林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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カテゴリ:雲遅空想美術館( 99 )

日本の表装

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京都文化博物館で「日本の表装」展を見てきた。いろいろ凝った表装のサンプルが並んでいたのは非常に面白かった。ただ表具が勝って絵が引き立たないという例も多かったような気がする(表装がこの展覧会の主役だから当然かもしれないが、表装ばかり目立つというのもねえ)。

日本の表装 ―掛軸の歴史と装い―

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これは伝牧谿の「布袋図」(南宋時代、十三世紀)。このキンランドンス(かどうか詳しくは知らないが印金かも)の眩しさはどうもいただけない。絵は、牧谿作かどうかはさておき、微妙な墨のタッチにヒューモアも漂う佳作だと思う。布袋の絵は無数にある。しかしこれほどのものは稀だろう。牧谿でないとしてもかなりの描き手には違いない。表装の意匠は善阿弥とのこと。牧谿が神格化されていた表れかもしれない。

「京都府新鋭選抜展2017」もざっと見たが、これもなかなか良かったんじゃないかなと思う。京都らしさと、そこから抜け出ようとする意欲が同時に感じられた。

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by sumus2013 | 2017-02-01 20:58 | 雲遅空想美術館 | Comments(0)

春の野の若菜つむとて

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市内の某書店でこのマクリを入手した。「心月輪」の拓本も以前紹介したことがあるが、それを買ったのとは別の店である。


落款も何もないので誰の作だか判断しようがない。和歌は良寛作、画も良寛の肖像であろう(良寛の「自画像賛」に似せている)。検索してみると

 春の野の若菜つむとて鹽法の坂のこなたにこの日暮らしつ

という良寛の歌がある。それをガイドにここに書かれている仮名を漢字で表記してみる。

 波流能々々和閑奈
 川無東天志保乃利
 能散可己那堂丹
 己能悲久□□

元歌からすればとしたところは順に、能、良、之or志、かなと思うが、どうなのだろう。肖像画の筆使いはよどみがない。それに比して文字の方は心もとないようだ。鹽法(しほのり)は地名? 他に以下の歌もある。

 さきくてよ鹽法坂を越えて来ん山の櫻の花のさかりに

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by sumus2013 | 2017-01-30 20:48 | 雲遅空想美術館 | Comments(0)

ヴァージリア

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「VIRGILIA」(CORIOLANUS Act.5)のエッチングを入手。原画はアレクサンダー・ジョンストン(Alexander Johnston , 1815–1891)。エジンバラ生まれでロンドンのロイヤル・アカデミーで学んだ。歴史画、肖像画を得意としたそうだ。彫版師は「H.Austin」、詳細は不明ながら十九世紀に多くの銅版画を製作していたようである。

独特な階調を出すための点描技法(ハーフトーン)がとにかく凄い。

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「ヴァージリア」はウィリアム・シェイクスピア後期の劇作『コリオレイナス The Tragedy of Coriolanus』に登場するコリオレイナスの貞淑な妻である。『コリオレイナス』は一六〇八年頃執筆と言われ(諸説あり)、生前には上演されたという記録はない。その粗筋をざっと述べておく。

ローマの貴族ケイアス・マーシアスは無敵の将軍だったが、軍務につけない貧民たちに穀物の支給をストップした。その仕打ちに怒った民衆は暴動を起こす。ところがちょうどそのときにヴァルサイ人でマーシアスの仇敵タラス・オーフィディアスの襲撃がありマーシアスは出陣、一騎打ちによって優勢のうちにオーフィディアスを退け、その軍功によってコリオレイナスの称号を得た。

コリオレイナスは母のすすめにより執政官の選挙に出馬するが、就任に反対する民衆の暴動にまたもやみまわれる。彼は民衆の政治への参加に公然と反対し、民衆をののしったため反逆罪でローマから追放になってしまう。そしてこともあろうにオーフィディアスの側についてローマを攻撃してくるのである。

