林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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カテゴリ:おととこゑ( 23 )

ある日の続き

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吉上恭太さんのセカンドアルバム「ある日の続き」(Shinobuphon Record, 2017)聴かせてもらった。ファーストの「On Shinobazu Book Street」(Shinobuphon Record, 2013)も久し振りに取り出して聴き較べてみた。ファーストはファーストでもあり、また東北震災後間もないこともあったのか、やや大人しいと言うか、サウダージどっぷりというのか、渋いボサノヴァ、ブルーズのトーンだった。セカンドの方はベースは変らないものの、もっとずっと肩の力が抜けて洒脱でありながら演奏の楽しさが伝わってくるアルバムになっていると感じた。バックバンドがいい(「かもつせん」が好きです)。アルバム廻りのデザインも秀逸。付録の小冊子、鶯じろ吉『ある日の続き』も洒落ている。

吉上恭太 - ぼくが生きるに必要なもの

セカンドアルバム完成のお知らせ

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by sumus2013 | 2017-08-21 19:58 | おととこゑ | Comments(0)

JAMES NEWTON WITH…

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「JAMES NEWTON WITH BILLY HART ANTHONY COX MIKE CAIN」(DELTA-Music GmbH, 1989)。先月みどり文庫さんで入手して以来くり返し聴いている。今、リーダーでフルーティストのジェイムズ・ニュートン(1953- )のウィキを参照してみると、このアルバムは彼のディスコグラフィに入っていなかった。おや? と思ってよくジャケットを見たらケルンで録音されている。ドイツ盤なので省かれたか。

クラシック調で始まり、現代音楽やフリージャズの要素もちりばめられている。フルートを中心としたクァルテットのバランスがいい。ジェイムズはいかにも上手いが、器用すぎるかなとも感じられるプレーヤーである。小川隆夫の解説を引いておく。

たとえクラシックを演奏しようが現代音楽に接近しようが、彼は紛れもなくジャズ・フルーティストであることを雄弁に物語っているのがこの作品というわけだ。ここにはエリントン、ドルフィー、モンク、ミンガスといったニュートンにとってかけがいのない音楽家たちが生み出した伝統を血肉として彼自身の音楽が創造されている。

さて、ジャズつながりということで映画の話を。最近やっと、「ラ・ラ・ランド」の監督デイミアン・チャゼルの出世作「セッション」(2014)を見た。監督も主演のマイルズ・テラーと助演のJ. K. シモンズも皆この「セッション」で一躍有名になったというあげまん作品。

十九歳のニーマン(マイルズ・テラー)はシェイファー音楽院(ジュリアードがモデルですな)の一年生でドラマー、練習しているのを聞きつけた鬼教師フレッチャー(J. K. シモンズ)が彼を抜擢して自分のクラスに入れる。そこには地獄の特訓が待っている……

ストーリーはもう初めから分っているようなもの。予想通りの展開、ただしラストシーンだけはちょっと意外だった(やや不条理なラストだが、まあそれも許せる範囲内)。いずれにせよ筋書きよりもその描き方がうまい。鬼教師フレッチャー(J. K. シモンズ)がなんとも憎々しく見えて来るのは成功している証拠。低予算でもこのくらいは作れるぞというお手本映画である。

音楽といえば、六月のパリでは夕刻から夜にかけては外出もせず、ほとんどTVばかり見ていた(なんのためにパリにいるのやら)。フランスではどんな歌が流行しているのかと思ってCSTAR(シースター)チャンネルでTOP CLIP(ミュージック・ヴィデオばかり流す番組)を見てみると、ジャスティン・ビーバー風が主流で今回はあまりピンとくるものがなかった。アデルの「Hello」も放映されていたのには、今ごろ、と思ったが。


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by sumus2013 | 2017-08-06 20:28 | おととこゑ | Comments(0)

ジャンヌ・モロー誄

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ジャンヌ・モロー死去。われわれの世代では映画を見始めた頃にはもうすでに伝説的な女優だった。「Ascenseur pour l'échafaud(死刑台のエレベーター)」や「Jules et Jim(突然炎のごとく)」によって一九六〇年代の傑出したヒロインとして別格に置かれていたように思う。

