林哲夫の文画な日々2
by sumus2013
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大人の時間 子どもの時間

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今江祥智『大人の時間 子どもの時間』(理論社、一九七〇年二月、そうてい=宇野亜喜良)。やはり均一台にて。見返しのあそび紙のところに献呈署名がある。《上野瞭学兄 恵存 今江祥智》。どうしてこれが均一に?

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と思ったら、線引きにドッグイヤーが二ヶ所ほどあったのだった。けれども、考えてみれば、これは当然上野瞭が書き入れ、そして角を折ったと考えていいだろう。それなら別段マイナス評価にはならないのじゃないのかな? 上野瞭には児童文学として『ひげよ、さらば』、小説に『砂の上のロビンソン』『アリスの穴の中で』がある。

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エーリヒ・ケストナーについて書かれた文章がなかなか熱い。「人と作品=A」の「a 
エーリヒ・ケストナー」より。

みなさんの子どものころを決して忘れないように、とケストナーはいう。忘れるものかとぼくは思う。
 ぼくが子どもだったころ、日本はいくさ[三字傍点]のさなかにあった。子守唄のかわりに軍歌が鳴りひびき、兄はぼくとキャッチボールをするのを止して戦場に行かねばならなかった。

ドイツの作家、『ヨーゼフは自由を求める』の著者ヘルマン・ケステンは、その友人ケストナーについて書いた文のなかでこう言う。
 成人してから私はケストナーの子どもの本を読んだ。『エミールと探偵たち』から『動物会議』『二人のロッテ』に至るまで。

ケステンは子どものころ、子どもの本など一冊も読まなかった。そのかわりに、聖書、シラー、シェイクスピアなどからすぐに始めた。
 ぼくは子どものころ、子どもの本など読めなかった。そのかわりに山中峯太郎、高垣眸、南洋一郎などの戦争スパイ小説、チャンバラや冒険活劇の本をあきるほど読んだ。同じころに読んだ本で今まではっきり感動をおぼえているのは、わずかに「ファーブル昆虫記」だけである。
 しかし大人になってからケストナーを読み、感心したのは、おそらく二人とも同じだろう。それでここに書きたいのはそのことなのだ。つまり、「八歳から八十歳の読者のために」本を意図し、書きつづけ、成功したと思われるケストナーの秘密はどこにあるかということだ。その間に、戦争と知識人の問題、転向と亡命の問題、詩人と金銭の問題、子どもと親の問題、等々が出るにちがいない。

『エミールと探偵たち』は、その後のケストナーの児童文学の原型だといえる。その根底にあるのは正義感、少年の心にはびっしりつまっていて、大人になるにつれてボロボロ抜けおちる正義感である。それを支えるものとして「男らしさ」の精神、それに、「純金の心」そのままの鋭さを備えた眼。

その彼の秘密の一つはまた、彼が『エミールと探偵たち』で主張した正義と勇気の大切さを身をもって実証したところにある。彼はうそつきではなかったのだ。だから子どもたちはこの「おじさん」を信用したのだった……。

引用最後の《身をもって実証した》は、ケストナーがナチ政権下で、焚書に処せられ、執筆禁止を命じられながらも、亡命をせずドイツに留まり続けたことを指す。小生も子供の頃にケストナーを読んだ記憶はまったくない。しかしこれまでにも彼の本は何冊も取り上げている。

『雪の中の三人男』(白水社、一九五四年)

『ケストナー少年文学全集6』(高橋健二訳、岩波書店、一九六二年五月一六日)

『飛ぶ教室』(高橋健二訳、一九五〇年四月一七日)

『どうぶつ会議』(岩波書店、一九五四年一二月一〇日)

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by sumus2013 | 2017-09-22 21:00 | 古書日録 | Comments(0)
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