無敵の将軍が敵になってはひとたまりもない。ローマは混乱に陥る。コリオレイナスの母と妻(つまりヴァージリア)や子供らが説得に出かける。母の嘆願に心を動かされたコリオレイナスは独断でローマと和平を結んだ。ところがそれによってオーフィディアスの怒りを買いコリオレイナスは暗殺されてしまうのであった。

ヴァージリアはコリオレイナスの愛妻。血に餓えた義母と違って夫が戦争に出るのを嫌った。しかしその気持ちを表に現さない。十七世紀のシェイクスピア劇の観客にとって彼女は「理想の女性」であったようだ。貞節で、従順で、とくに重要なのは、口数が少ない(silent)こと……。(http://www.shmoop.com/coriolanus/virgilia.html

ジョンストンは十九世紀の人間だからこういう風な顔立ちになるのかもしれないが、なんともその目が大きい……日本の少女漫画に近いものがある。



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by sumus2013 | 2017-01-22 17:40 | 雲遅空想美術館 | Comments(0)

青山二郎像

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『中川一政生誕120年記念展「中川一政芸術の黎明」』図録(白山市立松任中川一政記念美術館、二〇一三年九月一四日)より「青山二郎像」。均一箱にて。中川一政かあ……と思いつつめくってみるとこの肖像画に目を射られた。こんな絵を描いていたんだ! 当時、青山は二十一歳、中川は二十九歳である。大正十一年五月の制作となっているが『純正美術』第二巻第三号(純正美術社、一九二二年三月)にこの絵はすでに掲載されていた。

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タイトルは「肖像」だった。ただし上の写真と比較してみれば分るように図版として掲載された後でかなり手を入れたようだ。顕著なのは髪型。洋服もかなり変えたか。

モデルになる約束をした直後の青山から中川に宛てた葉書も掲載されている。その文面を引き写しておく。大正十年十一月十日付。青山は句読点を使っていない。

《昨夜は失禮致しました 餘り僕が小供だつたので失望なされたでせう来月モデルになること非常に楽しみにして待つて居ります
今日流逸荘の帰り清泉堂に寄つてお話した筆未だあるか見ましたところ皆テンの筆は賣切れになつてゐて残念しました併し二度目に著いた方の荷の中に細いものでしたがテンがあつたので中で一番太いのが一本ありましたから取つて置きました文房堂に行つてみましたがそれより細いもの許りでした三越にいつて見る心算ですーーそんなわけで清泉堂へ無駄足なさらぬうち一寸申し上げて置きます
 また来月お目にかゝれるのを楽しみにしております いづれ》

後年の諧謔に満ちた青山節は微塵も感じさせない素直な文面にまず驚かされる。中川一政への傾倒というか尊敬の念も伝わってくる。またこの当時から青山は絵を描くことへの情熱を持っていたのだということもよく分る(中川のためかもしれないが貂の画筆を探して画材店の梯子をするというのはやはり同じ情熱を分かち合いたかったのであろう)。晩年の青山の油絵がどことなく草土社風なのはこういう青年時代を経ていたからなのであろう。肖像画にそのナイーフさがまっすぐに表れている。目がキラキラ輝いている。

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by sumus2013 | 2017-01-20 20:51 | 雲遅空想美術館 | Comments(0)

瀧口修造・岡崎和郎二人展

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冷え込んだ一日だった。空模様もやや怪しかったのだが、思い切ってマルセル・デュシャン生誕130年記念「瀧口修造・岡崎和郎二人展」(http://www.ozasahayashi.com)へ向う。堀川一条の晴明神社(https://www.seimeijinja.jp)を目標にして。ここは前にも来たことがあるので問題なく到着したのだが、しかし西陣織会館というのがすぐに分らずぐるりとその辺りをひと回りしてしまう。結局今出川通りの方から入って古いビルの南西角にようやくのことでたどり着いた。普通に考えてギャラリーがあるような場所ではなく、文字通り織物問屋の事務所や倉庫が集合している雰囲気である。商用車の出入りも繁しい。