百三十本以上の映画に出演しているらしい。妻が印象に残っていると言ったのは「ニキータ Nikita」(リュック・ベッソン、1990)である。「あれ? 出てたかな」と思ったが、ニキータを一流の女として仕込む役だった。上のチラシは三宮東アサヒシネマ2のもの。左下隅が欠けているが、大事にファイルしてあった。ベッソンの出世作。

小生は数年前に見た「マドモアゼル Mademoiselle」(トニー・リチャードソン、1966)が鮮烈に残っている。山の中の小さな小学校の謹厳な女教師が、じつは……というなかなかのスリラー。あるいは、モローにとって最後から二番目の映画になった「クロワッサンで朝食を Une Estonienne à Paris」(イルマー・ラーグ、2012)もはまり役だった。パリで成功している老マダム(J.モロー、エストニア出身という設定)のもとへ故郷エストニアから世話係として中年女性がやってくる……パリ映画としても秀作だった。

そうそう、まだヴィデオテープで録画していた時代のこと。「小間使いの日記 Le Journal d'une femme de chambre」(ルイス・ブニュエル、1964)を録画した、はずだったのだが、どうしたわけか最後のパートが録画されていなかった。いいところで切れていた。ああ、どうなるんだろう……と思いつつ今に至るまでまだ見ていない。

サム・シェパードも亡くなった。役者としてはそんなに強い印象はないが、脚本を担当した「パリ、テキサス Paris, Texas」(ヴィム・ヴェンダース、1984)は思い出深い映画である。主演のハリー・ディーン・スタントンも良かったしナスターシャ・キンスキーの輝きも忘れ難い。ライ・クーダーの響きも胸に沁みた。(ただ、これって「パリ、テキサス」じゃないの?)

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by sumus2013 | 2017-08-01 20:21 | おととこゑ | Comments(0)

Edge


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2008年の撮影風景(拙宅アトリエにて)


これまで『sumus』同人から岡崎武志、林哲夫、荻原魚雷の番組を制作してくれたテレコムスタッフより以下のようなメールを頂戴した。

いまご出演いただいた番組「Edge」 のホームページをつくっておりまして、詩人編の方から公開をはじめています。


なかなか広く見てもらうことができない番組なので、 少しでもHPから番組のことを知ってもらえればと思っています。ご出演いただいた回の情報も5月20日頃の公開を目指して準備しております。数分のトレイラーもつけています。

まだ全編ではないが、順次公開されているので覗いていただきたい。

2008年百万遍初日!


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by sumus2013 | 2017-05-28 17:04 | おととこゑ | Comments(0)

松倉と勝と光永と継吾

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昨夕は京都のライブハウス「拾得」で松倉と勝と光永と継吾のライブを聴いた。松倉如子、何とも個性的な歌い手である。どのようにユニークなのか、ご存知ない方はぜひYouTubeなどでご確認あれ。

「拾得」は有名なライブハウスなのだが、これまでライブに縁のなかった小生には初めての場所。土蔵を改造したなかなかに居心地のいいスペースだ。そんなにキャパはないが、手頃な広さだと思った。壁面にはその名の通り寒山拾得の大きな拓本(版画?)が飾ってある。エンゲルスガールのご主人と隣り合わせたのでムッシュかまやつ死去の話を向けると「拾得」で一度だけライブを聴いたことがあるとのこと。カッコよかったあ〜、らしい。

ただ、大きなアンプでガンガン鳴らすのには閉口した。音に吹き飛ばされそうになった。この感触が好きな人もいるかもしれないけれど、せっかくの演奏や歌を聞き取り難くしてしまうほどの大きさだった。このていどの空間ならマイクなどいらないだろう。ロームシアターくらい広くても同じような感想を持ったが、拾得ならなおさらである。アンプラグドでやってほしかった(またそういうタイプのバンドであろう)。とは言え、渡辺勝の旋律はピアノであれギターであれ、なんともなつかしく心落ち着くものだった。

