸書屋内書彩発行所、一九四九
◉『ふるほんやのざつし書彩』第二号、百艸書屋内書彩発行所、一九四九

◉『冝園百家詩初編』巻四、五、六、七、八、須原屋他、天保十二(一八一四)

◉「薬物学」写本 更井久庸・口述 屋葺熊七・筆記、明治二十五頃(一八九二)



読んで面白かった本は多い。今年はよく読んだ方だ。受贈書もあれこれ素晴らしいものを頂戴した(そちらはカテゴリー「おすすめ本棚」でご覧下さい)。貰った本以外では、神田喜一郎『墨林閒話』(岩波書店、一九七八年三刷)、水上勉『古河力作の生涯』、デューラー『ネーデルラント旅日記』、小金井喜美子『森鷗外の系族』(大岡山書店、一九四三年)、ヘミングウェイ「移動祝祭日」(『ヘミングウェイ全集10』三笠書房、一九六六)、佐野眞一『旅する巨人』、澤柳大五郎『風花帖』(みすず書房、一九七五年)、小川洋子『博士の本棚』などが記憶に残る。

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by sumus2013 | 2017-12-12 20:48 | 古書日録 | Comments(0)