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仰々しい看板などもなく傘立てとチラシなどを置く台がそっけなく階段の脇に置かれているだけ。根松の正月飾りが京都らしい風情。階段から見上げたところに展覧会の案内が出ていた。ここで間違いない。

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まっすぐ上がって左右に階段が分かれている。左への矢印の先にポスターと鉄の扉。右の階段の先にも岡崎和郎ポスターがあって、じつはどちらを上がっても画廊へとつづいている。

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展示の様子はマン・レイ石原さんのブログにてどうぞ。

マン・レイと余白で 瀧口修造・岡崎和郎二人展

瀧口修造は久し振りにじっくり見た。テカルコマニーのみならずデッサンやバーント・ドローイングも含めいずれもじつに繊細なテクニックを示していることに陶然とした。造型作家としての瀧口修造のレベルの高さをあらためて感じた。一点欲しいなあ……と思っていると事務所スペースではデカルコマニーの小品が何点も販売されているではないか。うーむ、絶対買えない値段ではないけれど……。ほしい。

たまたまオーナーの小笹氏のお話をうかがう機会をもてたのもよかった。氏は東野芳明を慕って多摩美の芸術学科に入ったそうで、学生時代から美術品を買い始め、とくにどこかの美術商で修業したという経験はないが、いつのまにかアートディーラーになるべくしてなっていたとか。この場所は昨年の八月からオープン。京都市内を転々とした後にこの理想的な空間を見つけたとのこと。築五十五年になるがびくともしない堅牢な建物だそうだ。天井や床を取り払ってリフォームされた豊かな空間は倉庫だったとはとても思えない。とくにむき出しのコンクリート床はもうそれ自体がアートそのもの。見惚れてしまった。下の階に倉庫ともう一つの展示スペースもある。こちらの壁や天井もコンクリートをむき出しにしてあるが(天井や壁を取り払った)、その表面が板の模様をそっくり引き写しているのも感動ものだ。昨今ではわざわざ板目模様をつけたコンクリート壁を目にしたりもするが、こちらは正真正銘の型枠としての板目でその無造作な張り合わせ具合(間に合わせの板を使った感じ)がなんともいい。

本展に関連するトークショーも予定されている。詳しくはサイトhttp://www.ozasahayashi.comにて。今後の企画も楽しみである。

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by sumus2013 | 2017-01-11 21:03 | 雲遅空想美術館 | Comments(0)

ほとゝきす

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昨今、かるた取りに人気があるというのを聞いた。ちょうど遊びに来ていた知人の娘さんも競技かるたに熱を入れているという。昨日、近江神宮で
競技かるた名人位・クィーン決定戦が行われ、名人は防衛、クィーンは交替した。娘さんは高校生なので明日九日に試合があるそうだ。がんばれ。

この和歌のマクリは昨年末に入手したもの。小生の読解力では部分的にしか判読できないが、幸いなことに読み下しのメモが付いていた。

 ほとゝきす
  雲のうへより
   かたらひて
 とはぬになのる
  明ほのゝ

後徳大寺左大臣実定こと徳大寺実定(さねさだ、1139-1192)の歌である。百人一首(八十一番)にはやはりほととぎすが選ばれている。『千載和歌集』夏一六一。

 ほととぎす鳴きつる方をながむればただ有明の月ぞ残れる

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実定は、叔父が藤原俊成(百人一首八十三番・世の中よ)、だから定家(百人一首の撰者と言われる、九十七番・来ぬ人を)は従兄弟になる。待賢門院堀河(八十番・長からむ)が仕えていた待賢門院は祖父の妹で、西行(八十六番・歎けとて)はその祖父に仕えていたため親しくしていたそうだ。百人一首のオールスターに囲まれて育ったということになろう。

このマクリがいつ頃のものか正確には分らない。こういう地模様は「打雲」(天地打雲)と呼ぶらしいが、おおよそ幕末あたりのようである。


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by sumus2013 | 2017-01-08 21:32 | 雲遅空想美術館 | Comments(0)