上は松倉と勝と光永と継吾の自主制作CD「SETSUBUN」。今年の二月三日にアケタの店にて行われたライブ録音。100部制作。

松倉と勝と光永と継吾

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by sumus2013 | 2017-03-04 21:08 | おととこゑ | Comments(0)

鈴木常吉

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鈴木常吉「望郷」(しゃぼん玉レコード、2010)、このCD冊子の冒頭で鈴木常吉についてこう述べられている。

《ツネさんかい、あっ知ってるよ。北千住の肉屋の倅(せがれ)だろ。深夜食堂(うち)に来ると「オレは肉屋の倅だからコロッケにゃ、チトうるさいゼ」なんて言いながらウーロンハイ飲んでるよ。
 ガキの頃はオートバイ乗り回して交通鑑別所に何日か世話になったらしいな。高校出る時、地元の和菓子屋で見習い職人募集してて、研修でフランスに行けるってどっかから聞きつけて、母ちゃん同伴で面接に行ったら日頃の行状が行状だからあっさり断られて、それで仕方無く大学に進学したんだってサ。
 卒業後、どういう訳か絵本の会社に勤めてケンカかなんかで辞めて喫茶店を始める。その頃からバンド組んで歌ってたらしい。「イカ天」に出てセメントミキサーズでちょっとだけ売れた。その頃、あの高田渡さんと吉祥寺歩いてたら、渡さん差し置いてツネさんがサイン求められたって言ってたな。》(「奴のうわさ」深夜食堂主人談(代筆安部夜郎))

今検索したかぎりではどうも小生と同い年らしい。舞台慣れしているというか、時間、曲順、MC、休憩などの間が良かった。MCはけっこう長かったが、これが魅力的で、うまく笑いもとるし、有名人の名前をだして興味をそらさない(常吉氏は俳優でもあって蒼井優やオダギリジョーの裏話なども)独特の話芸になっている。むろんギターやアコーデオンも聴かせるものだし歌にも味がある。感心したのは歌詞。自伝的なものだろうが冒頭の「肉屋」がとくに印象的だった。ここでは「望郷」から「夜明けの物音」(作詞・作曲=鈴木常吉)を引用してみる。

 また今日も新聞配達の
 オートバイの音が聞こえてきた
 それはもう昨日の事だよと言って
 エンジンの音は通り過ぎた

 ガラス窓の中に顔がある
 何処の誰とも分らぬ顔が
 無精髭をはやし目を赤くして
 私の顔を覗きこんでいる

 夜は削り取られて河底に沈む
 そしてそこに朝がやって来た
 ぐっしょりと寝汗をかいた朝が
 濡れ布巾の様に町を覆うのだ

 また今日も新聞配達の
 オートバイの音が聞こえてきた
 それはもう昨日の事だよと言って
 エンジンの音は通り過ぎた 


耳で聴くとこの詩はさらに良くなるように思う。曲調は紹介文にも出ていたように高田渡に近いものもある。そうそう高田渡といえば『雲遊天下』125号「特集・高田渡の夜」の座談会が良かった。「フォークソングの王道を進んだ高田渡の道筋」……岡崎氏が司会で高田渡の兄・高田驍(たけし)氏と高田烈(いさお)氏、そして三浦光紀氏(ベルッド・レーベルの創立者)、中川五郎氏の貴重な発言を取りまとめて読ませるもの。十七歳のころに文選工として三鷹のあかつき印刷で働いていたという事実は意味深く感じる。


***

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今宵(二月十日)はこのライブに出かけた。明日は豊岡劇場とか。大雪は大丈夫だろうか。

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by sumus2013 | 2017-02-10 21:39 | おととこゑ | Comments(2)