僕は小さな黄金の手を探す

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アサヒビール大山崎山荘美術館へ。かなり久しぶり。阪急大山崎駅(最寄はJR山崎駅)から歩いて十分、門からさらに山荘入口までも十分近くかかったか。上り坂で汗ばむくらい。風は冷たいが雲ひとつない晴天である。

「ロベール・クートラス 僕は小さな黄金の手を探す」展を見る。クートラスの渋いマチエールはこのイギリス風の別荘に似合っているとも言えるし、絵画作品の展示室としてはとても最善とは言い難い空間でかなり損をしているとも言える。さっぱりした白い壁だけの別棟第二展示室が絵そのものを見るには最適だったが、そこはそこでスペースとしてはかなり手狭である。

近年、日本では作品集などが何冊も刊行されているので(遺作管理人が日本人ということもあっておそらくフランス本国よりも日本での方がよく知られているのではないだろうか)おおよその作品は見知っていたのだが、実作に接するのは初めて。思ったよりずっと良かった。フランスでは素朴派画家として寓されているような感じも見受けられるものの、クートラスの本質はポップアートであろう。

ユトリロ風と言われるようだがユトリロとはほど遠い(いい意味で)「クロワ=ルース通り」という初期作品(一九五七)が山荘の第一展示室に掛かっていた。これがひどく照明の悪い場所で、いい絵なのにちょっとかわいそうだった。ちょうど雑誌か何かの取材記者がノートをもって学芸員の女性の話を聞いていた。
「これはクートラスが生涯身近に置いていた作品でして、引っ越しのたびに裏面にその住所を書き込んであります」
なるほど……たしかに思入れの深そうな作品だった。

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上はエントランスから山荘を眺めたところ。山荘を建てた加賀正太郎がみずから設計し、二十年かけて完成させたという。なるほど細かいところまで工夫の見える建物であり、庭である。庭の歩道の作り方には感心した。加賀夫妻の歿後は荒れるに任されてマンション建設の話まであったとか。しかし地元民が保存運動に奔走しアサヒビールの初代社長山本為三郎(加賀はニッカウヰスキーの創業に参画しており後にニッカの持株を山本に譲ったという因縁があった)が資金援助をして美術館として再生させた。

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安藤忠雄設計の地下展示室(モネ、ユトリロ、ビュッフェが展示されていた)へつづく通路から山荘を眺める。山荘の内部は撮影禁止なのでせめてもと。

ちょっとした小旅行気分が満喫できていい一日だった。一月末日から展示替えだそうだが(後期展示)、もう一度見に来るかどうかはそのときの気分しだいだなあ……。春先の庭園も悪くないとは思うのだが。



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by sumus2013 | 2017-01-07 20:59 | 雲遅空想美術館 | Comments(0)

栄花

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by sumus2013 | 2017-01-01 09:04 | 雲遅空想美術館 | Comments(2)

粟津則雄コレクション

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『粟津則雄コレクション目録』(練馬区立美術館、二〇一六年一一月一七日、デザイン=竹田麻衣子)を頂戴した。御礼申上げます。二〇一四年、練馬区立美術館に寄贈された粟津コレクションの目録である。粟津則雄の本はかつては何冊か持っていたが、そう、粟津訳『ランボオ全作品集』(駒井哲郎装幀の)も含めて処分してしまい、たぶん一冊もないはずだ。本書のコレクションはフランス文学者らしく渋みもあり、少々緩いところもあって全体としてその人となりが分るような気がする。ルドンやルオーもいいが、やはり駒井哲郎が数も多く質的にも高いレベルの作品ばかりなのが目立っている。