さよなら、フランク・ロイド・ライト

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「サイモン&ガーファンクル LIVE 1969」(Sony Music Japan International Inc. 2009)を年末年始ずっと聞いていた。S&Gのシングル盤「明日に架ける橋」が初めた買ったレコード(正確には何枚かのうちの一枚)。もちろん一九七〇年の大ヒット曲だが(ということは高校一年生か)、英語の歌詞も暗記したりして個人的にも思い出深い。

ところが、それ以来四十六年以上が過ぎ去ったにもかかわらず、どうしたわけかS&GのレコードはもちろんCDすら買ったことはなかった。とくに意識したわけではない。不思議と言えば不思議。エンゲルスガールの段ボール箱で見つけ「これ聴きたい」という感じで購入。

一九六九年のライヴは、アルバム「明日に架ける橋」が完成しながらも未だリリースされていない時期に行われた。リリースは一九七〇年一月。前年の十月から十一月にかけてデトロイト、トレド、カーボンデイル、セントルイス、ロングビーチ・アリーナ、カーネギー・ホールとツアーし、そこから選ばれた十七曲が収められている。

《当事者たちにはもう解散の気持ちは決まっていたのだろうが、レコーディング中のフラストレーションはひとまず収まり、二人の仲は落ち着いたものになっていた。客観的にはキャリアのピークにあっただけに、『サイモン&ガーファンクル LIVE 1969』は、アートの美しい声も最高であるし、ポールのギターも力強さと繊細さの際立ったところを聴かせている。》(鈴木道子)

このライヴ盤はアルバム「明日に架ける橋」に続いて発売される予定だったそうだ。しかし結局二〇〇九年までお蔵入りしてしまった。最初聴いたときにはS&Gの曲調に対して聴衆の歓声や拍手がどうもうるさく感じられてあまり感心しなかったが、それでも繰り返し聴いているとそれなりの臨場感が伝わってくるようになった。とくに「未発表です」と紹介しながら「明日に架ける橋」を絶唱するくだりは最後の大拍手が翌年のスマッシュヒットを予感させて実に印象深い。

またアーティの朴訥なMCもときには曲順を間違えたりしつつなかなかに心地よいものだ。曲順を間違えたのは「フランク・ロイド・ライトに捧げる歌 SO LONG, FRANK LLOYD WRIGHT」で、これはアーティが建築家を目指していた頃もっとも好きだった建築家ライトについて「何か曲ができないかな?」とサイモンにもちかけたのだという。だが、サイモンが書いたのはライトについての歌ではなかった。

So long, Frank Lloyd Wright.
I can't believe your song is gone so soon.
I barely learned the tune
So soon
So soon.
I'll remember Frank Lloyd Wright.
All of the nights we'd harmonize till dawn.
I never laughed so long
So long
So long.

Architects may come and
Architects may go and
Never change your point of view.
When I run dry
I stop awhile and think of you.

Architects may come and
Architects may go and
Never change your point of view.

So long, Frank Lloyd Wright.
All of the nights we'd harmonize till dawn.
I never laughed so long
So long
So long.

どうやらサイモンからアーティに対する別れの挨拶になっているようだ。

これを年末からくりかえし聴いていて、正月早々ブックオフのCD半額セールをのぞいたところ、S&G最初のアルバム「WEDNESDAY MORNING, 3PM」と映画「卒業」のサウンドトラック盤が目に飛び込んできた。買うしかないでしょ。前者は「サウンド・オブ・サイレンス」やボブ・ディランのカヴァー「時代は変る」が入っている。ただし全体にはいまひとつぱっとしない。古臭いというのとは違うかもしれないがS&Gの良さが出切っていない(実際にセールスは低調でS&Gは一時解散したという)。サウンドトラックの方も映像といっしょならともかくアルバムとしては雑駁。ということで結局「LIVE 1969」に戻り、まだ飽きずに繰り返し聴いている。

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by sumus2013 | 2017-01-16 20:43 | おととこゑ | Comments(0)

風とともに生きる

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10日(月)、ユニテさんで催された「風とともに生きる インドの吟遊詩人バウルを聞く」に参加した。今、個展をしておられる装幀家でインド大好きの矢萩多聞氏による企画である。

パフォーマンスしたのはショッタノンド・ダス氏。演奏の前に、その奥方で日本人のホリ・ダシさんと矢萩氏のトークもあった。バウルとは何かということが中心に語られたのだが、吟遊詩人というだけで、あまりはっきりしたことは分らなかった。日本人のバウルは彼女だけだというのは印象に残った(外国人は多いそうだ)。当日のチラシにはこのように書かれている。

《現在のインド東部とバングラデシュ地方にまたがるベンガル地方には、ヒンドゥ教、イスラム教、仏教の影響を受けつつも、それらには属さず、町や村を転々として、うたい、踊ることを修行とする人たちがいます。彼らが大事にするのは、まるで恋人を愛するかのように愛する「心の人」が宿る場所としての人体。
バウルは音楽や詩だけでなく、こうした既成の習慣からの脱却という点においても賞讃を受けています。》

これを読んでもあまりよくは分らない。インドにはカーストというものがある。この説明からするとカーストから離れた集団あるいは個人なのだろうか。宗教団ではないが、各地にグル(導師)がいて、ダス夫妻もいろいろなグルに師事したそうだ。吟遊詩人と聞くとイメージがついヨーロッパ的になってしまうが、門付とか托鉢とか虚無僧とか(あるいは瞽女)などにも通じる、そういったアジアにおける道の者の一種であろう。下記のサイトが分りやすく説明してくれている。

バウルという生き方――ベンガル地方の「もうひとつのライフスタイル」
村瀬智 / 文化人類学

《バウルはカーストやカースト制度をいっさいみとめない。またバウルは、偶像崇拝や寺院礼拝をいっさいおこなわない。彼らの自由奔放で神秘主義的な思想は、世間の常識や社会通念からはずれることがあり、人びとからは常軌を逸した集団とみなされることがおおいのである。実際に、ベンガル語の「バウル」という語は、もともと「狂気」という意味である。そしてその語源は、サンスクリット語の“vâtula”(「風邪の熱気にあてられた」、「気が狂った」)、あるいは“vyâkula”(「無我夢中で」、「混乱した」)に由来するようである。》

《このような、バウルという語の語源や中世の文献での使われ方、そして現代での意味合いやイメージを考慮して、ベンガルのバウルのことを、「風狂の歌びと」とでも名づけておこう。》

世捨て人ながら托鉢のような暮しは人々に尊重され世の中には組み込まれているようだ。

ショッタノンド・ダス氏の演技は下の動画でご覧いただきたい。今回は六種類の楽器を取り替えながら演奏した。三種類を同時演奏からはじまる。下の動画で右手に持っているのがエクタラ(一弦琴、右手で持ちながら人差し指だけを使って弦をはじく)、左手で演奏するのがドゥギ(小太鼓、叩き方を変えて色々な音色を出す、ドゥ〜ンという間延びしたような特徴的な音が気に入った)そして右足先に付けた鈴(グングル)。奥さんはコロタール(小さなシンバル、おりんのような音色)をずっと鳴らしてリズムセクション。とくに聞き物だったのはアノンドホリ(太鼓の胴から出ている弦をピックで鳴らす、ギターのような音色)の早弾き。胴を左脇にかかえ左手で弦を緊張させておいて右手に持ったピックでかき鳴らすのだが、左手の力具合で音色を変化させる。もちろん歌と踊りも加わって最後は参加者みんなで踊ることに。お代は喜捨でした。
他にもバウル関連のさまざまな動画がアップされているが、次のドキュメンタリータッチの紹介は旅するバウルの雰囲気をうまく伝えていると思う。演奏も高度だ。

ユニテではギャラリースペースで演奏が行われ、隣の喫茶スペースには来場者のお子たちが五、六人。演奏中もけっこうにぎやかに騒いでいた。そんなときショッタノンド・ダス・バウルは演奏しながら目玉だけでギロリと隣を睨んだ。迫力だった。

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by sumus2013 | 2016-10-13 21:06 | おととこゑ | Comments(0)