最近は誰々のコレクション展と銘打って開催される展覧会が増えているような気がする。洲之内徹コレクション展は生前から何度も行われており割合と早い例だろうが、現代美術を集めているマイナー・コレクターの展覧会というのを二十世紀末頃からよく目にするようになり、さらに「瀧口修造夢の漂流物」展(二〇〇五)や大岡信コレクション「詩人の眼」(二〇〇六)あたりから徐々に盛んになって、外国人の日本美術コレクションが次々将来され(プライス、ギッター、バーク、ドラッカーら)、「坂田和實の40年」(二〇一二)、筑波大石井コレクション展(二〇一三)、河野保雄コレクション展(二〇一四)、「根津青山の至宝」(二〇一五)、「川端康成コレクション伝統とモダニズム」(二〇一六)、「村上隆のスーパーフラット・コレクション」(二〇一六)、住友コレクション展(二〇一六)、秋山庄太郎コレクション(二〇一六)など枚挙に暇がないくらい。あ、もちろん石原コレクション「展覧会ポスターに見るマン・レイ展」も忘れてはいけない。

美術品の蒐集というのはやはり個人の眼に頼る傾向がある。絶対音感のように絶対美感というものがあるようで、訓練だけではどうしても達成されない感覚のような気がしないでもない。おそらくそれは大昔から変わらないだろう。ただ、今はそのコレクションから個人の眼力をあぶり出すという意味で個人にもスポットが当っているのかもしれない。美術館としては一括で企画できるので楽チンなのかな?

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岡崎市美術博物館で開催されている長谷川潾次郎展も藤井コレクションと肩書きがある。

《この伝説的画家に魅了された1人、故藤井純一氏は岡崎市で長年にわたり作品の蒐集を続けてきました。藤井氏コレクションは約130点の油彩画の他に版画やデッサン類、画材道具、モチーフからなり、現在は岡崎市美術博物館の所蔵となっています。》

これはちょっと見てみたいものだ。

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by sumus2013 | 2016-12-30 21:51 | 雲遅空想美術館 | Comments(2)

吟意厭聞狂語鶯

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 [閑中□古]
  吟意厭聞狂語鶯
  早梅時節試閑行
  一竿漁思香魚佳
  半帽1光野鴨声
  草長須史原燎侵
  雪鎔分外閘波鳴
  煙霧未留多年菅
  触眼物華心易驚
   2詩家清景花新春 松奉弘 [□弘][子□]


一見読みやすそうなのだが、不勉強のせいで読めないところ、いちおう読んでみたものの自信のもてないところもまだまだある。御教示を。


あまり気は進まなかったのだが、先日、久しぶりにがん予防センターで検診を受けた。検便は持参。胸部と胃部のレントゲンを撮った。これらの検査はあまり役に立たないという評価もあるようで、そのせいでもないだろうが、受付から始まってスタッフ(すべて若い女性)の接客が至れり尽くせりという感じだったのは意外だった。二十年ほど前に一度同じ場所で検診を受けたのだが、そのときはそんな空気ではなかった。建物もすっかりホテルのように新築されているし……。

胃部の撮影の前にメニューが出た。バリウムに味付けが何種類か用意されているという。オレンジ、グレープフルーツ、バナナなど……。今年からだそうだ。ちょっと迷ったが、味付けなしを選んだ。例によってグイングインと動くベッドの上でジタバタさせられて、とにかく終了。部屋を出ると待ち受けていた淡いピンクの制服を着た女性が洗面台へと誘って手や口を洗いなさいという(白いバリウムが付いていた)。そして下剤二粒と紙コップを差し出して「下剤とお水を三杯のんでください、バリウムは体内に残ると固まって危険なこともありますからね」と言いつつ自らウォーターサーバーから水を三分の二、お湯を三分の一ていど紙コップに注いで渡してくれた。ぐいと飲み干す。するとまたもう一度ぬるま湯カクテルを作ってくれる。
グイと飲んで
「バリウムは意外とおいしかったですよ」
などと愛想を言ってみたら
「あら、じゃ、またぜひいらっしてくださいね」
とニッコリしながら三杯目のコップを渡してくれた。
「はは(笑)」
外へ出ると日もとっぷり暮れてスナック予防というネオンが赤く灯っていた……わけはない。


なせ医師はバリウム検査を受けない?




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by sumus2013 | 2016-12-29 21:12 | 雲遅空想美術館 | Comments(2)