カインド・オブ・ブルー

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FBで萩原健次郎さんがこんなふうに書いていた。

《ディアゴスティーニがテレビCMで訴求しているけど
アナログレコードがはたして売れるのだろうか。
初回のみ、990円ということで、
図書カードの残があったので購入した。
久しぶりに、ビニールの封を切って聴いた。
ジャズのアナログレコードが、安価で
再発されたら、何が欲しいかと
問われたら、このマイルスの
「カインドオブブルー」一枚が思い浮かぶ。
というよりも、これ一枚でもういいように思う。
心憎いセレクション。》

これを読んで無性に欲しくなった。近所の書店へ。ちょうどもらった図書カードがあったのでそれを使った。マイルスのアルバムでは「マイルストーンズ」の方が好きかなと思っていたが、やはりこれも名盤ではある。

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by sumus2013 | 2016-10-05 19:37 | おととこゑ | Comments(0)

ON THE ROAD

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「ジャック・ケルアック「路上ーオン・ザ・ロード」を詩う」(IMAGICA MEDIA, 1999)。ケルアックの自作朗読(「路上」と未発表詩集「ワシントンD.C.ブルース」)および歌が六曲、に加えてトム・ウェイツによる「路上ーオン・ザ・ロード」が収められている。

朗読は音楽に関するところを中心に読んでいる。朗読というよりもっと調子がいい。ラジオドラマの雰囲気で悪くはない。ボーカルの方はとても聴けたものではないが、ケルアックだと思って我慢する。一点、このアルバムにはまったく異質のトム・ウェイツが素晴らしい。しびれる。

解説のしおりに佐野元春がジャック・ケルアックのルーツを訪ねたときのことを書いた文章がある。

《1994年。クリスマス。僕はケルアックの故郷にいた。人生の意味を探求した、あるボヘミア詩人の墓がそこにあった。マサチューセッツ州ローエル。ボストンから北へおよそ30マイルの郊外に位置する田舎町。ケルアックが生まれ育ち、生の際まで愛して止まなかったホームタウンーー》

《ボストンからハイウェイ三号線を北上し、車で約一時間、ローエル市に入る。想像していたほど小さな町ではなかった。荷物をホテルに預け、レンタカーを手配。間もなくやってきたフォード・エアロスター・バンに乗り込み、市の北西部、ポータケットビル地区に向かう。メリマック川に差し掛かる。この付近にかつてケルアックとその家族が住んでいた家屋があるはずだ。通称「アストロズ・ピザ」と呼ばれるピザ屋が目的の場所だ。
 住宅街の通りに面してほとんど廃屋と化した4階建ての1階の軒下に「アストロズ・サブ・アンド・レストラン」。間違いなかった。ケルアックとその家族はこの4階に借家住まいしていたのだ。かつてはピザ屋だったその建物は今は誰も住んでいないが、いずれにしても、ケルアックとその家族が住んでいた古い借家がそのままのカタチで残っているということは、全くの驚きだった。》

現在はケルアック公園などもあって観光地化されているらしい。日本人の訪問者も少なくないようだ。

ケルアック in Lowell (その1)

Kerouac’s Grave / Edson Cemetery, South Lowell, Massachusetts,

Thank you, Jack Kerouac


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今AbeBooks.com に出ている『ON THE ROAD』(The Viking Press, 1957)の初版本カバー。函付、献呈署名入でお値段はなんと!

Price: US$ 107,205.51

《First edition, first printing, presentation copy to Pieter W. Fosburgh and his wife Liza, inscribed by the author in red crayon, "To Peter [sic] and Liza Fosburgh, Writing in red crayon in memory of the Red House, Jack Kérouac [sic] (Idiot) (St. Jack of the Germs)" [the last five words in pencil]. 》

この出品は英国からなので特別な値段になっているのかもしれない。ただアメリカ国内の業者でも署名入でUS$ 35,000〜10,000くらいのレンジで販売しているようだ。


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by sumus2013 | 2016-09-28 20:28 | おととこゑ | Comments(0)